【REVIEWS】For All Eternity – Metanoia 〜オージー産プログレッシヴ叙情メタルコアの雄〜
Released: 12/9/2015 – Facedown / Garimpeiro
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2008年にオーストラリアはシドニーにて結成。結成翌年に自主制作でEP「For All Eternity」をリリース後、メンバーチェンジがあった為精力的には活動出来なかった期間があるようだが、その後2012年にはShock/Taperjeanと契約。同年に1stフル作「Beyond the Gates」をリリースした。その後も本国オーストラリアを中心にLive活動を続けてきた彼等が、クリスチャンといえば、のFacedownへ移籍し、いよいよこの最新作でワールドワイドデビューを果たした。オーストラリアといえば最近In Hearts WakeやNorthlaneといったメタルコア勢、Thy Art Is MurderやBoris The Bladeといったデスコア勢等の台頭で再び活気づいている訳だが、彼等も間違いなくその中に名を連ねる素晴らしいサウンドを鳴らす。
彼等の強みは何と言ってもそのバランス感覚。テクニカルかつプログレッシヴな展開を叩きつけるパートやアグレッションとブルータリティー、そして浮遊感と奥行きを存分に構築したハイブリッドなプロダクション。叙情的なフレーズとスペーシーなフレーズの融合。昨今のポストハードコアの王道ともいえる、ハイトーンで唄われるエモーショナルなクリーンパート。そして若干のdjent影響。これだけの要素が混ざっていると大体がごちゃごちゃして聴こえるものだが、これがそれぞれのテクスチャーが際立つように鳴らされているのはお見事の一言。The Ghost Insideほどスポーティーではなく、Peripheryほど複雑でなく、Erraほどテクニカルでなく、Misery Signalsほど暗鬱ではない。しかしながらその全てを内包しながら真ん中を射抜いた様な、とにかくハイクオリティーな作品だ。
テキスト:Yuji Kamada