【FEATURES】Yellowcardファイナルアルバム・インタビュー「何年もみんなが僕たちをサポートしてくれたことには一生感謝するよ」
2008年に一度無期限の活動休止に入るも2010年に見事復活し、以前にも増して精力的に活動を続けてきたYellowcardが20年の歴史に幕を下ろす。悩みに悩んで、何度も話し合いを重ねた末のバンドの決断だ。そして彼等は自らの名前を冠にした10枚目にして最後の作品となるアルバム「Yellowcard」を作り上げた。このラスト作ではラジオプレイのことも気にすること無く、自分たちのやりたいように、自分たちの好きな曲を作ることだけに集中したという。バンドがどのように最後の作品を作り終え、そこで何を思ったのか?そして幾度となくライヴを行ってきた日本への思い、さらに気になる解散後の動きまでをフロントマンのRyan Keyに語ってもらった。
“これでYellowcardが終わるということを受け入れるのに苦労したんだ”
──まずはファイナルアルバムを作り終えた感想を聞かせてください。
Ryan Key(以下Ryan): ほろ苦い感じなんだ。自分たちの望み通りの別れを告げるアルバムができたと思う。曲はパワフルで、いろんな方法で歌詞が「さよなら」を伝えているんだ。みんなに聴いてもらうのが楽しみなのと同時に、最後のアルバムだから感情的にもなっていることは確かだよ。
──今回のアルバム制作にあたって何曲くらい曲を準備したのですか?
Ryan: 10曲作って、10曲アルバムに載せた。好きな曲が10曲できるまで各アイディアに取り組んだからフィルターはなしだった。自分たちが作りたい音楽が作れたと思うよ。
──楽曲制作からレコーディングまで実際にどれくらい時間をかけて作られたのですか?
Ryan: 最初から最後まで全部で12週間かかった。僕のテネシーの家にメンバー全員に泊まってもらって、ギタリストのRyan Mendezと僕がプロデュースもした。バンド活動を始めたばかりの、みんな同じ家に住んで軌道に乗せようとしていた頃の昔のような気持ちが蘇ったよ。
──今作はすごく自由に制作を行ったそうですが、最初に公開された “Rest In Peace” はすごくYellowcardらしい楽曲だと感じました。楽曲を作る上で、ファンが求めているであろうYellowcardらしさを意識することはありましたか?
Ryan: いつも曲が先に来るんだ。とてもパーソナルな気持ちで曲を作っていたから、音楽やメロディーにバンドの魂が表れていればいいなと思う。僕たちは年月とともに進化したてきた。ファンが僕たちの音楽を喜んでくれることは大好きだけど、誰かが求めているものをあえて作ったことはないよ。
──今作の中で一番大変だったことはなんですか?
Ryan: 個人的にはこれでYellowcardが終わるということを受け入れるのに苦労したんだ。簡単にできることじゃないのは分かってるけど、これが現実的にどんどん近づいてくると受け入れることが辛くなってくる。僕たちやファンにとってファイナルのライブがどれだけ特別なものになるかってことだけに集中しようと思ってるよ。
──長年ずっと一緒に仕事をしてきたプロデューサーNeal Avaronとの作業はいかがでしたか?アルバム制作中、彼とはどんなやり取りをしましたか?
Ryan: 今回はエグゼクティブ・プロデューサーとしてやってくれたから今までのどのアルバムとも違ったよ。セルフプロデュースすることに決めて、実際自分たちでつまみをひねったりサウンドを改善したりしたんだ。Nealはプリプロダクションの段階からすごく熱心に協力してくれた。曲が力強くて、今までやったすべての楽曲と同等であることを確かめてくれたし、アルバムのミックスもしてくれたから最終的に最高なものになったんだ。僕たちの成功はNealのおかげと言ってもおかしくないくらいずっと支えてきてくれた。彼はずっと良き友人であり良き指導者でいてくれたんだ。
──Yellowcardとして最後のWarped Tourはいかがでしたか?
Ryan: 最高だったよ。アルバムの全てのプロセスと同じように、ほろ苦かった。 特にオレゴン,ポートランドでの最後のライブがそうだったんだけど、かなりエモーショナルになったライブもあったんだ。最後に友達みんながステージに立ったり、観客にいるのを見るのはヘヴィーだったよ。特にこの15年間自分たちの音楽のキャリアを築く手伝いをしてくれたWarped Tourの人たちには感謝したいね。
──また日本からHopeless Recordsのレーベルメイトでもあるcoldrainが出演していましたが、彼等のライヴは観ましたか?
Ryan: そうそう!1月に日本に遊びに行った時、ベーシストのJosh Portmanと彼らのヘッドラインライブを東京で見たんだ。彼らはすごいよ。Warped Tourでも数回彼らのライブを観たし、何度か一緒にサッカーもしたよ。
──ファイナルツアーにはサポートアクトとしてLike Torches、Dryjacket、Normandie、The Kennethsが出演しますが、このような若いバンドだけを選んだ理由を教えていただけますか?
Ryan: これがファイナルツアーってこともあって、もちろんチケットの売れ行きが良いから、ツアーで応援したい、あまり有名じゃないバンドを連れて行くことにしたんだ。彼ら全員と同じステージをシェアすることを楽しみにしてるよ。特にLike Torchesと日本に行くことが待ち遠しいね!
──バンド解散後に何をやるかはもう考えていますか?
Ryan: プロデューサーとしてのキャリアを真剣に軌道に乗せたいんだ。テネシーの自宅にスタジオを建てて、自分の人生の次のチャプターを始める準備ができてる。長年Neal Avronと仕事をすることで多くのことを学べたから、この知識で他のバンドを手伝いたいと思ってるよ。
──プロデュース業はもう実際に動きはじめているのですか?また次に若いバンドのプロデュースをするとしたら、どんなバンドを手掛けたいですか?
Ryan: Yellowcardが終わってから自分がアルバム制作に携われることを正式に公表するつもりなんだ。どうなるか見てのお楽しみだけど、今の段階では才能あるソングライターやミュージシャンと機会があればやっていきたいと思ってるよ。
──これまで何度も来日公演を行ってきていますが、振り返ってみて一番思い出に残っているのはどんなことですか?
Ryan: あまりにも大好きだから一つは選ぶのは難しいんだけど、2004年に初めて日本で飛行機を降りた瞬間かもしれないな。すぐに君たちの国に恋をしてしまったんだ。将来ももっといろんなバンドやアーティストと仕事をして日本に行けることを期待してるよ。自分の母親を悲しませないなら、本当は引っ越して日本で暮らしたいくらいなんだ。
──来年の来日を楽しみにしています!最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
Ryan: Yellowcardとしての、素晴らしい日本での来日は最後になるけど、何年もみんなが僕たちをサポートしてくれたことには一生感謝するよ。日本での思い出はいつまでも心の中に入れておきたいんだ。僕たちのファイナルライブにみんなが来てくれて、直接ありがとうって言えたらいいなと思ってる。最後にもう一回、みんなと一緒にロックするのを楽しみにしてるよ。
翻訳:Ginger Kunita
Yellowcard「Yellowcard」
In Stores Now
KICK ROCK INVASION / Hopeless Records
EKRM-1347 / ¥2,130(w/o tax)
The Final World Tour:
w/ Like Torches
2017/2/28 (TUE) 大阪 梅田 CLUB QUATTRO
2017/3/2 (THU) 東京 新木場 STUDIO COAST
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