【NEWS】ヘヴィーミュージックは実際にリスナーに良い影響を及ぼす
Falling In Reverseの “I’m Not A Vampire” という曲の中でRonnie Radkeは「僕の名前はRonnie。僕は中毒者。父親は僕をBlack Sabbathで育てるべきじゃなかった。」と歌っています。これはちょっとした冗談ですが、心理学的に言えばこれは間違いです。多くの親や周りの人は、素行の悪さや暴力行為を、攻撃的でヘヴィーな音楽のせいにしますが、この考えを裏付ける確かなものはありません。事実、多くの精神専門医は、攻撃的な音楽の効果とリスナーの生活の中で果たす役割は、一般的なイメージとは反対のものになっているという研究結果を発表しています。
「Hardcore, Punk, And Other Junk: Aggressive Sounds In Contemporary Music」の著者Eric James Abbeyは「それがなければ、人々は感情を押さえつけ引っ込めてしまい、おそらく暴力的になったり、落ち込んだりするだろう。」と語っています。こう考えているのは彼ひとりではありません。攻撃的な音楽が実はリスナーに良い影響を与えることができるという考えは、専門的に研究され、統計的な調査結果によって裏付けられています。またFrontiers In Human Neuroscience誌に掲載されたエッセー「Extreme Metal Music And Anger Processing」の中で Leah SharmanとGenevieve A. Dingleは「この調査結果では、怒っている参加者がエクストリームミュージックによってそれ以上に怒ることはなかったことを指し示しており、その興奮に合わせて、結果的にポジティヴな感情が増加するように見えた。エクストリーム・ミュージックを聴くことは、リスナーの怒りを処理する健全な方法になるかもしれない。」とレポートしています。つまり、ハードコアバンドやメタルバンドを聴くことで、あなたの生活の質を向上させることが実際に可能であるということの証明なのです。
それでもまだ疑り深い人はためらうかもしれません。心配している親やスクールカウンセラーは、このような音楽を聴いている10代の子が他の子よりも落ち込んだり怒ったりしていると主張するかもしれません。ここで問題になるのは研究員が因果関係と呼んでいるものです。例えばヘヴィーミュージックを聴いていることが原因で人が心理的にひどい状態になるのか、それとも彼らはすでに心に問題を抱えている為にこういう音楽を聴いているのか? SharmanとDingleのレポートを見る限りでは、前者になる証拠は無く、「リスナーは自分の感情を反映する、または改善する音楽に引き寄せられます。」と論文で主張しています。しかし彼らはどのようにしてこの結論に至ったのでしょうか?
この研究は実際にとてもシンプルなものでした。まず18〜34歳までの39人のエクストリーム・ミュージック・リスナー(ここでのエクストリーム・ミュージックとは、カオティック、ラウド、ヘヴィーでパワフルなサウンドとエモーショナルなボーカル、歌詞のテーマに不安や落ち込み、社会的孤独などを含む音楽です)がテストのために管理下に置かれました。研究の第1段階で被験者は怒っている状態でした。そして怒りのレベルを上げた後、被験者は無作為に2つのグループに分けられ、1つのグループには自身の音楽プレイヤーでエクストリーム・ミュージックを10分間聴いてもらい、もう1つのグループには同じ10分間を座って静かにしていてもらい、心拍数を計測し、敵意、イライラ度、ストレスを推測するための質問を受けました。この研究から見えたことは、音楽を聴いていても静かにしていても、心拍数もストレスレベルも低下したということでした。もし攻撃的な音楽が本当に人を怒らせるのであれば、こういう結果にはならなかったでしょう。
人々は様々な理由でエクストリーム・ミュージックや攻撃的な音楽を聴いていることが分かっており、いずれにしても心理状態や態度を悪化させることはありません。Abbeyは自身の本の中で「パフォーマーと参加者の怒りを取り除くために、思いやりの欠如や恐怖の感情がしばしば使われることがある。そしてそれは欲求不満を発散したり、心を穏やかにする。」と書いており、同様に「彼らはその中でそれ以上のものを見つける」ようになるとも書いています。つまり、あなたが聞く音楽には、難しい感情を整理するのに実際に役立つ力があるのです。ハードコア、パンク、メタル、攻撃的なラップ・ミュージックを聴いている人はすでに実感していることでしょう。この手のジャンルを聴かないリスナーはこの考えに疑問を持つかもしれませんが、次に記す事実に目を向けてみて下さい。論文「Frontiers In Human Neuroscience」は非常に納得の行くパーセンテージで文章を締めくくっています。「参加者の79%が、エクストリーム・ミュージックが怒りを存分に味わう手助けになったと話し、69%がこの音楽が気持ちを落ち着かせてくれたと話し、74%が悲しみなどの否定的な感情を改善したことを認めた。最も意義深かったのは、エクストリーム・ミュージックを聴くことで、全体的に幸福感が増すことを参加者全員が認めたことだ。」
あなたがヘヴィーミュージックを聴いていることに対して、もしあなたの親や周りの人が不安に思っているのなら、この事実を教えてあげてください。どれだけ自分が音楽に助けられ、日々の糧としているのかが、きっと伝わるはずです。どんなジャンルであろうと、音楽にはあなたの人生を変える力があります。
1 thought on “【NEWS】ヘヴィーミュージックは実際にリスナーに良い影響を及ぼす”
Comments are closed.