【FEATURES】Periphery来日インタビュー:「日本はいつだって訪ねたい場所であり、プレイしたい場所なんだ。」

先月2/21大阪、2/22東京で「LOUD PARK 2014」以来2年半ぶりの来日公演を行ったワシントンD.C出身Djent/プログレッシヴ・メタルバンドPeriphery。グラミー賞2017の「Best Metal Performance」部門に “The Price Is Wrong” がノミネートされ、世界中から注目を集める中での来日となった今回のライヴでは、ベーシスト Adam “Nolly” Getgoodが不在であるにも関わらず(Nollyは昨年からツアーには参加しないことを発表している)、すべてのオーディエンスを惹きつける、これまで以上に圧倒的なパフォーマンスを魅せつけてくれた。そして今回ライヴについて、グラミーノミネートについて、そして次の新作についてなどをメンバー全員に語ってもらった。
“日本は戻ってくることをいつも楽しみにしている場所なんだ。日本は大都市にしか滞在したことがないけど、同じ地球上にある都市とは思えないくらい米国と違っていて感動する”

──昨夜(2月21日)の大阪公演はいかがでしたか?
Jake:とても興味深かったね。バンドがステージに上がる前や曲間、オーディエンスがとても静かだった。蚊のオナラも聞こえるんじゃないかってくらいにね(笑)
でも、僕たちが演奏を始めた途端、オーディエンスは曲に入り込んでくれる。まるでスイッチが付いているかのようにね。他の国じゃあり得ないことだよ。
──日本のライヴ特有の静寂ですね。ただ、それはアーティストへのリスペクトの表れだと思います。もう慣れましたか?
Jake:うん。
Mark:何度も来日しているから慣れているよ。これは日本独特の文化だと思うな。
Jake:今回のアジア・ツアーの中でも昨夜の大阪はお気に入りのショウだったよ。とてもいい会場だったし、気分よくプレイできたからね。
Misha:そういえば、Spencerがオーディエンスにバナナをあげていたよ(笑)
Spencer:そうそう!バナナを受け取ったファンがステージに上がってきてくれて、俺たちが1曲プレイしている間にそのバナナを食べたんだ(笑)
──今夜も期待していいですか(笑)?
Misha:どうだろうね(笑)
Mark:今夜はアボカドかな。リンゴやレモンもいいんじゃないか(笑)。
Spencer:そこに果物が入っているバスケットがあるから選び放題だね。
Misha:ハハハ、昨夜の出来事は狙ったことじゃないんだ、偶然の産物なんだよ。
──昨夜は、MishaとMarkによるプロジェクトHaunted Shoreの曲 “Memento” もプレイしたそうですね。
Mark:うん。“Memento” は、数年前にサウンド・チェックでなんとなくジャムっているときに生まれたリフが元になっている。当時はperipheryの曲になるかどうかも決まっていなかった。この曲は弾いていて心地よいから、今回のセットに入れてみようってなったんだ。
──さて、バンドはラウドパーク’14以来の久々の来日になりますね。改めて日本はいかがですか?
Matt:最高だね!日本は戻ってくることをいつも楽しみにしている場所なんだ。日本は大都市にしか滞在したことがないけど、同じ地球上にある都市とは思えないくらい米国と違っていて感動する。それでいてとても居心地がいいんだ。
──何か印象に残っていることはありますか?
Matt:大阪で食べた焼肉は最高だったね。そうそう、今日2月22日はSpencerの誕生日なんだ。
Spencer:今夜はクラブでパーティーだ!(笑)
Mark:Spencer はようやく30歳になったんだよ。
Matt:このバンドでは、まだベイビーだね(笑)。
Mark:一番若いメンバーだからね。これでバンドは全員30代になった。
──ベーシストのNollyが、昨年からツアーに参加していませんね。ベース・パートはどうやって補っているんですか?
Misha:Nollyのプレイを録音したトラックをコンピューターで同期させているよ。
Spencer:彼はステージには居ないけど、一緒に演奏しているんだ。
Misha:そう、彼はperipheryのメンバーだからね。俺たちは音のクオリティで苦しむのはゴメンだし、同期ってやり方が最善策なんだ。
───ツアーメンバーを加えることは考えていないんですか?
Misha:それはない。うまくいかないと思う。Nollyは彼にしか出せない独特のサウンドを持っているしね。さっきも言ったけど、音のクオリティやバランス、変化で苦しみたくない。そう考えると、今のやり方が一番シンプルなんだよ。
Mark:僕はバンド内の人間関係がとても良好で幸せを感じている。今の関係は時間をかけて築いてきたわけだし、この6人のチームを失いたくないんだ。

──昨夜の大阪公演に参戦したファンのツイートをチェックしたのですが、Spencerの圧倒的な歌唱力を絶賛する声がとても多かったです。噂に聞いたのですが、あなたはステージ上でウイスキーを飲みながら、あんな絶叫をしているんですか?
Spencer:いや、もうウイスキーは飲んでいない。いまはワインだ(笑) 噂の通り、昔は確かにウイスキーを飲んでいたよ。
Mark:ワインはフルーツからできているんだから、ウイスキーよりは健康的だろ?
一同:(笑)
──普段、喉のケアはしているんでしょうか?
Spencer:うーん、普通にウォームアップしているくらいで、特別なことは何もしてない。ステージに上がる前にスケール練習して、「おい、ステージにあがるぞ」って喉に教えるくらいだね。
──ツアー中ではいかがですか?
Spencer:うーん、分からないなー。
Misha:寝られるときに寝ておくことだね!
Spencer:そうだね、寝ることは重要だ。あとは風邪を引かないことかな。
Jake:長いツアーでは睡眠時間を満足に取れないことも多くて、どうしても病気になってしまったりするから、そこは皆が気を付けていることだね。
──グラミー賞のBest Metal Performanceに “The Price Is Wrong” がノミネートされましたね!ファンの1人としてとても嬉しいニュースでした!授賞式には行ったんでしょうか?
Misha:いや、アジア・ツアー中で香港に居たから参加できなかったんだ。
Jake:ノミネートできたことが光栄なことだね。
Mark:うん、ノミネートしただけでも衝撃だし、誇りに思ってるよ。実は、今でも実感が湧いていないんだ。
Jake:グラミーのような大きな組織に自分たちが認知されること自体がとても難しいことだし、ノミネートされただけでも十分だと思ってるよ。

──ノミネートが発表されてから、何か変わったことはありますか?
Jake:「俺たちクールだな」って思ったね(笑)
一同:(笑)
Jake:バンドのプレスリリースに “グラミー賞ノミネート・アーティスト”っ て書かれるようになったくらいかな。
Spencer:新しく名刺を作らなくちゃね、“グラミー賞ノミネート・シンガー” って書いてある名刺をね(笑)
Matt:変わったのは周りの人じゃないかな。周囲にいる友達や知り合いは、俺たちが普段何をやっているのかよく分かっていない。それがノミネートしてからは、ようやく認めてくれたみたいで「おまえグラミー賞にノミネートしたんだって?」ってメッセージを送ってきているよ(笑) 周りの目が変わったんだ、俺たちは以前と何にも変わらずバンドで演奏しているだけなのにね。
“僕たちは常に曲を書いている。常に音楽は生まれているんだ”
──アルバム『periphery III: Select Difficulty』は、昨年7月にリリースされたばかりですが、新作のアイデアはありますか?
Misha:前作は2年近く時間を費やして完成させたし、まだアイデアは何もないね。
俺たちはアルバムを作りたくなったら、制作を始める。ありがたいことに、peripheryはプレッシャーのない環境を与えられているんだ。曲のことはメンバー同士でいつも話し合ってはいるけど、今はアルバムの制作よりもツアーに注力したいと思ってる。また、そのときが来たらアルバムに取り掛かるよ。焦って作るようなことはしない。あくまで楽しみながら曲を作りたいし、それを仕事と思いたくないんだ。
だから、いつどんな作品を作るってことはコメントできないね。
Jake:確実なのは、僕たちは常に曲を書いているってこと。このバンドはメンバー全員、プロデュース能力があるからね。決して止まっているわけじゃなくて常に音楽は生まれているんだ。
──プレッシャーを感じたことはありますか?
Mark:僕はないね。一度も感じたことはないんだ。
Jake:過去のレコーディング中に感じたことはある。でも、そのとき自分が感じたことや想いをアウトプットしていくしかないんだよね。最終的に、プレッシャーがない状態が良い作品を生み出せるってことに気付いたよ。
──ただ、今日でアジア・ツアーも終わります。新作のことは本当に考えていないんですか?
Mark:ハハハ、君は本当に僕たちを新作に取り掛からせたいんだね(笑)
Misha:わかったよ!明日から始めるよ!(笑)
一同:(笑)
Jake:新しい動きとしては、Mishaと僕はエレクトロのプロジェクトを始めているんだ。
Misha:うん、俺とMarkはHaunted Shoreというプロジェクトをやっているし、SpencerとMattはMothershipというプロジェクトを動かしているよ。
Spencer:アルバムは間もなく完成予定で、作業がスムーズに進めば今夏にはリリースできそうだよ。
Misha:さっきJakeが言ったように、俺たちは常に音楽を作っているんだ。

──Mothershipは、どんな音なのでしょうか?
Spencer:初期のナイン・インチ・ネイルズのような感じかな。他にもいろんな要素があるけど、一番の影響はそこからだね。
Misha:はっきりいって、すごくいい内容だよ。
──『Clear EP』(2014年発表)収録曲でSpencerがプロデュースした曲 “Feed the Ground” は、まさにナイン・インチ・ネイルズに近いサウンドだと感じました。
Spencer:その通りだね。“Feed the Ground” は、実は自分のアルバム入れる予定の曲だったんだ。
※『Clear EP』はメンバー各々がプロデュースした楽曲を収録した作品。
──From First to Lastのヴォーカリストとしての活動はどうなったのですか?
Spencer:『Dead Trees』(2015年発表)に参加しただけさ。その話もMatt Goodの依頼があったからなんだ。From First to Last のメンバーとは長い付き合いだからね。今はSonny Mooreがバンドに復帰しているし、彼らとは良い関係を続けているよ。
──Skrillexとして大きな成功を収めていたSonnyが、From First to Lastに復帰したニュースは日本でも話題です。
Spencer:世界中どこにいっても話題だよ!あんなに成功していたSonnyがまたバンドに帰ってくるなんて誰も考えもしなかったことだ。新曲を聴いたけど、昔のスタイルに戻っていてクールだね。
──Peripheryは、ジェントやプログレッシヴ・メタル界を牽引している存在ですが、そのジャンルでお気に入りのバンドを挙げてもらえますか?
Misha:プログレッシヴ・メタルならThe Contortionistかな。
Spencer:俺はSikThが好きだね。
Mark:僕もSikTh、あとはVeil of Mayaかな。
Misha:SikThもいいね!仲が良いAnimals as Leadersも好きだ。基本的に俺たちがツアーで一緒に周るバンドはどれも好きだよ。あと、プログレッシヴ・メタルじゃないかもしれないけど、CHONはとてもいいバンドだね。
──CHONは私も大好きなバンドです。メンバーはとても若いですよね?
Misha:うん、とてつもない才能を持っているよ。アルバムを聴いたとき、本当にステージで再現できるのか疑問を抱いたけど、彼らはそれをやってのけるんだ。
──本当に残念なことに、CHONはまだ日本でライヴをしたことがないんです。
Mark:彼らは絶対に日本で大成功するよ!
Misha:間違いないね。日本人は才能のあるギタリストが好きだからね。CHONのギタリストは今まで見てきた中でも最も才能があると思うよ。
Mark:今回のツアーに呼べばよかったね!
Misha:よし!二か月でアルバムを完成させて夏にCHONと来日しよう!
一同:(笑)

──才能のあるギタリストと言えば、元Born of Osiris、Chelsea GrinのJason Richardsonのソロアルバム『I』にMarkとSpencerが参加していますね。
Mark:Jasonはとんでもないテクニックを持っている。次世代のギタリストだと思うよ。
Spencer:彼もまだ24、25歳くらいで若いミュージシャンだよね。
Misha:Jasonは15歳の頃からとてつもないテクニックを持っていたよ!
Mark:僕は “Fragments” のソロを弾いている。細かいやりとりもメールでやりとりしただけだから、彼がレコーディングしている姿は見ていないんだ。
Spencer:俺は “Retrograde” って曲に参加している。ヴォーカルを録音しにスタジオに行ったときはアルバムも大詰めの段階だった。彼は凄腕ギタリストというだけじゃなくて、素晴らしいソングライターでもあるんだ、クールだよ。
──Peripheryはこれまでに5枚のアルバムをリリースしています。各々を一言で表現してもらえますか?
Misha:『periphery』(2010年)は“IMMMATURE=未熟な作品”だね。『periphery II: This Time It’s Personal』(2012年)は、“RUSHED=急かされた作品”。
Spencer:そうだね、レコーディングをとても急かされたんだ。“STRESSFUL=精神的に疲れた作品”でもいいかな。
Misha:『Juggernaut: Alpha』、『Juggernaut: Omega』(2015年)は“LONG”。完成まで本当に長い時間をかけた作品だから、この一言に尽きる。
Spencer:うん、“LONG”と“STRESSFUL”かな
Misha:『periphery III: Select Difficulty』(2016年)は“FUN”。楽しみながら完成させた作品だからね。
Jake:一番、楽しみながら取り組めた作品だ。メンバーが数か月間、一緒に過ごせたしね。
Misha:パジャマ姿でね!だから、『periphery III』を表現するなら“パジャマ”だな(笑)
──最後に今後の予定を教えてください。
Mark:全米ツアーが4月にあって、5月にはヨーロッパ・ツアーを控えている。夏は休んで、またツアーだね。
Spencer:今年はツアー中心の活動になりそうだ。
──日本にも是非また戻ってきてください。
Misha:いつだって呼んでくれれば戻りたいよ。これは社交辞令じゃない、俺たちにとって日本はお気に入りの国だからね。
日本人の君がインタビューしているから言っているわけじゃないよ。日本はいつだって訪ねたい場所であり、プレイしたい場所なんだ。和牛も食べたいしね、神戸牛をね!
Interview & Translation:Osamu Sawada
Photo:Shunpei Kato

Periphery「periphery III: Select Difficulty」
1. The Price is Wrong
2. Motormouth
3. Marigold
4. The Way the News Goes…
5. Remain Indoors
6. Habitual Line-Stepper
7. Flatline
8. Absolomb
9. Catch Fire
10. Prayer Position
11. Lune
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