【REVIEWS】Hands Like Houses – Unimagine
Released:7/23/2013 – Rise Records
オーストラリア出身のエモーショナルロックバンドHands Like Houses。彼らのセカンドアルバムのタイトル「Unimagine」は、あまりにも浅はかすぎたネーミングだったかもしれない。想像力に欠けるという意味のタイトルは、あまりにも皮肉すぎるような気がしてならないのだ。収録されている “A Fire On A Hill” や “Introduced Species” といった楽曲は、エモーショナルな楽曲としては申し分ないものだ。感傷的に歌い上げるヴォーカル、疾走感のあるギター、溢れ出るピアノとキーボードサウンド、重なるコーラス。どれをとっても良い出来だ。もちろん、哀愁漂う歌詞に強いコーラスも文句はない。しかし、収録曲11曲を聴き終わって感じることは、心に刺さるような楽曲がないのではということだ。BGMとして聴くには最適かもしれない。しかし残念ながら、一日の活力として聴くような作品ではないのだ。原因はフロントマンTrenton Woodleyのヴォーカルスタイルにあるような気がしてならない。彼のかすれた緊張感のあるエモーショナルなヴォーカルが、良くも悪くも影響していると感じる。特に、彼が感情を吐き出し、そして力強く歌い上げるミッドテンポの楽曲 “A Tale of Outer Suburbia” はアンセムに近いポテンシャルを持ちながらも、どこか物足りなさを感じさせる。ピアノの音色が美しいバラード “Oceandust” も同様だろう。おそらく今回のプロダクションは、超一流だったと思う。楽曲のいくつかは、とても興味深い構成になっている(楽曲Fountainheadのギターは、後期のThriceを彷彿とさせる)。しかし、アルバム全体を通してみると、何かに欠けるのだ。
テキスト: Jason Schreurs
翻訳: Ken-Ichiro Arima/有馬健一郎