【FEATURE】Vans Warped Tourガイドレポート
1ヶ月半の長きに渡り北アメリカをツアーする超大型フェス「Vans Warped Tour」。このフェスでなかなか語られることのないライヴ以外の部分にスポットを当てて今回このイベントを紹介しようと思う。
まずはオープン前、入り口はキッズが長蛇の列を作り開場するのを今や遅しと待っている。そして、その横にはipodと自分たちのCDを持った、まだまだWarped Tourには出演することができない若いバンドマンたちの姿が。何をしているのかと言えば、並んでいるキッズたちに自分たちの音源を聴いてもらい、よかったら買ってくれと売りに歩いているのだ。中にはフリーで配るバンドも。日本でもライヴ終わりにバンドマンが出口付近でフライヤーを配っている光景はよく目にするが、これは日本では決して見ることのできない光景だ。
そしてオープンして、まずみんなが向かう場所が左の写真の大きく張り出されたタイムテーブルボードである。なぜかと言えばWarped Tourでは、出演ステージは決まっているが(時折、ジャンプアップと言って、小さいステージに出ているバンドがメインステージに出演することもある。また逆のパターンも存在する)、出演時間は当日発表されるため(バンドが出番を知るのもその日の朝)ここにチェックしに来るのだ。バンドはオープン前からtwitter等でプロモーションを行い、会場でもプラカードを掲げ声を出して会場を歩き回り、とにかく自分たちのステージを見てもらうためにプロモーションを行っている。特に小さいバンドにとってはこのツアーが大きなチャンスになるので、少しでも多くの人にライヴを見てもらうために必死にプロモーションを行っており、もちろん今年日本から全日程参戦したCrossfaithも例外ではなく行っていた。せっかくWarpedに出演できても、ステージの大きさに関係なく10人にも満たないオーディエンスの前でプレイしなきゃいけないなんてことも十分に起こり得るのだ。
右の写真は、今回日本から全日程で出演したCrossfaithの名前が掲載されたタイムテーブルボード。そしてCrossfaithのステージにはたくさんのオーディエンスが集まり、ライヴ後のサイン会では物販テントに列を作るほどの盛況ぶりだった。
そして目当てのバンドをチェックした次は、お気に入りのバンドのフラッグを目指して物販テントへ向かう。人気のあるバンドは物販の種類も豊富で、常にMERCHを求めるお客さんで賑わっている。また日本とは違い、必ずしも終演まで物販販売をやっているとは限らない。むしろどのテントも、ほぼ終演の1〜2時間前にはテントを撤収してしまう。
左の写真はThe Wander YearsのMARCHを担当しているRyan。彼は以前、TWYとも同郷のVALENCIAのMERCHを担当していて、一度バンドと一緒に日本に来たこともある日本が大好きなMERCH GUYだ。もしかしたら今度のTWYの来日ツアーにも現れるかもしれない。
テントを出しているのはバンドだけではない。HopelessやFearless、No Sleepなど数多くのレーベルも出店しており、さらに日本でも人気のあるUSブランドGlamour Killsや、USでの展開を拡大し続けているインドネシアのブランドPeterSaysDenimなどのアパレル、もちろんVANS WARPED TOURというだけにVANSだって出店している。そして我らがAPのテントももちろんあり、今年はHopeless RecordsのサマーサンプラーをAPテント限定で配布していたり、毎日何組かのバンドのサイン会が開かれていて、バンドごとのサイン会だけでなく、APならではの豪華メンツによるサイン会も行われていた。下の写真はAPのWarped特集号の表紙を飾ったメンツによるサイン会と、読者投票によって選ばれたネクスト・ブレイク・バンドのサイン会の様子。
そして後はお目当てのライヴを楽しむのだが、とにかくWarped Tourは暑い!日中は特に猛烈な陽射しが照りつける。バンドから聞いた話によると、ラスベガスでは気温が45℃を越え地獄のような暑さだったようだ(今年は日本のフェスもかなりの暑さだったが)。私が行った場所では幸いそこまでの暑さではなかったが、ステージは基本野外なので、倒れて運ばれて行くキッズも少なくない。日本のフェスと同じく、とにかく水分、ご飯、休憩をしっかり取らないと一日中このイベントを楽しむのは難しいだろう。そして場所によりだとは思うが、私が行った場所では日が暮れるのが最後のバンドがプレイする20〜21時だったので、日に当たっている時間がとにかく長い。熱中症にならないために、しっかり体調管理をすることが何より大事だ。ラストのバンドが演奏するステージの後ろに広がる、広大な大地に沈む夕日は最高の景色のひとつだったが。
ライヴの楽しみ方自体は日本と何ら変わりがないので、来年行ってみようと思っている人がいるなら、そこはいつも通り楽しめることだろう。
また今回のWarpedから、バンドがステージで「モッシュ」や「ダイブ」という言葉を使ってはいけないということになった。その言葉を使ってしまうとそれが罪になってしまうようだ。ただバンドが言うことは禁止でも、行為自体が禁止になっているわけではなく、どちらも普通に起こっていたので、それがライヴを楽しむメインの方法だという人も問題なく楽しめるだろう。写真はモンスターステージのトリを務めたSilversteinのライヴで起こった巨大モッシュピット。
そしてステージと言えば今回、モンスターステージやタリーズステージと並んで、なぜかUSで爆発的な人気を誇るNHKのキャラクター、ド〜モくんの名前を冠にしたステージ「DOMO STAGE」がある。日本では特に話題にも上がらないキャラクターが、海の向こうではフェスのいちステージにまでなっているということには驚きである。
そして広大なアメリカをツアーするバンドたちは、中にベッドやソファー、テレビに冷蔵庫、トイレも完備した大きなバスで移動する。一見贅沢なように思えるもしれないが、あの広大なアメリカを毎日ツアーして回りパフォーマンスを行うには、これくらいの設備がなければ絶対に無理だろう。会場にズラリと並んだバスの光景は圧巻だ。中には写真のようなラッピングバスでツアーを行うバンドもいる。
パンク/ラウドシーンが好きならぜひ1度このWarped Tourを体験してみて欲しい。必ず今まで経験したことのない、最高の体験をいくつもできるはずだから。日本から来たと言ったら必ずバンドも歓迎してくれるだろう。
また後日Warped Tourの写真を【PHOTO GALLERY】で公開するので、そちらもぜひチェックを!
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