【REVIEWS】A Day To Remember – Common Courtesy

Released: 11/25/2013 – Self
AltPress.comレビュー
A Day To Rememberは馬鹿な連中ではない。
2010年にリリースされた前作「What Separates Me From You」から、ここまで来るのにかなりの時が経った。所属していたVictory Recordsとの裁判沙汰に決着をつけ、ダンスポップやスペースオペラロックなどの流行りものではなく、A Day To Rememberらしい作品をようやくリリース出来たのだ。彼らのファンは、間違いなくノックアウトされるような作品と言い切れるだろう。そう、A Day To Rememberは誰かの浅はかな指示に従うような愚かな連中ではないのだ。何が正しいか、誰が味方か、ちゃんと理解しているのである。
彼らの通算5枚目となる作品「Common Courtesy」は、歌詞の内容にギターのリフなど、どれをとっても今のバンドのレベルに見合った秀逸な作品となっている。しかし、この作品はファンの意見も両極端に分かれるものになるかもしれない。なぜならば、極端な変化はなくこれまでのサウンドを踏襲しているからだ。それをどのように受け取るかは、リスナー次第だろう。
今作「Common Courtesy」を聴いて、ポップコアやヘヴィなサウンドを求めていたファン達は虜になるだろう。バランスよくそういったサウンドがちりばめられているからだ。しかし、ポップパンクよりのサウンドも忘れてはならない。今作のオープニングを飾るバンドの故郷の街について歌った “City Of Ocala”、不屈の精神について歌った “Right Back At It Again” などが、ポップパンクよりの楽曲と言えるだろう。そして、シンガーのJeremy McKinnonが、バンドの駆け出しの頃の思い出を歌詞にしたアルバムの最後に収録されているツアーの日々を歌ったノスタルジックな “I Remember” も、忘れてはならない1曲だろう。
そしてA Day To Rememberの特徴のひとつと言えば、前述したヘヴィなサウンド面だろう。この「Common Courtesy」は特別なサウンドの変化はないものの、充分にヘヴィなサウンドを好むリスナーを満足させる作品となっている。それは2007年リリースの「For Those Who Have Heart」や2009年の「Homesick」、そして前作「What Separates Me From You」にも通じる、1曲聴くと次が聴きたくなるような癖になってしまう魅力があるのだ。”Sometimes You’re The Hammer, Sometimes You’re The Nail” や “The Document Speaks For Itself” といった楽曲は「For Those Who Have Heart」の頃のバンドを感じさせるものだ。歌詞は、どこか「Homesick」の “Mr. Highway” にも似たものを感じる。その楽曲内で’Disrespect your surroundings’と叫ぶパートは “The Document Speaks For Itself” 内で’No fucking respect’と叫ぶブレイクシーンによく似ている。”Life Lessons Learned The Hard Way” と “Violence (Enough Is Enough)” は、McKinnonが近年抱えていたフラストレーションが込められた楽曲と言えるだろう。もちろん、彼のそういった思いは他の作品にも落とし込まれているのは間違いない。もしリスナーが純粋にヘッドバンギングを楽しみたいと言うなら、たとえそうでないとしても、このレコードはその音を楽しむにはぴったりの作品と言えるだろう。
このアルバム「Common Courtesy」は、ドライヴするモダンロック・ナンバー “Best Of Me”、90年代のオルタナティヴロックを感じさせる”I’m Already Gone”、パワーバラードの “I Surrender” に、ミッドテンポのラジオナンバーである “End Of Me” といったアリーナクラスのバンドらしい楽曲も収録されている。こういった楽曲は、今までなかったテイストかもしれない。しかし、間違いなく耳に残る楽曲でもあるのだ。またポップパンクファンとヘヴィなサウンドの両方を求めるリスナーにとっては、“Life @ 11”はツボを突いた楽曲と言えるのではないだろうか。
今作はA Day To Rememberのベストな作品なのか?おそらく多くのレビュアーが、ノーと言うかもしれない。それでも、この作品はソリッドで満足出来る内容になっている。バンドを巡る様々なトラブルの後でリリースされたこの「Common Courtesy」は、待ちわびたファンを十二分に満足させてくれるはずだ。たとえそうでないとしても、この作品はA Day To Rememberの教科書とも言うべきものとなるだろう。つまりは、このアルバムをどう捉えるかは、あなた次第なのだ。
テキスト: Brendan Manley
翻訳: Ken-Ichiro Arima/有馬健一郎
AltPress.jpレビュー
デビュー作がフロリダのIndianolaレーベルからリリースされた当初は、極悪なスクリームとドキャッチーなメロディーが交錯しつつも今ほど洗練されてなかった。それ故、ややイロモノ扱いされていた彼等も今やSLEEPING WITH SIRENS等と並び、インディーシーンのトップ・プライオリティに君臨する。Victoryとの長年に渡る決裂も一段落を迎え、また一つ大きな可能性を手に入れた事は間違いない。そう感じると同時に、リリースまでヤキモキしたファンをも全て納得させるA DAY TO REMEMBERという、刻み込んできた軌跡を全て濃縮した様な素晴らしい一作となった。
過去最高にキャッチーに青空に向かって疾走する “City Of Ocala” や “Right Back At It Again” という冒頭二曲で、個人的には既に涙腺防波堤欠壊気味。ただキャッチーなだけでなく、ブレイクダウンもしっかり搭載している辺りにもニヤニヤ。“Sometimes You’re The Hammer, Sometimes You’re The Nail” や先行で発表されていた“Violence ( Enough Is Enough )” 等、ヘヴィで極悪なパートから刹那のメロディーが顔を出す楽曲。ブレイクダウンを搭載した彼等流のメロデスへのオマージュ “Life Lessons Learned The Hard Way”。そして “Best Of Me” や “Life @ 11” といったスクリームやキャッチーなメロディーではなくエモーショナルを全面に押し出した楽曲。“I’m Already Gone” や “I Surrender” といったアコースティックなサウンドをフィーチャーした楽曲。そして何より驚かされるのは “End Of Me” や “I Remember” といった乱暴に比喩してしまうとNICKELBACKにも通じるモダンなオルタナティヴロックを思わせる楽曲。
全編を通して過去最高にキャッチーであり、過去最高にヘヴィ。彼等のサウンドを形成する「Hardcore」と「Pop Punk」という、たった二つのエクストリームな要素の融合が一つの完成型となった。次はどうでるのか。変化を求める声も海外では少なからずあるが、きちんと自分達をサポートしてきたファンを想い、耳を傾けてきたバンドだ。その目線は真っ直ぐ向いていて、それが何よりも眩しい。
彼等を始め、素晴らしいバンドを多く輩出してきたVictory Recordsは2006年のHAWTHORNE HEIGHTSの大ヒット2nd作「If Only You Were Lonely」のリリース・タイミングで一度広告まで出ながら突如国内盤のリリースが中止となった。それ以降、国内盤化されたタイトルは現在に至るまで一つもない。その経緯はおそらく一言では表せない俗にいう「大人の事情」的な何かが絡んでいるのでしょう。しかし日本のリスナーには死活問題でもあって。輸入盤のCD自体は一般的に流通があり、大型の輸入盤を取り扱っているCDショップであれば手に入れる事が出来るが、国内盤が出なければ来日の可能性が著しく減ってしまう。「国内盤を購入する事で得た費用によって、海外からアーティストを呼ぶ事が出来る」。この構図は音楽業界内では当たり前の様に認知されているが、一般的なリスナーまでは浸透していないのが事実だったりもする。サポートする事の大切さは僕達リスナーがしっかり認識しなければならないので、純粋に音楽を楽しみたい方々には無用の知識かもしれないけど、敢えて書かせてもらいました。CDを買う、友達に薦める、Liveに行く、マーチを買う。その全てはいつか自身に素敵な形で返ってくるはずなので。
※ちなみにVictory Recordsを非難/中傷するニュアンスは全くないので悪しからず。大好きなレーベルなので語弊がないように注記。
テキスト: 鎌田 裕司 a.k.a. わいけ

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