【REVIEWS】The Getaway Plan – Requiem
Released: 10/23/2013 – ZESTONE
過去に国内盤もリリースされていたオーストラリア産。前作リリース後の2009年に一度活動休止したものの、2011年本作で見事復活を果たしている。単なる活動休止ではなかった事が想像出来るほどに、前作1stフルに比べてアーティスティックさとスケール感が別バンドレベルであり、“鎮魂歌”と名付けられたタイトルからも並々ならぬ強い意思を感じられるサウンドへ。元々MADINA LAKEの持つ“退廃的なメロディーとメロディアスさの融合”を引き合いに出されていた彼等ではあったが、今作はさらに深化。「The Reckoning」やタイトルトラックである「Reruiem」で鳴らされる、MUSEにも通じる耽美且つオルタナティヴな楽曲やメロディーから「Move Along」や「Coming Home」等、QUIETDRIVEやUSのクリスチャンロック勢とも共鳴する荘厳なバラードまで説得力のある楽曲が並ぶ。特に「Heartstone」では、子供の聖歌隊に見立てたコーラスワークが絡む圧巻の展開。疾走曲やアグレッション全開の楽曲は皆無ながら、その分どの楽曲も大きく展開していく曲が多く、どっしりと腰を据えて向き合いたい作品になっている。各々楽曲を咀嚼した後は、是非コンセプチュアルな本作をより深く感じられるメイキング映像を見て欲しいのです。2013年も新曲を発表しており、オーストラリア国内に留まらず注目の存在である事は間違いなし。
テキスト:鎌田 裕司 a.k.a. わいけ