【REVIEWS】Neck Deep – Wishful Thinking 〜 UKポップパンク最前線がここに 〜
Released: 1/22/2014 – Hopeless / KICK ROCK INVASION
You Me At Six以降もMe Vs Hero、Save You Breath、Paige(現Young Classics)、Decade、Light You Up…etc、気がつけばアメリカやここ日本でも知名度の高いバンドが数多くなってきたが、久しぶりの決定打となるバンドとなるのが彼等であろう。まだ2012年に結成されたばかりの最新世代ながら、同年に発表されたデビューep「Rain In July」でいきなり注目を集めた。The Wonder YearsやThe Story So Farがアメリカで巻き起こしたシーンの新たなる波へ、UKからの回答ともいえるエモーション剥き出しのサウンドとリアルな歌詞。それはアメリカの早耳リスナーやレーベルA&Rにも深い爪痕を残した。2013年に2nd ep「A History Of Bad Decisions」をリリース後、All Time LowやYellowcard、そしてThe Wonder Years等が所属するHOPELESSと契約。米出身ではないPop Punkバンドがここまで大きなアメリカのレーベルと契約するのもかなり異例ともいえるだけに、レーベルのかける期待も大きいだろう。
キャッチー、ヘヴィ、コアの3方向のどれかに寄るバンドが多い中、非常にバランスのとれた作品だ。“Losing Teeth”や“Crushing Grief (No Remedy)”等に代表される、特別新しい事はしていないが一曲一曲の中で展開も豊かな王道のポップパンクを軸に、ポップパンクとハードコア要素の取り込み方も絶妙。With The Punchesを彷彿とさせる“Damsel In Distress”での疾走感や、見事なまでの『青空感』を持つ“Staircase Wit”。彼等流のメロディックハードコアを体現した“Blank Pages”、女性Vocalのコーラスを入れ、作品の本編を締めくくる珠玉のバラード“Candour”。バンド自身のライティングやアレンジのセンスも溢れる中、SilversteinやHorizonsの作品を手掛けるカナダのJordan ValerioteとCitizensやTooth&Nails(Anberlin、I Am Empire…etc)の作品を手掛けてきたTroy Glessnerという二人のプロデューサーが手掛けたプロダクションが加わる事により、時間軸がMixされた素晴らしいサウンドに仕上がっている。
根拠のない『プラス思考』ではなく、『願望的思考』と名付けられたタイトルも新世代らしい。元々同期Roamと共にUKを盛り上げる事間違いない逸材ではあったが、この作品でレースの先頭に立った事は間違いない。
テキスト: 鎌田 裕司 a.k.a. わいけ
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