【REVIEWS】Breathe Carolina – Savages 〜 新たなる門出を祝う最先端ダンスミュージック 〜
Released:5/28/2014 – TRIPLE VISION / Fearless
2007年、米コロラド州にてDavid SchmittとKyle Evenを中心に結成されたエレクトログループの4枚目となる最新作がリリース。デビュー作はRise Records、2ndと3rdに続き今作もFearless Recordsからのリリースとなる。しかし2013年、結成当初からのメンバーでありクリエイティヴ面でも大きく関わっていた相方のKyle Evenが脱退。さらに、同じく初期からのメンバーであったJoshua Aragonも脱退。新たにそれまでLiveでのサポートメンバーであったEric Armenta(Drums)、Luis Bonet(DJ, Keyboards, Bass)に加え、新メンバーTommy Cooperman(Guitar)を加えフルバンド化。新体制になり初となる一枚だけに、注目の作品でもあった。
昨年先行で発表されたタイトルトラック “Savages” では、スタイリッシュでカラフルなエレクトロポップとEDMをミックス。これまでスクリームを担当していたKyleが脱退し、ブルータルな側面は消滅するのかと思いきやAsking AlexandriaのDanny Worsnopをフィーチャーし、アグレッションと切ないメロディーを絡めた “Sellouts” という名曲を産み出した。その他にも、全米大人気エレクトロデュオKarminをフィーチャーしたクラブアンセムの “Bang It Out”。そして昨今最も客演の多いIssuesのTyler Carterが美しくもアンニュイでソウルフルなボーカルを聴かせる “Chasing Hearts” 等、それぞれの豪華なアーティスト達の個性を見事に際立たせるサウンドメイクも抜群。「今作は自分達の大好きなEDMサウンドにしようと思った」 と話すDavidの言葉通り、これまでのハイブリッドなエレクトロと俗にいうEDMが混ざり合った “Collide” や “Mistakes”。EDMシーンの大人気DJであるAviciiの “Wake Me Up” を彷彿とさせる、牧歌的要素と哀愁感を持った “Please Don’t Say” など前衛的かつトレンディーなダンスミュージックが詰まっている。
新たな旅路は始まったばかりだが、新体制の不安など微塵も感じさせない程に振り切れたクオリティーを誇るだけに、ここからの未来も明るく照らされている事を確信させられる一枚だ。
テキスト:Yuji Kamada