【REVIEWS】Aaron West And The Roaring Twenties – We Don’t Have Each Other 〜 The Wonder YearsのSoupyがAaron Westとして新たに始める音楽人生 〜
Released: 7/23/2014 – KICK ROCK INVASION / Hopeless
The Wonder YearsのVo.にしてフロントマン、Dan‘Soupy’Campbellが自身のギター技術と作詞の向上を目的として始まったソロ・プロジェクトがこのAaron West And The Roaring Twenties!Aaron Westという架空の人物を主人公に据え、進められる彼の新たな音楽人生が存分に詰まった1stフルアルバムはアコースティック・セットを基本としながらも、カントリー、フォーク、UKロック、そしてもちろんポップパンクの要素が曲ごとに鮮やかな花火のように瞬く意欲作。TWYではハイトーンで力強く歌い上げるエモーショナルな歌声の印象が強い彼だが、本作では囁くように、語りかけるように、等身大の彼のイメージをAaron Westとして表現しているかのようなスタイルが非常に新鮮でひたすらに心地良い。
バンジョーの音色が軽快に物語の冒頭を飾るかのような “Our Apartment”。Oasisの “Don’t Look Back In Anger” を髣髴とさせるようなせつなさと温かさに満ちたUKロック的‘泣き’の名曲 “Grapefruit”。躍動するカントリー・ポップパンクのなかでやはり水を得たかのように伸びやかに歌い上げる彼がなんとも誇らしい “Runnin’ Scared”。彼の歌声でしかあり得ない、彼の歌声でしか表現できない楽曲であると断言できる、重厚なホーンを従えた究極の胸キュンせつなチューン “You Ain’t No Saint” など、今までに出会えなかった新たなSoupyに出会える全10曲。プロデユーサーには納得にして適任すぎるだろうThe Eary NovemberのAce Endersを迎え、磐石の布陣でAaron Westの音楽人生は幕を開けた、今後の彼のストーリー・テリングに要注目だ。
テキスト:Sway