【FEATURES】Andrew McMahon in the Wilderness, Newアルバム「Andrew McMahon in the Wilderness」インタビュー
Something CorporateやJack’s Mannequinでピアノ・エモと言うジャンルを確立し、多くのファンを虜にしたAndrew McMahon。白血病と言う苦難を乗り越えカムバックを果たした彼が、ソロ・プロジェクトであるAndrew McMahon in the Wildernessをスタートし、セルフ・タイトルとなる1stアルバム「Andrew McMahon in the Wilderness」を完成させた。自身のこれまでの経験や誕生したばかりの娘への想いをストレートに表した本作は、いかなる道筋を辿り創り上げられていったのか?その真相に迫った。
“曲を書く時の一番の材料は、自分の中にある正直な気持ちなんだ”
──あなたはこれまでバンドとしてスタートしたSomething Corporateや、ソロからバンド編成へと変化したJack’s Mannequinのメンバーとして活躍されてきましたが、今回はなぜ、ソロ・プロジェクトをやろうと思ったのでしょうか?
Andrew McMahon(以下Andrew):自分自身の名を名乗って、「これこそが僕自身の曲なんだよ」と言うべき時期が来た、と思ったんだ。出来あがった楽曲に対しては、この上ないくらいに満足してる。それに、これまで二つの名前で活動してきたから、新たな名前を付けることに対して混乱や、わだかまりみたいなものもあったからね。
──そして、セルフ・タイトルとなった今作「Andrew McMahon in the Wilderness」は、娘さんの誕生や環境の変化などに大きな影響を受け制作されたそうですね。
Andrew:アルバムの出来にとても自信があるから、リリースが待ちきれないよ。僕はJack’s Manequinのアーティスト活動からしばらく経って、ようやく自信を取り戻すことが出来たんだ。家族のための時間を持つことは僕自身にとってもすごく良い影響があったし、今回のプロジェクトのエナジーにも繋がったよ。
──アルバム全体として、ふくよかで温もりのある、オーガニックなサウンドが印象的でした。アルバムの制作に入る前から、サウンド面において特定のテーマやコンセプトなどあったのでしょうか。
Andrew:制作にとりかかる前の段階では、このアルバムのテーマは歌詞も音に対してもふんわりとしたものだったんだ。でも音を作ってこのプロジェクトを進めていくうちに、だんだんとこの作品の中で描きたいものがハッキリとしていった。初期の段階でざっくりとしたイメージはあったけれど、それをスピーカーから耳に入れるまでには数カ月かかったかな。
──ピアノがメインの温かいサウンドがベースになっていつつも、“Black and White Movies” や “Driving Through A Dream” と言った楽曲からは、80’sポップの影響も感じます。
Andrew:うん、まさにその通り。僕自身が子供のころに大好きだった、80年代の楽曲を参考にしたんだよ。モダンなアルバムを作りたいと思うと同時に、その“モダンなサウンド“を創り上げた、現在ある音楽の礎となったような楽曲からも大きな影響を受けたんだ。
──このアルバムを制作するにあたって、カリフォルニア州のトパンガ渓谷で曲作りをされたそうですね。
Andrew:アルバムに収録された楽曲のうちいくつかは、トパンガ渓谷にいるときに作ったものだったり、着想を得たものなんだ。自分をユニークな環境に置いて見つめなおすことによって、曲の新たなコンセプトや発想を得るためにそうしたんだよ。
──まさに「渓谷の月」と言う意味を持った “Canyon Moon” には、 Better Than EzraのKevin Griffinや、We The KingsやKaty Perry等数々のアーティストの楽曲を手掛けたSam Hollanderが参加しています。
Andrew:とても楽しくて、クイックな時間だったな。Kevinと僕は2000年代初頭にツアーで一緒になって以来の仲で、普段からよく話したり、曲作りをしたりしていたんだ。Samとは会ったばかりだったんだけど、お互いがやっていることはTV番組を介して知っていたよ。僕はスタジオに入る前、The Mamas & The Papas:のCalifornia Dreamin’みたいな、オールドスクールなカリフォルニア・ソングを作りたいと思っていて、みんなで作って行ったんだよ。
──アルバム制作の際に、キーとなった楽曲はありますか?
Andrew:それはもちろん、” Cecilia and the Satellite” だね。曲を作ってる時に、自分は何か特別なものを持っている、と気がついたんだ。
──その “Cecilia and the Satellite” は、娘さんの誕生からインスパイアを受け制作されたそうですね。
Andrew:実は妻の出産予定日の2週間前に、この曲を一緒に作ってくれたJames FlanniganやAnders Grahnと会ったんだ。そんな状況だったから、これはもう僕の父親となる心境を曲にするしかない、と思った。曲には真実味を持たせたかったけれど、一方で、感傷的なものにはしたくなかったから、歌詞は娘が生まれる前の僕がどんな人物だったか、を語って行くスタイルにしたんだ。だから歌詞の中では、僕がこれまでどんな間違いをしてきて、どんなものを見てきたか、を表して行ったんだよ。それを書くことによって、これまで僕が苦しんできたようなことから彼女を守りたい、と思ったからね。娘には僕が辿って来たような辛いことは味わってほしくないけれど、同時に、彼女自身がこの先もし何か苦しいことを経験するとしても、それはそれで大丈夫だよ、と言うことを語っている。曲を書き始めたら妻が陣痛の兆候があったんで、 急いで作って行ったんだ。
──ご自身の感情や経験が、ごくストレートにアルバムに反映されているんですね。
Andrew:それこそが、僕が曲を書くときに一番快適な方法なんだ。もしパーソナルなものを隠してしまったら、自分と曲が繋がらなくなってしまう。曲を書く時の一番の材料は、自分の中にある正直な気持ちなんだ。ただ聴いてくれる人には、それぞれが曲の中にある意味や真実を見出してほしい、と思っているんだ。僕の音楽は僕の人生を表したものだけど、僕らは人生の経験をシェアすることが出来ると信じているし、愛や苦しみ、そして再生と言うものはみんなに与えられたものだと思っているからね。
──では最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。
Andrew:日本のファンのみんなに心から感謝しているよ。日本に行ったときは、本当に素晴らしい時間を過ごしたんだ。海を越えて、待っていてくれるみんなのためにショウを開くことが僕の喜びなんだよ。早くまた日本へ行きたいな。
Andrew McMahon In The Wilderness「Andrew McMahon In The Wilderness」
In Stores Now
Universal Music
UICO-1278 / ¥2,200(w/o tax)
Interview / Translation: Leyna Miyakawa
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