【FEATURES】Crossfaith「MADNESS TOUR in JAPAN 」ライヴレポート@ 2/11新木場STUDIO COAST 〜狂気の向こう側へ〜
シングル「MADNESS」の発売と共にいよいよメジャー・デビューを果たしたCrossfaithが、そのリリースを記念し日本を横断する「MADNESS TOUR in JAPAN」を開催した。本ツアーにはcoldrainやCrystal Lake、BOOM BOOM SATELLITESといった豪華ゲスト陣のほか、かねてからCrossfaithがツアーを希望していたUKのモンスターバンド、Architectsも参戦。ファン垂涎の貴重なラインナップで、全国8カ所を熱狂の渦に包み込んだ。今回は、2月11日(水)に行われた新木場STUDIO COAST公演の様子をお届けしたい。
この日は祝日ということもあり、開演時間の18時前にはフロアは満員状態に。ライヴの開始をいまかいまかと待ち受けるオーディエンスのボルテージは、この時点で既に上昇しきっていた。ついに会場が暗転しステージに明かりが灯されると、トップバッターとして Architectsが登場。アルバム「Lost Forever // Lost Together」から “Broken Cross”、“The Devil Is Near”、“Dead Man Talking” と、破壊力満載のトラックを連投する。むき出しの攻撃性をそのまま音に込めた鬼気迫るサウンドと、頭を振り乱しステージを縦横無尽に動きながら見せつける圧巻のパフォーミングが、オーディエンスを凄まじい勢いでまくしたてていた。それを受けたフロアにはあっと言う間に3つの巨大なサークルピットができ上がり、紡ぎだされる轟音に思い思いに身を任せる。続く “Naysayer” では空間が震えるほどのジャンプとヘッドバンギングで応えるオーディエンスの姿を見て、Vo.のSamが笑顔を見せるシーンも。ステージとフロアに大きな一体感が生まれたところで、獰猛なヴォーカルワークと鋭利な音像が美しく折り重なる “Castles In The Air” 、鋼鉄の如く強靭なサウンドスケープを描き出す “Colony Collapse” と見せつけ、観る者すべてを圧倒していく。 ラストトラックとなった “Gravedigger” ではカオティックな盛り上がりを見せるフロアからおびただしいほどのクラッピングも沸き起こり、割れんばかりの歓声とともに、Architectsのステージは幕を閉じた。今回が初来日公演となった彼らだが、その場を共有したオーディエンスの心に、計り知れないほど深い爪痕を残していったに違いない。
Architectsからバトンを受け取り、ここからいよいよFear, and Loathing in Las Vegasのショウがスタートする。まずは目で見て楽しめるカラフルなスタイリングでメンバー全員が登場すると、テンションがMaxを振り切ったフロアとともに1曲目 “Crossover” になだれこむ。のっけからSoがダイヴを果たしブチ上げ状態のオーディエンスをさらに煽ったところで、「踊るぞー!!」の掛け声とともに会場を一気にダンスフロアに仕立て上げていった。 体を疼かせる煌びやかな電子音、スリリングなまでに多くの展開を見せる曲の構成、そしてシャウトとスクリーム、クリーンパートを自在に行き来するエネルギッシュなヴォーカルワーク……そこへ、 会場をめくるめく照らすレーザーライトや、メンバー全員が全身を振り乱し、ステージをかけずり回りながら見せるアグレッシヴなパフォーミングと、ステージに存在するすべてを駆使してフロアに楽しさとポジティヴなヴァイヴを拡散していく。間に挟まれたブレイクタイムでは、なんとSxunが今年5月にニューシングルをリリースすることを発表。嬉しい知らせに会場の温度がますます上昇したところで、最新シングルである “Let Me Hear” のイントロが鳴り始める。激しくも胸を鷲掴みにするエモーショナルな音の形を描きながらサビへと上り詰めるころには、フロア全員が汗だく状態に。間髪入れずに “Rave-up Tonight” 、“Step of Terror” と怒濤の勢いでパフォームし、フロアをたたみかけていく。その後も波の如くうねる電子音と重厚なトラックのめくるめく展開がオーディエンスを爆発させた “Virtue and Vice”、そこにあるすべてのエネルギーを踊りと汗に変換させた “twilight” と駆け抜け、会場がはちきれんばかりの熱気を充満させたまま、ステージを後にしたのだった。
さてここから遂に、Crossfaithが出番を迎える。SEでは開始までのカウントが組み込まれ、時間が近づくにつれてフロアの期待度もぐんぐんと高まっていく。スタート時間となり幕が開くと、歓声に包まれる中、メンバーが一人一人ステージに姿を表した。大きなスモークとフロアの興奮で会場の景色が揺らぐ中、 猛々しい音圧で “We Are The Future” が放出される。Vo.のKenが「Circle Pit!」と挨拶代わりのリクエストを告げると、あっという間にいくつもの大きな円ができあがった。鋼のような爆音と中毒性抜群のエレクトロサウンドが絡み合い、オーディエンスの体に音を心地良く打ち付ける “Monolith”、分厚いグルーヴと疾走感溢れるバウンシーなリズムに会場の隅々までが踊り狂った “Dance With The Enemy” と飛ばしていく。ここでKenが「俺たちの音楽は何よりもアガれるよな?!それがLiveだ!!」と雄叫びを上げると、会場が大歓声で応える。その言葉通りアガり切ったフロアに注ぎ込まれたのは、Crossfaith屈指の壮絶なアッパーチューン “Jägerbomb” だ。 スピーディーに刻まれるドラミングと屈強なベースライン、ザクザクと切り刻まれるリフに絡まる色彩豊かなシンセ音、そして強烈な熱量とともに放たれる咆哮と、完璧すぎる配合でオーディエンスを酔わせにくる。それを受けたフロアは当然のことながら、拳を突き上げ、叫び、飛び跳ね、音に陶酔していった。さらにKenが「俺たちが魂から出す音を考えずに感じて、一緒に狂気の向こう側へ行こうぜ!」と合図を送り、まさに一線を画す盛り上がりを見せた “MADNESS”、白い雪がフロアに舞い降り、ミステリアスなサウンドと共に神秘的な光景を繰り広げた “Scarlett” とプレイし、世界を舞台に戦う自らのカリスマ性を余すところ無く見せつけていく。この日のライヴを締めくくる “Countdown To Hell” ではありったけのエナジーを出し尽くすステージとフロアが一体となり、会場全体がゾクゾクと来るほどに高ぶり尽くした、熱狂的な空間となっていた。
さらにこの日のアンコールでは、1stアルバム「The Artificial theory for the Dramatic Beauty」から “Blue” をプレイ。Kenが「常に新しいものを前に出して、俺たちの進化を見てもらうのが大事だと思ってた。でも、みんなが求めてくれるものも取り入れることによって、古い曲もやることができて本当によかったです。ありがとう!」と感謝の意を述べ、先日活動休止を発表したギタリスト、Kazukiについての想いを語り始める。「何回も話し合いを重ねて、今日やっとここで答えを告げることができます。Kazukiは今ツアーには参加できない状況だけど、Crossfaithは一秒も止まらないでほしい、と言われました。それを聞いた時に俺たちも、考えを共有できた。Crossfaithは2015年も、一秒も止まりません。」と、バンドの決断をファンに伝えてくれた。そして、「Kazukiは今、リハビリを続けながら、俺たちがリリースを予定しているニューアルバムの曲作りを必死にしてくれています。でもKazukiが今一番したいのは、この場に立つことだと思う。今日ここでエネルギーを共有してくれることが、Kazukiにとっても一番のパワーになると思うので、最後の一曲で、力を送ってあげてください!」とエールを求め、 ラストナンバーとなる“Leviathan” を披露する。ステージには再びスモークが現れ、幻想的な情景の中明るく照らされる彼らの姿は、バンドの未来が輝いていることを示しているかのようだった。
常に進化と前進を続け、ワールドワイドにその名を轟かせているCrossfaith。ロックシーンにおいて幾度も歴史を塗り替えてきた彼らが輝かしい記録を再び樹立するのは、近い未来のことだろう。今後も彼らの一挙一動に、大きな期待がかかる。
テキスト:Leyna Miyakawa
写真:Nobuya Fukawa
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