【FEATURES】Tonight Alive来日インタビュー 〜ファンに直接会いに行って感謝の気持ちを出来るだけ伝えていきたい〜
新ロック・プリンセスとして名を馳せる紅一点ヴォーカル、Jenna McDougall率いるTonight Alive。2014年は超多忙な国内外ツアーに加え、Reading & Leeds Festivalへの出演や映画「The Amazing Spider-Man 2」への楽曲提供など、バンドとしての活動の幅を勢い良く広げており、彼らへの注目度もますます高まっている。現在待望のニューアルバムを制作中という彼らに、新作の内容やバンドとって非常な重要な存在であるというツアーへの想いなど、たっぷりと語ってもらった。
“たくさんの国のファンやメディアが私たちをサポートしてくれているから、彼らに感謝を伝える意味でも、常に新鮮で心に訴えるものを世に送り出していきたい”
──日本でのツアーは久しぶりですね。
Whakaio Taahi(以下Whakaio):そうなんだ!俺たちは本当に日本が大好きだし、日本でのショウは世界のどこよりも素晴らしいから、また戻ってくることができて本当に嬉しいよ。
Jenna McDougall(以下Jenna): 3年前にYoung Gunsとツアーをして以来だから、やっと日本でまたツアーを回ることができて最高の気分よ。名古屋と大阪にも行くのは今回が初めてなんだけど、すごく楽しかった!Yellowcardは何度か一緒にツアーをしたことがあるし、 ONE OK ROCKとはつい先日ツアーを回ったばかりなの。彼らはすごく礼儀正しくて、すぐに仲良くなることができたのよ!こうしてバンドとしても友達としても仲の良いみんなにまた会うことができて、とても嬉しいわ。
──皆さんは現在、ニューアルバムの制作に取りかかっているそうですが。
Jenna:ええ。実は制作にとりかかり始めた頃は、「The Other Side」に似たテイストの曲ばかり出来上がってしまったの。あのアルバムは私たちにとって、とても重要な作品だからそうなってしまったんだけど、ならばいったん事実を受け入れて、もう一度ものごとを見つめ直してみよう、と思った。それから様々なことを学ぶことができる環境に身を置くようにして、あらゆるバンドや曲作りをしている人たちから、多くのことを勉強したわ。結果として、自分たちもバンドや制作者として成長することができたと思うし、私たちのサウンドはTonight Aliveらしさは根底に残しながらも、進化していったと思うの。
──改めて自分たちと向き合ったことで、大きな手応えを得られたんですね。
Jenna:その通りよ。ニューアルバムは今のところ、以前よりアグレッシヴな要素は抑えめになって、その分メロディックになる予定なの。でもTonight Aliveの歌詞にはいつだって強いメッセージがあるし、サウンドには大きなエネルギーが込められている。次のアルバムがどんなジャンルになっても、その部分は変わらないわ。
──制作自体はいつ頃からスタートしたんでしょうか?
Jenna:「The Other Side」のリリース直後だったから、1年半も前ね!ツアー中に曲を書いていることもあって、「The Other Side」の頃とはまた違った経験が反映されているの。
──違った経験、というと……?
Jenna:「The Other Side」では失恋や感情についての曲が多かったんだけど、今作ではもっと内面的なことや、外部から得た影響を曲にしているわ。
Whakaio:今回は3枚目のアルバムだし、自分たち自身でも成長を感じているから、これまでとは違った方向からアプローチしてみたい、という気持ちもあるんだ。Tonight Aliveがこれからどんな道を歩んで行きたいか、ゴールはどこなのか、どうやって到達すれば良いのか、ということも念頭に置いて制作を進めている。「The Other Side」が出来上がった当時とは環境も自分の中身も大きく変化してきたから、その部分がアルバムにも表れてくると思うよ。
Jenna:それに私たちは、多くの人々にTonight Aliveの音を聴いてもらえるチャンスがある。たくさんの国のファンやメディアが私たちをサポートしてくれているから、彼らに感謝を伝える意味でも、常に新鮮で心に訴えるものを世に送り出していきたい、と思っているわ。
──Tonight Aliveは常に多忙なツアー生活を送っていますが、そこからインスパイアを受けることも多いのでしょうか?
Whakaio: 「The Other Side」を作っていた頃は、ツアー中の出来事に大きな影響を受けた。俺たちはUSのバンドとツアーを回る機会が多いんだけど、ライヴパフォーマンスも凄まじく、音楽的にも素晴らしいバンドがたくさんいてね。彼らのようなバンドと共演を重ねたことによって、「The Other Side」が生まれたと言っても過言ではないんだ。でも今回はもっと自分たち自身にフォーカスしているから、ツアーで得たものがそのままアルバムに影響している、ということはないかな。そしてその部分こそが、Tonight Aliveの成長を感じるところでもあるよ。
──楽しみにしています。ではバンドについても少し振り返りたいのですが、Tonight Aliveは映画「The Amazing Spider-Man 2」のために新曲 “The Edge” を書き下ろしたんですよね。
Jenna:”The Edge” は、オファーをもらってから作った曲なの。こんなストーリーだから、ロックでドライヴ感のある楽曲を作ってほしい、と予め伝えられていたのよ。私たちもこういう形で曲作りをしていくのは初めての経験だったから、大きな挑戦でもあった。これまでは感じたことをそのまま曲にしていくことばかりだったから、ある一定の規律の中で曲を作っていく経験はすごく貴重なものだったと思うわ。
──そして夏にはバンドとして初となる、Reading & Leeds Festivalにも出演されました。
Jenna:私たちが今まで出演したフェスの中で最も大きなものだったし、ずっと憧れていた舞台だったから、出演が決まってからずっとナーバスだった!毎日このフェスについて考えて、ここでベストなパフォーマンスをしたい、来てくれる人たちにも感動を与えたいし、何かを心に刻んでいきたい、と思っていたわ。幸いなことに私たちはメインステージに出演することができて、それはとても誇らしいことなんだけど、同時にこのチャンスを絶対に活かしきらないといけない、とも思っていた。当日はWhakaioもものすごくナーバスになっていたのよ(笑)!
──実際にステージに立ってみていかがでしたか?
Jenna:数えきれないほどのファンが私たちのステージを見てくれて、一緒に歌ってくれた。ここまで多くの人が集まってくれると思わなかったから驚いたし、嬉しかったわ。こんなに大きなフェスで、反響を得られたことは自信にも繋がった。最初は「どうしよう、Reading & Leeds Festivalに出演するなんて!」と焦っていたんだけど、フェスには何度も参加してきたし、楽しまないと損だな、と考えを改めてライヴに臨んだのよ。その結果、素晴らしい反応を得ることができた。UKにいるファンの暖かみもすごく感じたわ。
──昨年も非常に密なスケジュールでツアーを回られていましたが、特に印象に残った会場やライヴなどありますか?
Whakaio:11月にロンドンのKOKOというライヴハウスで2晩ショウをやったんだけど、何もかもが素晴らしくて、すごく印象に残った。今後バンドを続けていく上でも絶対に忘れられない夜になったと思う。
Jenna: Manchester Academy 1という会場でのヘッドライナー・ショウも、すごく印象に残ってる。実はこのショウの6ヶ月前に、All Time Lowのサポート・アクトとして同じステージに立ったことがあったの。それからしばらくして、今度は私たちがヘッドライナーとして同じ会場でライヴをやって、しかもチケットもソールド・アウトしていたから、とても感慨深かった。会場にはイングランドやスコットランドからウェールズ、そしてヨーロッパ全土からファンが集まってくれたの。改めて、そこに来てくれたみんなや、私たちの音楽を愛してくれる人たちとの繋がりを感じたわ。
Whakaio:あとは地元シドニーにUNSW Roundhouseという会場があるんだけど、そこも素晴らしかった。You Me At Sixとのライヴだったんだけど、オーストラリアで生まれ育った僕たちにとってUNSW Roundhouseでヘッドライナー・ショウを開くことが一つのゴールだったから、夢のような時間だったよ。しかもその日は機材のトラブルも一切無く、とてもスムーズにショウを行うことができたんだ。
──世界中に巨大なファンベースを持つTonight Aliveですが、世界を周り、各地で直接彼らに触れることで得るものも多いのでしょうか。
Whakaio:うん、もちろん!ツアーは常に一番やりたいことだし、自分たちが成し遂げてきた一番大きなことでもある。ツアーを重ねる度に成長していきたいし、より良いショウをやるために前進したい、といつも試行錯誤しながら考えているよ。サポート・アクトであろうと、ヘッドライナーであろうと関係なく、毎回自分たちの全力を見せたいと思っているんだ。
Jenna:それに私たちは自分たちのファンに直接会いに行って感謝の気持ちを出来るだけ伝えていきたい。なかなか行くことができない国もあるけど、チャンスが来たら必ずそれを掴んで、実際に自分たちから足を運び、出来るだけ多くの人に会いたいと思っているの。それがTonight Aliveの哲学なのよ。
──Jennaはカリスマティックな女性ヴォーカリストとして、各メディアはもちろん多くの女性ファンからも注目を受けています。キュートなスタイリングやファッションにも関心が寄せられていますが、ご自身の中で特に好きなスタイルや大事にしていることなどあるのでしょうか?
Jenna:ありがとう!!私はデニムを履くときは、膝の部分を破って着るのが好き。ツアーが始まった頃からこのスタイルがお気に入りになったわ。そこに合わせるのはいつもVansのスニーカーと、着心地の良いダボっとしたTシャツ。以前集めたヴィンテージもののTシャツも大好き。ヴィンテージと言っても高級なわけではなくて、もう買えないものだったり、ちょっと変わったデザインという意味なんだけどね(笑)。あとは今来ているフランネル生地のジャケットだったり、柔らかい素材のヨガパンツも好きよ! 昔からあまり好きなものは変わっていなくて、流行を追いかけたり型にハマったものよりは、自分が心地良くてカッコいい!と思うアイテムを選んでいるかな。自分にフィットしないものを着ていると内面やパフォーマンスにも影響が出てくるから、ナチュラルな自分でいられるものを身につけるようにしているわ。
──では最後に、Tonight Aliveの今年のヴィジョンを教えてください。
Jenna:7月の終わりにはスタジオに入って、レコーディングを進めたいと思ってる。長いレコーディングになりそうだけど、焦って無理矢理進めるよりは、じっくりと時間をかけて取り組んでいきたいわ。年末にはアルバムをリリースして、また日本にも戻ってきたいし、ブラジルやスペイン、アルゼンチンやチリのような、まだ行ったことのない国でもツアーをしたい。アルバムが出たタイミングがその夢を叶えるチャンスだと思っているから、ぜひやりたいわね。それと制作が終わったら、休暇を取りにハワイに行きたいわ(笑)!
Interview / Translation:Leyna Miyakawa
1 thought on “【FEATURES】Tonight Alive来日インタビュー 〜ファンに直接会いに行って感謝の気持ちを出来るだけ伝えていきたい〜”
Comments are closed.