【FEATURES】Four Year Strong, Newアルバム「Four Year Strong」インタビュー 〜「Enemy of the World」と「In Some Way, Shape, or Form」、その間にあるサウンドを描いていこうと思ったんだよ〜
2011年作「In Some Way, Shape, Or Form」リリース後、一度は解散の噂まで出る程に
表立った活動が少なくなっていたFour Year Strong。2014年にPure Noise Recordsと契約し、EP「Go Down History」をリリース、Vans Warped Tour 2014全日程に出演するなど、再び精力的に活動しはじめた彼らが、原点回帰ともいえるセルフタイトルを冠にした待望のNewアルバム「Four Year Strong」をリリースした。レーベル移籍の経緯、アルバム制作やアートワークについて、そして今お気に入りのバンドなど、ボーカリスト兼ギタリストのAlan Dayに訊いた。
“コンピューターの類いは一切使わなかったんだ。でもそのおかげで最終的に、すごく満足のいくものが出来上がったよ”
──まずはEP「Go Down in History」、そして本作「Four Year Strong」はPure Noise Recordsからリリースしていますが、Pure Noise Recordsと契約した経緯、またEPに続いてアルバムもPure Noiseからリリースした理由を教えていただけますか?
Alan:俺たちはしばらくメジャーレーベルにいたんだけど、レーベルとはもっと親密で、親しい関係を築きたかったんだ。その点、Pure Noiseは少数精鋭で、音楽に対して暖かなハートがあるんだよ。そんな彼らから連絡をもらい、俺たちにピッタリだと思って、契約を結んだんだ。
──5枚目となる最新作はセルフタイトルになっています。なぜ今回セルフタイトルを選んだのでしょうか。
Alan:今回アルバムを作り終えてタイトルを考えてみたときに、このアルバムの音こそが、今ここにいる自分たちの姿を、そっくりそのまま表していると思った。これこそが、セルフ・タイトル作品とするのにふさわしいと感じたんだ。
──以前今作について “今までの作品の中で一番自分たちがプレイしたサウンドがそのまま現れた作品になる” と語っていましたね。
Alan:アルバムを制作する時はいつも、ライヴでのエネルギーを込めることに重点を置いているんだ。今回は今までよりもさらに、ライヴ感に近づけていきたいと思ったんだよ。
──なるほど。では今作は同郷のConvergeのKurt Ballouによるプロデュースとなっていますが、彼をプロデューサーに選んだ理由は?また彼との作業はいかがでしたか?
Alan:Kurtとは素晴らしい仕事をすることができた。俺たちは今までずっと彼のファンだったし、いつもKurtと一緒に作品を作ってみたい、と話していた。今回アルバムを作ることになって、Kurtを迎えるなら今しかない!と思って、彼に依頼したんだよ。それに、Danには赤ちゃんが生まれたばかりだったから、彼のスタジオが俺たちのホームタウンであるマサチューセッツにあることもすごく助かったんだ。
──「Rise Or Die Trying」や「Enemy Of The World」の頃を彷彿とさせるキャッチーでへヴィなギターリフとエモーショナルなツインボーカルは、Four Year Strongファンがまさに待ち望んでいたサウンドだと思います。やはり今作を制作するにあたって原点回帰を意識されたのでしょうか。
Alan:このアルバムでは、「Rise Or Die」や「Enemy of the World」のような、俺たちの過去の作品にあったエネルギーも込めつつ、「In Some Way, Shape, or Form」のような、新たな魅力も感じるサウンドにしたいと思っていた。「In Some Way, Shape, or Form」に関しては、聴いてくれる人の反応を見ると「昔のFour Year Strongとは違う」と思っている人が多いようなんだけど、当時の俺たちにしてみると、あのアルバムを作ったのはごく自然な流れだったし、意図してああいった方向にしたわけではないんだ。だからこのアルバムでは、「Enemy of the World」と「In Some Way, Shape, or Form」、その間にあるサウンドを描いていこうと思ったんだよ。
──たしかに原点回帰だけにとどまらず、ストレートなポップパンクからメロディックハードコア、オルタナティヴでスケール感のある楽曲まで、そのバリエーションはとても広く感じました。制作のプロセスはどうでしたか?
Alan:制作のプロセスは、「Rise Or Die」や「Enemy of the World」と近かったよ。まずは曲を完成させて、そのあとにヴォーカルをつけていくんだ。このやり方が俺たちに一番合っているからね。「In Some Way, Shape, or Form」ではそれまでとは違う方法で曲作りをしていて、それはそれで勉強になったし楽しかったんだけど、そのときに学んだことを活かしつつ、昔のスタイルを試してみたいと思ったんだ。レコーディングのプロセスに関しては、今までとはまったく違ったやり方で進めた。必要最低限のことだけをして、曲を演奏することに集中した。コンピューターの類いは一切使わなかったんだ。でもそのおかげで最終的に、すごく満足のいくものが出来上がったよ。
──今作の歌詞ではアルバムを通して世の中の困難さや人の弱さに立ち向かうような内容が書かれているように感じました。作品を通してのテーマなどはあったのでしょうか。
Alan:実は今回のアルバムには、特定のコンセプトやテーマは持たせなかったんだ。歌詞に関しては、聴いてくれる人がそれぞれの解釈をしてくれたら良いな、と思っているよ。曲に共感して、そこから得たものを自分の状況や人生に活かしてもらえたら嬉しいな。それこそが曲に意味を持たせると思うし、パーソナルなものにしてくれるからね。
──アートワークは、バンドらしくも非常にサイケデリックで、様々なモチーフが詰め込まれていて、一度見たら忘れられないインパクトを与えるアートワークだと思います。また「Enemy Of The World」以来またメンバーがアートワークに登場していますが、どういう経緯でこのアートワークに決まったのでしょうか。このアートワークに込めた意図などがあれば教えてください。
Alan:このカバーに関しては、ツアーバスの中でした、くだらない会話の中で生まれたんだ。アートワークについて考えないといけなかったから、ヒドいアイディアもすべて出し尽くして紙に書き出して、レーベルに送ったんだよ。ただそれだけのことだった。本当にこのアイディアが採用されて盤として上がってきたときは、大笑いしちゃったけどね!
──前作EPから “Go Down In History” が再びアルバムにも収録されていますが、なぜこの曲をアルバムにも収録しようと思ったのでしょうか。
Alan:“Go Down In History”という曲を、みんなに忘れてほしくなかったからなんだ。俺たちが作った曲の中で最も好きな曲のうちの1つだし、この曲を出してからそう時間も経たないうちに、ライヴでみんなが盛り上がってくれるようになった。だからこの曲を生かしていきたくて、ニューアルバムにも入れたんだよ。
──メンバーは最近どんな音楽を聴いていますか?そしてその作品が今作にインスピレーションを与えた部分はありますか?
Alan:俺はいろんなジャンルの音楽を聴くんだ。他のメンバーもそうだよ。それこそが俺らのサウンドを作ってくれていると思う。あらゆるジャンルの音楽から影響を受けて来ているからね。今はRyan Adams, Death Cab For Cutie, Rival Sons, Queens Of The Stone Age, Haimとかを聴いているよ。これらのバンドも、俺たちの音楽に大きな影響を与えているんだ。
──現在所属しているPure Noise Recordsは、The Story So FarやState Champs等現在勢いに乗っている若手のバンドが所属していますが、メンバー的に注目している若手バンドはいますか?
Alan:俺たちはThe Story So Farが大好きなんだ。今一緒にツアーに出ているんだけど、本当にイイ奴らで、面白いんだよ。
──来年にはバンド結成15周年を迎えます。自身の活動を振り返って、10年以上現役で走り続けてこれた秘訣はなんだと思いますか?
Alan:音楽を作り続け、それらと一緒にツアーをして、世界中にファンを作る。それこそが、俺たちがモチベーションを持ち続ける理由だね。
──最後にあなたたちのライヴがまた観れる日を心待ちにしている日本のファンに向けてメッセージをお願いします。
Alan:日本のファンのみんな、何年にも渡って俺たちをサポートしてくれて、本当にありがとう。新しいアルバムを引っさげて、早く日本へ行ってツアーをやりたいよ!
Four Year Strong「Four Year Strong」
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Interview: Yuji Kamada