【FEATURES】Halseyデビューアルバム「Badlands」インタビュー〜制作時、私は未来を表したいと思っていた。そしてその答えは「日本」だった〜

APフリーペーパー8月号掲載!
次世代ポップ・アイコンとして名を馳せる20歳の女性ソロシンガーHalsey。ニュージャージー出身の彼女は黒人の父と白人の母の間に生まれ、Nirvanaや2Pac、Alanis Morissette、The Cure、Bone Thugs-N-Harmonyといった様々な音楽と共に育って来たという。青い髪とキュートなルックス、中毒性満載のハスキー・ヴォイスにダークで幻想的なサウンドと、規格外のヒロインとして現在世界各国にそのファンベースを拡大中だ。そこで今回AP Japanでは、そんな彼女にインタビューを実施。 鋭い自己分析と歯切れの良い物言いからは彼女自身に凄まじい才能が溢れているのがひしひしと伝わってきた。一方で、大好きな日本のアニメやキャラクターの話になると興奮し、突然20歳の女の子に戻るHalsey。音楽はもちろん、そのパーソナリティでも瞬時に人を惹き付けてしまう、並ならぬ人間力を誇る彼女のロング・インタビューを、たっぷりとお届けしたい。
“このアルバムには、私自身の「怒り」が込められているわ。 今こそ、怒りという感情を込めたアルバムを作るベスト・タイミングなのよ”
──アルバム「Badlands」は、あなたの作ったFictional Universe=創造された宇宙、という内容だそうですね。
Halsey:アルバムの中身を「Fictional Universe」という空間にしようと思ったのは、私自身がゲームやマンガといったフィクション・ストーリーが大好きだから。1つの作品の中に、世界が確立されているという部分に惹かれるの。「Badlands」は荒野という意味で、周りが砂漠に囲まれているような、誰もいない乾ききった土地のことを指すのよ。辺りには何もなくて、逃げることもできない。人はみんな心の中に、そういった場所を持っていると思うの。そのアイディアが基になって、このアルバムを作っていった。同時にこのアルバムには、私自身の「怒り」が込められているわ。私はもう20歳で、怒りが込められた作品を作るのは、これで最後だと思っているんだけどね。
──なぜ、これで最後になってしまうんでしょうか?
Halsey:人間は年を重ねるにつれ大人になって、角が取れていく生き物だと思うから。私自身もきっとそうなるわ。ティーンエイジャーの頃は、あらゆることに混乱させられるわよね。20歳という年齢は、その時に感じた怒りを書くことのできるスキルを身につけている。同時に、18歳〜19歳のときの生々しい感情もはっきりと覚えている。だから今こそ、怒りという感情を込めたアルバムを作るベスト・タイミングなのよ。
──2015年3月にリリースしたEP「Room 93」もダークなテイストが全面に押し出されていましたが、今作では “ Hold Me Down” や “New Americana” といったキャッチー&アンセミックな楽曲も収録されており、よりバラエティに富んだ内容になっています。
Halsey:「Room 93」に関しては、悲しい出来事を歌にしたいと思って作った作品だった。当時の私はそういった内容の方が、曲にしやすかったという理由もあるわ。でもEPをリリースしてから、私自身もソングライターとしてたくさんのことを学んで成長したし、自分の能力を伸ばすことができたと思うの。そして、悲しさ以外の出来事や感情を曲にすることが出来るようになった。そこで、私がここ数年でずっと感じていたもの、つまり怒りをテーマに曲を作っていったのよ。
──どういったことに対して、怒りを覚えていたのでしょうか。
Halsey:他人が私の人生に立ち入って、私にああしろこうしろ、と命令することね。でもそれらに対してカッとなって怒り狂うよりも、私はその感情を曲にすることを選んだの。
──結果として、大きな糧となったんですね。
Halsey:そう思うわ。だからこそこうして、感情を曝け出すことができた。「Badlands」は私にとっても、あらゆる要素が込められているのよ。かつては悲しいことだけを曲にしていたけど、怒りや、それ以上のものを曲にする能力を身につけることができたから。
──Halseyにとっては「Badlands」が1stアルバムとなりますが、レコーディングや制作時のプロセスはいかがでしたか?
Halsey:私が今まで知らなかった、たくさんの才能溢れる人に囲まれて作っていったから、すごくクリエイティヴな時間だった。アルバムには映画のような壮大なストーリー性も持たせたかったから、「Pulp Fiction」とか「Drive」と言った映画もアイディアとして参考にしたのよ。
──サウンド面では非常に濃厚かつダイナミックでありながら、ダークさやファンタジックさも持ち合わせたハイブリッドな内容になっていますね。今回意識した方向性などあるのでしょうか?
Halsey:楽曲制作の際には、あらゆるタイプの音源を聴くようにしているの。今回で言えば、例えばLana Del ReyやThe Weekndといったアーティストを聴いていたわ。私はダークなテイストを持った音楽が大好きなの。でも例えば、収録曲の “Roman Holiday” を書いているときは、Katy Perryの “Teenage Dream” のようなポップな雰囲気や要素も意識したわ。もちろん、サウンドはダークな方向にしたけどね(笑)。
──アルバムには “Gasoline” や “Colors” を始めとする、オリエンタルムードの漂う楽曲も多く収録されていますよね。
Halsey:ええ。これには理由があって、私が15歳の時に、日本人の留学生の女の子と出会ったの。彼女は沖縄から来たと言っていたわ。私たちはすぐに仲良くなって、私は彼女に色んなことを教えてもらったの。音楽やテレビ、そして 日本の様々な文化を私に見せてくれた。彼女が私に教えてくれる、すべてのものがとても魅力的で、どんどん惹き込まれていったわ。「Badlands」を作るとき、私は未来を表したいと思っていた。だから制作時は、「未来はどんな世界になっているんだろう?」という考えが常に頭の中にあったの。そしてその答えは、「日本」だった。日本ってすごく近未来的だし、私の知らないことがたくさんある。だからアルバムのサウンドの中にも、オリエンタルな要素を取り入れたのよ。
──一方でオルタナティヴ・ロックの影響やR&B、ヒップホップ、チル・ウェイヴ、アンビエントといったアーバンなテイストも強く感じます。
Halsey:そうね。アルバムにはオリエンタルなムードも盛り込みつつ、様々なカルチャーを反映させたいと思っていた。というのも、私の父は黒人で母は白人だから、私自身はハーフなの。だからこそ文化を越えられるものを作りたいと思っていたし、聴いてくれるすべての人が共感できるような作品にしたかった。私にはたまたま素敵な出会いがあって、オリエンタルなサウンドにも興味を持ち、アルバムにも反映させていったけど、またこうした刺激的な出会いがあるといいな、って思っているわ!
──楽しみにしています。では、あなた自身に対しても伺わせてください。Halseyのステージパフォーマンスは非常に高い評価を得ていますが、特に影響を受けたアーティストなどはいますか?
Halsey:たくさんいるけれど、1人挙げるとすれば、Taking Back SundayのAdam Lazzaraね。彼のステージはワイルドで、本当に素晴らしいのよ。ステージ上での彼のマイクの使い方からも、大きなインスピレーションを受けた。例えば私のようなポップ・ミュージックを作っているアーティストは、可愛らしい衣装を着て、可愛いステージを見せることが多いの。でも私自身は、そうしたいとは思わない。ベストなショウをするためにステージではジーンズとレザー・ジャケットを着て、ドレスアップはしないわ。
──ステージに立つ際、他にこだわっていることなどはありますか?
Halsey:マイクの使い方ね。それは、私がずっと聴いて来たポップ・パンクのバンド、例えばAll Time Lowといったバンドがステージで見せるマイクの使い方に影響を受けているのよ。彼らは自らの感情をパフォーマンス中に存分に見せてくれるから、オーディエンスもそれを感じることができる。そういった部分って、とても大事なことだと思うから。
──あなたは20歳という年齢ながら自己分析が非常に鋭く、音楽はもちろん、そのパーソナリティも多くのファンに影響を与えています。そういった部分については、どう思われますか?
Halsey:ありがとう!私はミュージシャンで、自分自身のことをたくさん曲にしているから、こうして自己分析ができているんだと思うの。同時に、人のこともよく観察するようにしているわ。私は観察力がすごく高いみたいで、人々のあらゆる面を感じ取ることができる。例えばその人の不思議なクセだったり、不器用な部分とかね。そしてそれらはすべて、自分にも当てはまるわ。あと、私は常に前進して、より良い人間になりたい、と意識してる。私自身をきちんと見つめて、自分がどんな人間なのか、ということを理解しておけば、改善すべき部分や、成長すべき部分を見つけることもできると思うのよ。
──仰る通りです。
Halsey:それに私は、自分自身を間違って解釈されたくないの。 でももし私が自分のことをわかっていなかったら、そういう事態に陥ってしまうのも仕方がないわ。だからこそ、自分自身をきちんと理解していたい、と常に思っているのよ。
──あなたはご自身についてや家庭環境も含め、かなりパーソナルな内容もインタビュー等を通じてファンとシェアしていますね。
Halsey:ええ。ファンのみんなには、私のことを知っていてもらいたいから。私は、パーフェクトな人間じゃないのよ。そして、そうありたいと思っているの。でも人は、それぞれの人生を完璧なものにしたい、と考えることが多いみたい。すべてが上手く運んで、最高!ってね。でも人生には悪い時期だってたくさんあるし、自分が周りから浮いているように感じることもあると思うわ。私自身も黒人と白人のハーフで、周りとは全然違うと感じながら育って来たから、その気持ちはすごくよくわかるの。
──確かに、そういう気持ちになることもあります。
Halsey:でしょう?でもね、その感覚もあなた自身のものなのだから、認識するのは素晴らしいことだわ。もう1つ事実をシェアすると、私は双極性障害を持っていて、そのことについても包み隠さず話したいと思ってる。なぜなら恥ずべきことではないし、人々にも恥ずべきことではない、という認識をしてほしいから。病気を持っていたとして、それと上手くつきあっていくこと以外、何も出来ないわ。でも、それでいいの。精神的な病気を持っているとよりエモーショナルになったりもするし、自分にとってリスキーだったこともあるわ。でも私は、そのことを優れたミュージシャンでいるために活用しているのよ。もし私と同じ状況にある人がいたとしたら、彼らにも、よりよい人生を送るための糧にしてほしいと思っているの。
──素晴らしい答えをありがとうございます。では最後に、日本のファンへメッセージをお願い出来ますか。
Halsey:日本のファンのみんな、心から愛してる!こんなに憧れている国に私のファンがいてくれるなんて想像したこともなかったから、EPをリリースして、日本のファンのみんなからフィードバックをもらえたことがどれほど嬉しかったか、みんなにも知ってもらいたいわ。そして日本のみんなから、Halseyのアルバムを聴きたい!と言ってもらえたことは、私にとっての大きな誇り。早く日本に行ってコンサートを開いて、みんなと一緒に情熱的な空間を創り上げて、そこにある音楽に恋に落ちてくれたら良いな、って思っているの。みんなに会えるのを本当に楽しみにしているわ!!」

Halsey「Badlands」
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Asralwerks
Interview / Translation: Leyna Miyakawa

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