【FEATURES】ARTEMA, Newアルバム「ARTEMATE PARTY」インタビュー 〜ライブも含めてパーティーできるような曲をそろえようっていうコンセプトがあったんです〜
今年TRIPLE VISION entertainmentとマネージメント契約し、SCREAM OUT FEST 2015のプレツアー「IGNITION TOUR」ではHER NAME IN BLOODと共に会場を熱狂の渦に巻き込んだエレクトロコアバンドARTEMA。本誌初登場となる彼等に、メジャー3作目となるNewアルバム「ARTEMATE PARTY」、そして新体制となった現在についてなどを訊いた。
“昔からやってきたハードコア、メタルコアのシーンでもやりたいですし、ギターロックや、アニソン系のバンドともやりたいって思っているんです”
──3枚目のアルバム『ARTEMATE PARTY』が完成しましたね。現在の心境はいかがですか?
ko-hey:ARTEMAは5人でやっていたんですけど、昨年末にギターが一人抜けて4人体制になったんです。その後、今年の1月から試行錯誤を繰り返してきて、メインコンポーザーのMEGもああでもないこうでもないと曲を創り上げて完成にこぎつけたんで、今作は“新生ARTEMA感”がすごく強いです。
──4人体制になったということで、ファンもそのあたりは気にしていると思います。
ko-hey:期待している部分と、どうなるのかなっていうギャンブル感のあるアルバムに仕上がっているのでファンの反響は楽しみですね。やりきった感はすごくあるので。
MEG:いま、ko-heyがほとんど言ってくれたんですけど、いろいろ試行錯誤した結果、今までとは全く違う新しいものが出来上がったとおもっているんですよ。ARTEMA史上最高の作品になったなぁと思っています。
でも、実際に大きな変化を遂げる作品になったので、そこの反響は心配なところではあるんですけど、もっとより多くの人に知って欲しい!聴いて欲しい!という気持ちのほうが強いですね。
──4人体制になって実際に感じる変化はどんなところですか?
ko-hey:これまでメタルコアというバックグラウンドあって、そのうえにJポップに通じるようなメロディやMEGが好きなシンセ、EDMというものがあったんですけど、ギタリストが一人抜けたことで、ギターのアプローチが変わりましたね。スラッシュビートをメタルらしい単音リフで引き倒したり、長い尺のセクションでハモリたくなったりとか、そういうことが音圧的に厳しくなってきて、そこをどうするかっていう部分はありました。
──レコーディングに関しては、ギターを重ねることで対応はできますよね?
ko-hey:そうなんですけど、ライブでできないことをパッケージするのはよくないなって思うんですよ。ライブ観に行って「音薄っ!」って感じちゃうアーティストもたくさんいたりするじゃないですか。僕らはライブを観に来たファンが「ヤベっ!CDよりかっこいい!」って思わせたい。そこを踏まえた上で、MEGが主軸になって考えて創り上げていきました。
──具体的に新しいアプローチとしてはどんなことをしましたか?
MEG:ギターは単音系のリフというよりはパワーコード主体のリフで音圧を稼ぎながら、シンセのアプローチでアレンジして補った部分はありますね。あとは、僕もギターを持つことになりまして、ギター&ボーカルというスタイルになりました!全ての曲というわけではなく、曲によってですけど。音源も含めて見た目も新鮮になったと思います。
ko-hey:新しいギタリスト入れろ!って、すごく言われるんですよ(笑)
──ライブでは、これまでとは違うARTEMAが見られるわけですね!
ko-hey:そう思います!
──『ARTEMATE PARTY』を聴かせていただきました。激しい展開の中に印象的なメロディを入れて、ドキャッチーにまとめあげられた驚異的なクオリティの楽曲が粒ぞろいの作品だと思いました。いろんな要素が高濃度で詰まっていますが、詰め込み過ぎて楽曲が崩壊する危険性は考えなかったですか?
MEG:これまでもそうだったんですけど、特に考えてないですね。ただ、これ入れたい!あれ入れたい!っていうことを、あんまりやってしまうとカオスになっちゃうんで、そこは足し引きや、つなぎをどうするかっていうところに気を付けるくらいで、あとはわりとフィーリングでやっちゃってます。
──リリース前にティーザー公開された “Trade Off” も凄まじい展開をみせる曲ですけど、どうやって制作されたんですか?
MEG:あの曲は、イントロのイメージができていて…そのあとサビを考えたときに、たまたま浜崎あゆみを聴いていたんです。
──(笑)
MEG:あゆが大好きで、その時に聴いていたのは “I am…” だったんですけど、あの頃の浜崎あゆみってロックサウンドにデジタル要素が加わるようなスタイルだったんですよ。そこからインスピレーションを受けて完成したのがあのサビです。
──“To The New World” もイントロから炸裂するメロディもいいですね。アルバムの中で少し毛色が違う存在というか、パーティーというよりお祭り的な雰囲気を持っていると思いました。
MEG:ありがとうございます。実は、あの曲は個人的オシ曲です。あれに関しては、もう僕の趣味ですね(笑)
──今回のレコーディングはどういう流れになりましたか?
MEG:今回は制作期間が短くて、いつものようにシンセも含めて曲が出来上がってからレコーディングに入るという流れじゃなかったんですよ。今回は時間がなくって、ベーシックなアレンジをまとめて仮のシンセを入れた状態でレコーディングに入って、その後ミキシングのまでの間にシンセを入れるという作業の流れだったんです。なので、アルバムに収録する曲のジャッジが、シンセ抜きの状態だったので、少し難しかったですね。だから「シンセ入れれば大丈夫だから!]」って周りを説得した曲もあったりしたんですけど、それが “To The New World” だったりするんですよ。デモの状態では純粋なロックバンドでしたね。
──前作も制作時間がなかったと聞きましたけど…
MEG:まぁ、時間がないのはいつものことなんですけどね(笑)
──個人的なオシ曲というか印象的な曲はありますか?
ko-hey:そうですねー、“INFINITE PARTY” と “5:00AM” ですかね、2曲選んじゃいましたけど。“INFINITE PARTY” のバランス感は僕的には神懸かっていると思っているんです。ARTEMAはこういうサウンドスタイルなので、一つのシーンに凝り固まって活動していきたくないんですよ。昔からやってきたハードコア、メタルコアのシーンでもやりたいですし、ギターロックや、アニソン系のバンドともやりたいって思っているんです。そういうことを考えたときに “INFINITE PARTY” はどこで演っても受け入れられる曲だなって思うんですよね。
──“5:00AM”も挙げていましたけど、あの曲も異色ですよね。
ko-hey:あれは、問題作といえば問題作でレーベルからも反対された曲なんですけど、僕ら二人は絶対アルバムに入れたい!って押し切った曲です(笑)。
MEG:問題作というよりは、今作のタイトルが『ARTEMATE PARTY』ですし、ライブも含めてパーティーできるような曲をそろえようっていうコンセプトがあったんです。
“5:00AM” に関してもEDMの要素もあるしパーティー仕様かと思っていたんですけど、どちらかというと曲の持つ雰囲気は歌モノになってしまうってことで反対されていたんですよ。
──パーティー終わって、あの曲が来たら最高ですけどね。
MEG:パーティーの〆としてはいいんじゃないかと思います。
ko-hey:俺的には完璧なんですよ。歌詞も見てほしいです!
──3枚のアルバムをリリースしてきたわけですけど、それぞれの作品を一言で表現してもらえますか?
MEG&ko-hey:(しばらく沈黙)
ko-hey:『ARTEMA』(2013)=【混沌】 / 『STARGAZER』(2014)=【混沌】 / 『Artemate Party』(2015)=【整合性】ですかね!
もちろん当時はそれが一番かっこいいとおもっていたんですけど、手を広げ過ぎたということはよく言われていて、その結果、ライブのセットリストには入れにくい曲が多いというのはありますね。ワンマンで20曲のセットリストを決めるときに入れにくいものがあったんですけど、今作はセットリストのどこにでも入れられるんです。空気がまとまっているんですよ。
アルバム一枚を通して聴いたときも、ARTEMAってこういうバンドなんだって伝えられるのが、『Artemate Party』だと思うんですよね。ライブだとそのなかに【混沌】が入ってくるんですけどね。(笑)
MEG:『Artemate Party』は【羽化】ですね。ファースト・アルバムはインディーズからの【集大成】。セカンド・アルバムは手を広げて【模索】した作品だからサナギか幼虫かな、そして3枚目で【羽化】成虫になって羽ばたいたかなと思います。
──『Artemate Party』は聴いていてすごくARTEMAのサウンドだという説得力を持った作品だと思うので、お二人の【整合性】と【羽化】という表現は納得ですね!最後になりますが、今後の目標や展望はありますか?
ko-hey:昨年末からメンバーの脱退があって、僕らを待っていてくれている人たちにうれしいニュースを届けられていなかったという想いがすごくあって、その間にARTEMAの存在感が薄れてしまっていると思うんですよ。だから、今回のツアーでそういう人たちに改めてARTEMAの存在を知らしめたいっていうのと、もっと多方面でプレイしていきたいですね。ジャンル関係なく音楽で人の心を打てるような人たちとやっていきたいです。
MEG:まず、近い目標になってしまうんですけど、バンドとしてはもっとワンマンライブをやっていきたいです。演奏時間の関係とかもあるので、フェスやイベントのときは時間が限られてしまうんです。もちろん、その中でしっかり魅せることは当然だとは思うんですけど、ワンマンだからできるエンターテインメントってあると思うんですよ。最近、魅せ方という部分を意識し始めています。もっと大きい規模でプレイができれば映像を使ったり、音楽以外の演出を含めてARTEMAのライブをひとつのエンターテインメントにしていきたいと僕は思います。
ARTEMA「ARTEMATE PARTY」
Warner Music Japan
WPCL-12169 / ¥2,300 (w/o tax)
Interview:Osamu Sawada