【REVIEWS】Punchline – Thrilled 〜人肌恋しくなるこの季節に〜
Released: 12/4/2015 – InVogue
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1998年に結成後、2003年にはFueled By Ramenと契約を果たしFall Out Boyと共に一気に同レーベルを世に知らしめるきっかけを作った彼等。2008年には自主レーベルModern Short Storiesを立ち上げ、度重なるメンバーチェンジに見舞われながらもEP一枚とアルバムを二枚発表した。そんな彼等の最新作は、なんとInvogueからというから多少驚いたのも事実。2012年にリリースされた前作EP「So Nice To Meet You」が、iTunesチャート1位を獲得。CDもBillboardのHeatseekersチャートで4位を記録した事からも、また再び一気にバンドの活動を加速させる考えがあったのかもと憶測出来る。そんなタイミングでリリースされるこの最新作は、これまでWeezerやMotion City SoundtrackのMixを手掛けてきたMarc McCluskyがプロデュース。その事からも容易に想像出来る通り、ポップパンクというよりはパワーポップ色が強い作品となっている。
まさに王道パワーポップ “Simulation” や軽やかなテンポをベースにした “Answer Me”。そして口笛やダークなシンセをミックスさせながら、多幸感を持ち合わせる “No Stopping Us” は真骨頂ともいえるだろう。しかしそれだけでなく、今作は非常にエレクトロが多用されているのが印象的。彼等の最強の名盤である「Action」に収録されている “Time In A Picture” と全く同じエフェクトで始まる“Now I See”。スケール感溢れたシンセサウンドが印象的な “Tell Me How You Sleep”。内省的なチル感を持った “Telephone Pole” や、アンビエントな “Oh, Sierra”。ややノイジー気味なサウンドメイクを施した上に、スポークンワード的にボーカルをのせた “Let It Rise”。その他にも、これらの曲とは対象的にピアノで切々と唄われる “Green Hills” 等もあるが、やはりタイトルトラックでありMVにもなった “Thrilled” での疾走感や温かさ溢れまくりのメロディーこそ、このバンドの最も最強の武器なのは間違いない。
Punchline「Thrilled」
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テキスト:Yuji Kamada