【REVIEWS】Secrets – Everything That Got Us Here 〜新体制ながら、変わらず美しいメロディー〜
Released: 12/16/2015 – Rise
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全米Billboard185位(Heatseekersチャート3位) を記録したデビュー作「The Ascent」。そして翌年にリリースされた2ndフル作「Fragile Figures」で一気に初登場59位までステップアップした彼等の、ブレイクスルーともいうべき三枚目がリリース。2015年の3月にアコースティックEPをリリースした後、10月には家族との時間を優先するという理由で二代目スクリーマーAaron Melzerが脱退。後任にWade Waltersを迎え、新体制一発目となる。奇しくも三作とも全てのスクリーマーが異なるという事態になったものの、現在のポストハードコアシーンにおいてブルータルさよりもメロディアスなパートを大事にするバンドとして認知されているバンドだ。今作もまたその方向性を踏襲しており、マイナス感はゼロ。プロデューサーはA Day To RememberやThe Ghost Insideの作品を手掛けてきた事でお馴染みのAndrew WadeとTom Denney。
ポストハードコアバンドとは思えないほんわかした “Intro” から、スケール感の溢れたAメロと新スクリーマーの強烈な咆哮、そしてアンセミックなサビへと展開していく “Rise Up”。続く “Left Behind” もまたアグレッション満載なスクリームとメロディアスなサビが交錯。疾走感とほんのりデカダンさがミックスされた “Learn To Love” や “The Man That Never Was”。低音なパートからシンガロング必至のエモーショナルパートまでレンジの広い “Half Alive”。さらには清涼感溢れたポップパンクソング “For What It’s Worth” や、哀愁さのあるモダンなメロディックハードコア的サウンドアプローチを持った “I’ll Be Fine”。様々なアプローチを持った楽曲が収録されていながらも、彼等らしさは一切損なわれておらず、どの楽曲も耳に残るメロディーが詰まっている。
テキスト:Yuji Kamada