【REVIEWS】Before Their Eyes – Midwest Modesty 〜紆余曲折を経て完成した最新作〜
Released: 12/18/2015 – InVogue
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遂に、遂にリリースだ。2006年、米オハイオで結成後にポストハードコアのトップバンドの一つまで上り詰めた彼等の、5枚目となる最新作がようやくリリースされた。実は彼等、2012年3月に前作「Redemption」をリリース後、翌年解散すると発表。そのラスト作として、ヘビーな楽曲とポップな楽曲を分けてそれぞれ2枚のEPでリリースするとアナウンスした。その後、バンドは2枚のEPを「The Finale」というアルバムへ仕様を変更してリリースするとSNSに投稿。しかしながら2013年夏、バンドは解散宣言を撤回。アルバムのタイトルを「II」に変更した。バンドは、ex. A Day To RememberのTom Denneyをプロデューサーに迎え、楽曲制作期間へ突入。こうしてようやく構想から3年以上かけて完成したのが本作だ。結局タイトルもまた変わっている(笑)。
バンドの代表的な側面である物憂げで退廃的な世界観を持った “It’s Dark Inside With You” から幕を開け、メロディアスながらモダンなポストハードコアの王道ともいえる “The Positive And The Negative Of Being Alone” へ。そしてフロントマンNickが運営するInVogueに所属する大注目のスポークンワードプロジェクトHotal Booksがフィーチャーされた “We Won’t Make The Same Mistake Again”。疾走感を伴った “Anything’s Possible In New Jersey” や “Midwest Modesty”。インタールードをはさみ、冒頭からメタリックなリフが印象的な “Adam Was A Cool Dude” は、タイトルからしてクリスチャンらしくニヤリとさせられる。
さすがに時間をかけてソングライティングされただけであって、各曲のクオリティーは高い。今後もマイペースで良いので、確実にこのバンドらしい世界観とサウンドを届けて欲しい。
テキスト:Yuji Kamada