【FEATURES】Alex(ALL TIME LOW) x Taka (ONE OK ROCK) スペシャル対談
昨年秋、ALL TIME LOWのUSツアー「Back To The Future Hearts Tour」にONE OK ROCKが約1ヶ月に渡り出演、2バンドは初の共演を果たした。そして今年1月に今度は日本に場所を移し、東名阪で開催された「ONE THOUTHAND MILES TOUR 2016」で再び共演。このシーンのアメリカ代表、日本代表とも言える2バンドのフロントマン、AlexとTakaにお互いのバンドのことや、日本とアメリカでのツアーの違いなどを、ツアー初日の新木場STUDIO COASTで語ってもらった。
“ステージ上での振る舞いとかやり方にも共通点と言うか、同じ気持ちを感じるんですよね。”(Taka)
──まず最初に、お互いのバンドの印象を聞かせてください。
Alex(以下A): 圧倒されているよ。実はJohn Feldmannのスタジオで初めて会ったんだけど、Johnが絶賛していて、日本でどんなことをしているか説明してくれた。僕もその後チェックして、彼らの音楽が大好きになったんだ。もちろんJohnのしていることが大好きだから、彼が一緒に仕事をするバンドはどれもファンになってしまうけどね。次に会ったのが僕たちのUSツアーに彼らが参加してくれた時で、そこで初めて彼らのライブを見ることができたんだ。オープニングなのに毎日すごい迫力で、日本ではビッグネームだってことをみんなに話したよ。オープニングアクトでもヘッドライナー並みのパフォーマンスをするなんて滅多にないことだよ。普通だったらオープニングは4、5バンドの中の一番若手だったりするけど、彼らの凄さを見て僕たちも「もっとうまくやらなきゃ、もっと頑張らなきゃ」って思わされたよ。ようやく彼らのホームタウンでの彼らの演奏を見ることができたんだけど、またまたぶっ飛んでいるよ。
Taka(以下T): 僕は元々バンドを組み始めた頃から彼らの存在知っていて、彼らの音楽をずっと聴いて育ってるんです。だから今こうやって一緒に日本でツアーができるのもそうだし、アメリカで回らせてもらったのもそうなんですけど、最初めちゃめちゃテンションが上がりました!「昔から聴いているバンドと一緒にツアー回れるんだ」って喜びもあったし、一番最初に日本で見たのがPUNKSPRINGだったので、その時の印象が強くて。アメリカで会った時もみんなすごく優しくて、ショウも日本では考えられない数をアメリカでこなしていて、それでも全然声を枯らすことなく、毎日完璧なパフォーマンスをする彼らを見て、プロフェッショナルだなと思いました。
──アメリカをツアーするのと、日本をツアーするのと、違いは何でしょうか?
A: 何だろうな、もちろん観客の反応が違うよね。曲間は静かだってことを、アメリカのバンドが初めて日本に来るとそれに驚くけど、僕たちはすぐに慣れたよ。でも日本の観客はワイルドだね。いつでもは来日はできないから年に1、2度来ていても、日本のファンはあまり僕らを観られない分、ハメを外してくれる。アメリカの観客はいつでも観れるからその違いだと思う。あと一つすごく好きな所はアンダーグラウンドだけれど、こういう音楽の熱狂的なファンがいること。日本のロックやオルタナティブミュージックへの扱い方はとても尊敬できるし、感謝してるよ。
T: そうですね、日本は少なからずアメリカからこのシーンの影響を受けていて、僕もそうだし一緒にやっているバンド達も間違いなくアメリカのシーンの影響を受けてバンドが出来上がっているんですね。だから今僕らみたいなバンドが日本のいろんな場所でライヴができるのは同じバンドとして誇りに思います。いつの時代にもバンドのスーパヒーローはいると思うんですけど、そういうスーパーヒーローみたいなバンドが海を渡って、日本だけじゃなくてもっといろんな場所で活躍できる環境を、もっともっとこういう文化を広げられるように、今はとりあえずその環境を整えたいな。アメリカはすでにその文化が出来上がっているのでその文化にもっと日本のバンドがアプローチできたらいいなって思ってます。
──Takaさんがアメリカでツアーをする時って全然違いますか?
T: 全然違いますね。まだ僕らのライブ会場のキャパシティが本当に小さくて、バンドを始めた頃の自分たちと似たような感覚があるのでそれはもっともっと頑張らないといけないと思っています。
“一度音楽を聴いたら、フックが歌える。それってポップを基本としている音楽には大事なことなんだ。彼はその部分で卓越している。”(Alex)
──両バンドの共通点は何だと思いますか?
A: 一番目立つ所はどっちもステージですごくエネルギーがあることかな。さっきも言ったんだけど、彼らを見ていると凄くアグレッシブで観客を操っている感じだったから、僕たちは「こんな凄いバンドがツアーに出ているんだから、もっと頑張らなきゃ」って言っていた。どっちのバンドもただバンドを見に来ている感じではなく、自分たちで観客を盛り上げて、観客とのやりとりがある。そういう点が似ているし、ステージでのエネルギーもそうだし、ロックだからそういう文化もあって、ロックンロールじゃみんな分かち合うんだよ。
T: 僕も同じです。ステージ上でのパフォーマンスも含めて。あと歳も近いので、そういう意味で同じ音楽を聴いて育っている部分があるんですよね。だからすごくステージ上での振る舞いとかやり方にも共通点と言うか、同じ気持ちを感じるんですよね。バンドが発信するメッセージとして見ていても、やっていても共感するところが多いです。
──お互いのバンドの音楽の何が好きですか?
A: 一般的にポップミュージックのファンだからロックバンドが上質なポップセンスがあると好きだね。彼らはメロディーがすごくいい。ヘヴィでもアグレッシブでもヴォーカルのフックやメロディはしっかりしている。僕はTHE USEDとか、そういう音楽を聴いて育ったんだ。アグレッシブだけどかっこいいポップセンスがあった。彼らはその部分をうまく捉えていると思うし、僕が好きなところなんだ。一度音楽を聴いたら、フックが歌える。それってポップを基本としている音楽には大事なことなんだ。彼はその部分で卓越している。
T: 僕も同感です、一緒です。
──ライブの前に欠かさずすることって何かありますか?
A: なぜか歯磨きをするんだ。
T: 爽やかになるために?
A: そう。以前はライブお前に赤ワインを飲んでいて、歯が紫色に染まるんじゃないかと思って歯磨きしていたけどそれが癖になって、今じゃ歯磨きしないとステージに出れなくなった。
T: 僕は、ただリラックスです。なるべく普段の生活に近づけるようにしています。最近は特に。それをアメリカでやるようにしていて、すごく楽にステージに入っていけるんです。
A: 大事だよね、静けさも必要だよ。
──ヴォーカリストとして、声を失わないために何か心がけていたりしますか?
A: 苦労するよ、自分がコントロールできないものだから。バンドのシンガーでいるのって大変なことなんだよね、ギターとかドラムが故障したら直せるけど、声に関してはそうはいかない。声って一時的なことだってあるし。飛行機から降りたばかりだったり、時差ぼけで睡眠不足だったり、自分の手に負えないことだってある。僕はウォーミングアップが一番大事なんだ。演奏する前は必ず30分くらいウォーミングアップするするし、常に続けることが大事なんだ。つい最近1ヶ月半のオフがあったけど、家にいる時も歌うようにしていたよ。筋肉と同じだから鍛えないと衰えるんだ。常に心がけないといけないと思う。
T: 僕は基本的にマスクをしているんですけど、アメリカでマスクをしていると怪しまれるので、アメリカではなるべくしないようにしてますね。でも寝る時は絶対にマスクをしてます。
A: いいよね、もっとそういう文化を取り入れる国があっていいと思う。よく飛行機を使うけど、誰かが咳をしていると、日本に行く時は絶対にその心配はないけど、うわーあっちに行ってくれ、息を吹きかけないでくれって思っちゃうよ。
T: 分かる。
A: すごく気にしてしまうよね。
──この先行ってみたい国と場所はありますか?
A: まだ訪れてなくてぜひライブをしたい所はいっぱいあるんだ。日本だけでもまだ東京、大阪と名古屋でしかライブをやったことがないから、いつか他の都市でもやりたい。日本以外だと、南アフリカに行ったことがないからそこでやれたらかっこいいよね。ヨーロッパにもまだいけてない場所があるし、南アメリカももっと行きたい。ブラジル、コロンビアやアルゼンチンは行ったことがあるけど、まだ全部の国に行ってないからもっと行きたいと思っている
T: もっとアメリカでツアーをしたいですね。一番掴みきれない部分が多い所なので、もっともっと回りたいなって強い意思はあります。
──2016年の目標や抱負はありますか?
A: 僕たちとしては、昨年の4月にアルバムをリリースして、まだ比較的新しいけど、少し落ち着いてきているよ。今はあのアルバムのツアーの終わりに差し掛かっていているから、2016年は次に何をするか決める年になると思う。新しい音楽とか、この先どんなサウンドを目指すか。ちょっとツアーから離れて次のステップについて考えたいと思ってるよ。自分的には曲作りを始めているけど、まだまだ初期段階なんだ。いろんなことを試しているからそれがどんな形になるか見たいと思う。
T: 僕らは2月からレコーディングの予定があって、アメリカに行くんですけど、それが終わったらまたヨーロッパをちょっと回ったり。まだアルバムの発売日は決まってないんですけど、今年はとりあえず制作をしようかなと。
A: Johnと?
T: まだわからないけど、Colin (Richardson)も考えているよ。
A: いいじゃん、Colinは素晴らしい人だよ、僕等も知りあったばかりなんだけどね。
T そうみたいだね、聞いたよ!
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