【REVIEWS】Fact – Burundanga
Released:6/4/2013 – Good Fight / MAXIMUM10
日本の6ピースバンドFACTの作品は、いつ耳にしてもその激しさに心を奪われる。13曲が収録されている今作品「Burundanga」は、音楽ジャンルの垣根を越えた作品と言えるだろう。マスコアにスクリーモ、メロディックハードコアに艶やかで危険な雰囲気を持つポップソングと、いくつか類似した楽曲があるように感じられるものの、興味深い作品となっている。わずか57秒のアヴァンギャルドでエクスペリメンタルな楽曲 “Kyou”、そして15秒のデスメタルな仕上がりの “Mimic” は、収録曲の中でも特徴的だ。また “Eighty-Six” や “GSMD” といった楽曲は、一般受けを敢えて狙った確信犯とも感じられるポリズミックなブレイクダウンにキャッチーなフックが満載の楽曲となっている。Enter Shikariのようなエレクトリック・パンクソングの1-4は、挑戦的で実験的な楽曲と言えるだろう。しかし皮肉にも、この楽曲に新鮮味は感じ取られないかもしれない。今作品は、FACTがバンドとして可能性を広げるために作り上げたものと言える。だが、あまりにも手を広げすぎて散漫になっている印象を抱きかねない。斬新さを求めるあまり、それが薄れてしまっているように感じるのだ。それでも、どの楽曲にもFACTらしいパワフルさと素晴らしい個性が溢れているのは間違いないだろう。
テキスト: Mischa Pearlman
翻訳: Ken-Ichiro Arima/有馬健一郎