【FEATURE】Man Overboard / Daylight / Koji / After Tonight ICE GRILL$ Tour 2013ライヴレポート@ 12/13 渋谷THE GAME

Chunk! No, Captain Chunk!, Major League, After Tonightという大盛況のツアーを終えたばかりのICE GRILL$が、早くも2013年最後となる新たなツアーを行った。今回は、今年5月に最新作「Heart Attack」をRise Recordsからリリースし、約3年振りの来日となるMan Overboard。7月に日本デビューアルバム「Jar」をリリースしたばかりのDaylight。そして同じく日本デビューアルバム「Crooked In My Mind」をリリースしているKojiが出演決定。さらに前回のTourに続きAfter Tonightの参戦が決まった。
After Tonightに続く今最も熱いメロディックを鳴らし、どんどんと成長を果たす大注目株Backdate Novenber。メンバー脱退がありながらも、9月にHeartsounds等とUS TourやTHE FEST 12への出演を果たしたCLEAVE。共にサポート・アクトとして豪華すぎるほどに素晴らしいパフォーマンスを行い、ジワジワと温まった会場に登場したのは、米ペンシルベニア出身の日系シンガーソングライターKojiことAndrew Koji Shiraki。こないだ来日を果たしたInto It. Over It.に続く、USアンダーグラウンドを中心にかなりの注目を集めているSSW(シンガーソングライター)が初来日。前述の1stアルバムのアートワークに映っている本人が目の前を横切り、アコギ一本でステージに現れる。飾る事無く等身大にそのパフォーマンスは始まったが、その滲み出る雰囲気は多くのステージをこなして来ているだけあるからなのであろう、貫禄すら感じる存在感。力強いストロークから繊細に爪弾く様に奏でられる音。シンプルながら、だからこそ露わになる。そんな音の上を、穏やかに、そしてエモーショナルに泳ぐ美しい言の葉。時にTHE GET UP KIDSのMattを思わせるその声は当然ながら音源で聴く以上に生々しく、ただただ刺さる。出身地や旅の情景を切り取ったかの様な、聴き手のイマジネーションをくすぐる楽曲の数々は、癒し以上の説得力を持ってオーディエンスの心を震わせていた事だろう。
続くはDaylight。2007年結成時以降、初期のその激情を内包しながら疾走するサウンドは早くから多くの早耳リスナーを唸らせてきた訳だが、日本盤ボーナストラックにも収録されている2012年リリースのep辺りから変化。元々要素として存在していたオルタナティヴなサウンドが、より全面に出る事によって他のバンドとは一線を画す存在へと成長。Basementや同時期にICEGRILL$からリリースされたCitizen等、USでトレンディーなオルタナティヴ・ミュージックへの傾倒を体現してきた彼等だけに、とても楽しみであったバンド。パンク畑の出身でありながら、ハードコアだけでなく、どこかPixiesやDinosaur Jr.からのオルタナティヴな空気をまき散らしていた彼等。しかしもうその音は完全にグランジ(笑)。Sonic Youthは勿論、NirvanaやMudhumeyに代表されるSub Pop含めたシアトル周辺で隆盛を極めたグランジ。そういえばRival Schoolsを始めとしたパイオニア達もそうだったけど、エモがグランジに代わる、パンクやハードコアから産まれた新たなムーヴメントであった遍歴を考えれば、納得のいくリバイバルでもある。Kojiのシンプルなアンサンブルの後だっただけに余計そう感じたかのかもしれないけど、音合わせから既に凄まじい音圧。長髪を前に垂らし顔を覆い、ほぼずっと下を向いたままガナリ唄うVocalスタイルも、呪文の様に復唱されるメロディーラインも、世の大衆性にアゲインストする姿勢も、正に「あの頃」が時を超えて甦る。そんな彼等の音やパフォーマンスを当時のリアルタイム世代が聴いたらどう感じるのか。今の若い世代が触れてどう感じるのか。前述の通り様々にシンボリックな要素はあるものの、ただの焼き回しではない。あの時代にあった音楽以上にそれを取り巻いていたあの「どうしようもなさ」がシーンから失われた今、再びこの様な音だけを目の当たりにすると、とにかくクールだし、非常に新鮮なんだよなぁ。最新作の楽曲のオンパレード、ラストはグランジすらポストし、シューゲイズの要素すら感じた圧巻の音圧とステージングだった。
前回Chunk! No, Captain Chunk!の来日時も含め、数々のIG TourをサポートしてきたLOYAL TO THE GRAVE。昨年2012年にはSet Your Goals等を輩出したアメリカの名門レーベルEulogyから新作をリリースし、見る度に強靭になってきた彼等の世界最先端モッシュコアは会場にピットを作り出すのは勿論、パイルオン祭りの楽曲で会場の温度を大きく引き上げる。2014年1月25日には自らが主催する「BLOODAXE FESTIVAL」でWinds Of Plague、Counterparts、Maroon等の海外勢を招聘する大注目のイベントも待っているので、こちらも注目。
続くは2013年、日本のPop Punkで最も飛躍したバンドとなったAfter Tonightのパフォーマンス。“The Pillow View” から始まり、アンセム “What Does “Zeta” Mean Anway?”。海外からのオーディエンスもいきなり大盛り上がり。そして続くもアンセム “Sleeping In, In Seahaven” へ流れる。Ken氏のVocalは少し苦しそうだったけれども、その分オーディエンスが唄う唄う。コーラスも本当に素晴らしい。このパフォーマンス中の雰囲気こそが彼等の真骨頂なんだ。等身大なんだけど、本当に心に残るメロディー、フレーズ、唄が毎回そこにある。発表された新曲も、その彼等の柱をこれまで以上に感じられる心の琴腺をブルブルと震わせる楽曲。音の重みにばかりシフトし過ぎて、肝心の自分達にしか書く事の出来ない美しいメロディーを忘れてしまっているPop Punkバンドとは一線を画す。KojiがMCで話していた事の訳して伝えたり、2013年度も自分達をサポートしてくれた方々への感謝の気持ちを話したりと、実直で染みるMCをはさんだ後にラストは“ Afraid To Walk” で締め。2014年には待望過ぎる新作が控えているとの事だが、その前に11月に3rdアルバム「Before It Caves」をリリースしてばかりのA Loss For Wordsと、同作のリードトラック ”Distance” で参加しているLynn Gunn率いるPVRIS、そしてVannaの結成メンバーであったEvan Pharmakisのソロ・プロジェクトWind In Sailsという海外3アーティストとのアコースティック4 Way Splitがリリースとの事なので、こちらもマストでチェックです。
最後は大トリMan Overboard。前回の来日時からドラマーがJoeに交代してから初の来日。最新作の一曲目を飾る “Heart Attack” からスタート。Pop Punkをベースとしながら、跳ねたリズムやどこかシニカルで太いサウンドスケープは、Power Popからの影響も垣間みれる。続くは前作「Man Overboard」から “Dead End Dreams” と疾走感溢れる“Rare”を披露。時に感情を爆発させてスクリームするZacと、安定感抜群のNikのツインVocalも前回以上にそのコントラストは際立っている。そしてICE GRILL$からリリースされたデビュー作「Real Talk」の冒頭を飾るタイトル曲 “Real Talk” へ!
今回皆に知って欲しいのは、Man Overboardを招聘したICE GRILL$からリリースされているのはこの「Real Talk」のみだという事。本来自身のレーベルから作品を出し、その売上から来日費用を出す。そして来日があるからor見にきたけど作品は持っていないから、という事で作品が売れてサポートに繋がる。この構図が本来の縮図だったりするが、ICE GRILL$は2ndや3rdをリリースしていない。リリースしなかったというよりはリリース出来なかった、という方が正しい。そこには俗にいう大人の事情があったりもするのだが、本来自身のレーベルで作品を出せないバンドを呼ぶというのは基本一部例外を除いてあり得ないのだ。その一部というのが、レーベルとバンドが大人の事情を超越する程固い絆で結ばれている、という事。そう容易く決断出来る事ではないのだ。そんな中で今回招聘したICE GRILL$にリスペクトなのだ。
って事で話はレポから逸れてしまったので、戻します。そんな名曲に続くは初期の名曲 “Disconnect”。これ聴けると思ってなかった(笑)。彼等の楽曲の中でも一、二を争う程にエモーショナルな“Atlas”から疾走感と温かいメロディーに包まれる “Something’s Weird” へ。その後も最新作から “Boy Without Batteries”、初期の楽曲 “Dreaming” と “Real You” を立て続けに演奏した後、再び最新作から “Where I Left You”。バンドの過去と今を行き来する本当に良いセットリストだなぁ、なんてニンマリしていたらPVも作られた “Montrose”。Pop Punk畑ながら、このJimmy Eat Worldを彷彿とさせるこの楽曲は本当に名曲。前が光に包まれていく様な錯覚に陥りながら、続くはまたしても彼等の代表曲 “Fantasy Girl”。軽快なカッティングからTaking Back SundayやSenses Fail、Sydney(古い.笑)辺りを思わせる、エモーショナルで切ないメロディーに、会場の熱気もラストに向けグングン上がっていく。硬派でパワフルな “White Lies” で助走を付け、ラストはやはりこの曲 “Love Your Friends, Die Laughing” にて会場中が合唱してフィニッシュ。アンコールまでブチ抜きで演奏した彼等の体力も半端なかったが、前回来日時以上に気迫溢れたパフォーマンスとサウンドは、音源からでは感じられない凄みを伴っていた。
2013年も数多くの良質な作品のリリース、そして積極的なアーティストの招聘を行ってきたICE GRILL$。2014年も素晴らしい音と、素晴らしい出会いを僕達に与えてくれるであろう。皆と同じく、来年も引き続きサポートしていきたい。
テキスト:鎌田 裕司 a.k.a. わいけ
写真:Nobuya Fukawa


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