【FEATURE】NEW YEAR’S BLOODAXE FESTIVAL 2014ライヴレポート@1/25 川崎 CLUB CITTA’

年々ここ日本国内でもハードコアが市民権を獲得してきているが、その象徴ともいえるイベントがこのBLOODAXE FESTIVALだ。世界へ羽ばたき、今や日本を代表するLoyal To The Graveが2006年から毎年主催し、2008年からCLUB ASIAで行われてきた同フェスティバル。今年は「NEW YEAR’S BLOODAXE FESTIVAL 2014」と銘打ち、過去最大のキャパシティーとなる川崎CLUB CITTA’での開催となった。今年も再来日、初来日問わず各国から来日した海外勢や、シーン最前線の国内バンドが勢揃いした豪華ラインナップとなった。
Old Schoolの熱さとNew Schoolの強靭さを併せ持つサウンドのトップバッターWill You Remember、ブルータルでヘヴィなモッシュコアに日本特有のワビサビを混ぜ込むAngagement、相変わらず圧倒的なテンションとアグレッションを叩き付けるCrystal LakeのLiveを経て、海外勢一番手として登場したのがProvidence。
EDMをSEに、ガチガチのルックスに身を包みステージに現れたフランスのモダンNew Schoolバンドが初来日。因みにギタリストはChunk! No Captain Chunk!の初期ベーシストだそう。そういえば同郷(笑)。Crystal Lakeも凄まじい音圧だったが、彼等もそれ以上と思われるボトムを全面に出したアクティヴなタフガイサウンド。2stepやブレイクダウンパートは勿論、要所要所にメタリックなフレーズを入れながら、横モッシュを煽ったりと音源未チェックのオーディエンスをも巻き込む。その他にもリフ主導の完全メタルコアサウンドも披露。それぞれの国のシーンとのズレ等、微塵も感じさせないバンドとオーディエンスを繋ぐ会場の空気感はまさにこのフェスならではだろう。ラストは本日出演で同フランス出身、Rise Of The NorthstarのフロントマンVithiaが飛び入りし、会場のヴォルテージも上がりまくった状態で終了。
去年8月に1st作「State of Mind」をリリースしLoyal To The Graveとも馴染み深い千葉出身、特大のサークルピットを作り出すブルータルでタフなサウンドを鳴らすBlindside。そしてこの日のラインナップで最もキャッチーな要素を持ち、一番アウェーだとみられていたa crowd of rebellion。その圧巻のステージングと演奏でそんな下馬評を見事にひっくり返す熱演をみせた後、再び海外勢Expireの登場。髪を結わえたVocalのルックスもあるのかもしれないが、この日最も女性からの支持も高かったように感じた。オーセンティックでストイックなハードコアをベースに、モッシーで4ピースとは思えぬ超ヘヴィかつグルーヴ感のずば抜けたサウンドに悶絶。余分なパートを排除しタイトに構成された楽曲、そして余計なMCも極力除いた、熱く、ハイプ感ゼロの叩き上げ感。ハードコアの真髄を射抜いたいぶし銀なパフォーマンスに、熱心なファンを中心にステージダイブの嵐。勢いと実力が伴ったリアルすぎるUSハードコア最前線を見せつけられた会場も、この日最強に極悪なピットとなっていた。
この日唯一のメロディックサウンドながら、全く浮く事無く自身の信じるPop Punkを鳴らすFor A Reasonをはさみ、いよいよRise Of The Northstarの登場だ。ステージモニターにバンド名が映し出され、SEが流れると会場から大きな歓声があがる。自ら “Furyo Style” を掲げ、日本の漫画も愛するフランスはパリ出身の再来日。言葉通り日本の不良をモチーフに学ランを身に纏いながら、マスク、バンダナ、スナップバックと見た目だけでも相当なインパクトだが、サウンドもその見た目のインパクト以上の破壊力。超メタリックな極悪モッシュコアをベースに、スペーシーなギターソロ、早弾き、スラッシーなパートを盛り込むブレイクダウン多用系だ。代表曲 “Demonstrating My Saiya Style” は勿論、“One For All” や日本復興支援ソング “Phoenix” 等から繰り出されるタメにタメてから放たれるバズーカクラスのブレイクダウン/ビートダウンの破壊力は尋常ではなく、当然の如くピットの治安も完全に治外法権レベル。学ランを着たオーディエンスもいたりと、間違いなくこの日最大のハイライトとなる人気を見せつけた。
続くも再来日組Winds Of Plagueが、バンドらしい荘厳なSEと共に登場。2009年Terrorと共に初来日し、Loyal To The Graveと3バンドで行ったJapan Tour、そして2011年のBLOODAXE FESTIVALでの出演以来、三度目の来日となる米カリフォルニア産だ。鬼ブルータルなメタルコアを軸に様式美やシンフォニックなシンセを大胆に織り交ぜるサウンドは、ここまでのアクトの雰囲気とは明らかに一線を画したスケール感を持ち合わせる。しかしそういった世界観だけではなくサウンドも強烈。特に楽曲に盛り込まれたブレイク一発目の低音の出方は異常すぎで、スピーカー近くで聴いたら鼻血出るんじゃないかと思う程の音圧にぶっ飛ばされる。西海岸を超越し、今や全米屈指のエクストリームバンドとなったその実力をまじまじと叩き付ける壮絶なLiveだった。
昨年までこの川崎CLUB CITTA’で、このフェスと並び凄まじいメンツで開催されてきた「PUMP UP THE VOLUME FEST」を主催してきたEndzweckの登場。ちなみに同会場内ではメンバー宇宙氏の名物ラーメン『ウチュジロウ』が出店されており、絶品!話は逸れたがそんなバンドの東京のハードコアシーンを長年支え続けてきただけある、圧倒的な疾走感と泣き泣きのメロディーと説得力溢れるパフォーマンスに続き、今回の主催者であり、日本を代表する最強のハードコアバンドLoyal To The Graveが登場。初っ端からどんどん上がってこい!との掛け声にオーディエンスも次々にトップギアで応えていく。ブレイクダウンからのビートダウンは、ここまで多くの海外勢を体感した耳であってもかなり強烈だ。全くブレない強靭なサウンドをさらに進化させた新曲も披露。重戦車の様な超重量級のサウンドは何度体験しても刺激的だ。終始巻き起こるパイルオン祭りと、ラスト “Weakness” のピットは熱すぎた。
イベントは残り2アクト、主催者自らが上げまくった会場の熱気はいよいよ終盤に向けてさらに加速していく。続いての登場はMisery Signals以降の叙情New Schoolシーンを大きく広げた立役者の一つ、カナダ産Counterpartsが待望の初来日。作品を出す度に疾走感と叙情感だけでなく、Misery Signalsにも通じる変拍子満載のアンサンブルを音源と遜色無く鬼タイトに演奏する姿は、驚愕の一言だ。さすがにプログレッシヴすぎるのかモッシュは落ち着き気味だったが、その分マイクに群がる人数はかなりの数。要所要所に顔を覗かせるエモーショナルなフレーズと圧巻の疾走パートでサークルピットも作り出し、トリ前のアクトとしては充分すぎる程の貫禄っぷりをかましていた。最新作からの楽曲を中心に幅広いセットリストで構成。個人的には1stの神曲 “Sturdy Wings” を演らなかったのは心残りだったが、同作から “Only Anchors” が演奏されたのは半泣きだった。名曲の多いバンドだ、演奏が終わった後に皆それぞれが聴きたい曲を叫びながらアンコールを求める姿が印象的だった。
そしていよいよ大トリMaroonの登場だ。Heaven Shall Burn、Calibanと共にジャーマンメタルコア3巨頭と呼ばれ活躍してきた彼等だが、今回本当に本当に残念ながら解散発表後のFarewell Liveとしての再来日となった。Slayerの “Raining Blood” をカバーという粋なスタートでいきなり沸く会場。スラッシーでデス要素の強い楽曲、強烈かつ鉄板のアンサンブル、フライングVでの早弾きやヘドバンのパフォーマンス等からメタルコアというよりガチメタルという印象を持っている方も多いだろう。しかし、いざこうしてLiveを体験すると実際のサウンド然り、その佇まいや滲み出るアティチュードは紛れもなくハードコアだ。この日一番だろうと思っていたWings Of Plagueの低音すら凌ぐ最重量Lowサウンドは、マジで鼓膜破壊されるんじゃないかと思う位凄まじく(実際スピーカー横にいた人ちょっと吹き飛ばされていたw)、スタートから8時間以上経っているオーディエンスも彼等のFarewllステージに残る全ての力でレスポンスする。終電の兼ね合いもあっただろうが、そうではないのに帰ってしまったオーディエンスは後悔するレベルの、魂の塊をぶつけてくるパフォーマンスは正直別格だ。コミカルにMCをする姿とは対照的に、演奏中の鬼気迫るスクリームを放つAndreやバンドの演奏はFarewellがどうこうっていうレベルではなく、約15年活動してきたバンドの地力だ。“Without A Face” やタイトル曲 “Endorsed By Hate” 等2ndの曲含めた名曲だらけのセットリスト。ラストにはMetallica “Creeping Death” のイントロをかましてフィナーレ。感動以上に貫禄のステージだった。
「パンクを聴く人がもっとハードコアを好きになって欲しい。同じくハードコアを好きな人がもっとパンクを好きになって欲しいから、ここに立っている」とこの日For A ReasonがMCで話していた言葉は、まさにこのフェスを象徴する一言だったと思う。ハードコアという軸を持ちつつ、こういったクロスオーバーしたブッキングが音楽シーン全体にもたらす意味は決して小さいものではないだろう。最高の海外バンド達を招聘したLoyal To The Grave。そしてFarewell Tourをしに来日してくれたMaroon。素晴らしいパフォーマンスをみせたその他バンド達に最大限のリスペクトをしつつ、このハードコアというシーンの基に集った様々なジャンルのバンドが鳴らすサウンドや想いを、しっかり僕等リスナーがサポートし肥大化させていく事がより大切な年になると、改めて感じさせてくれるイベントであった。
写真:Azumi
テキスト:鎌田 裕司 a.k.a. わいけ

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