【REVIEWS】Desasterkids – Sex Beer & Breakdowns 〜 ドイツの極悪パーティー集団、日本襲来 〜
Released: 2/12/2014 – GO WITH ME
Eskimo CallboyやHis Statue Falls等、本国のトップバンドだけでなくユーロ圏を中心に数多くのバンドをリリースしてきたドイツの最重要レーベルRedfield Recordsから新たに送り出されるのが彼等。日本でもコアな人気を誇るWe Butter The Bread With Butterのex.メンバーから結成されたバンドという事で注目を集めていたが、本国でリリースされたデビューEPがGo With Meから国内盤化、早くも日本デビューとなった。メンバー全員黒ずくめの服装にサングラスをかけ、自らのサウンドを『Desastercore』と呼ぶ。そのサウンドは、The Plot In YouやLike Moths to FlamesといったUSの極悪ポストハードコア/メタルコアからの影響をベースに、ドイツらしいレイヴ感のあるエレクトロを織り交ぜた刺激的なサウンド。特にモダンNew Schoolやモッシュコア勢にも引けを取らない強烈なブレイクダウン含めたブルータルな側面が強烈だ。シンフォニックなイントロから奈落の底に落とす様なブレイクダウン、そしてキャッチーでシンガロング必至のクリーンパートにニヤニヤする1stシングル “I Do What I Do Because Fuck”。We Butter The Bread With Butterを彷彿とさせる、超スラッシーなパートとAlexisonfireっぽい疾走感あるサビが共存する “You Have No Friends” でのカオティックっぷり。2ndシングルとして発表された “#FameFameFame” では、国内盤もリリースされているイタリアの暴れ馬メタルコア、TastersのフロントマンDaniele Nilliがフィーチャー。彼は今作のマスタリングも手掛けており、バンドの凶悪なイメージを具現化するのに間違いなく一役買っている。パーティー感やキャッチーなメロディーは多くありながら、全体的に不穏で切迫感のある堂々たるデビュー作で、B級なニオイのしないハイブリッドな一枚だ。今後Eskimo Callboyに続きワールドワイドデビューも全然有り得る、ドイツ期待の逸材。
テキスト:鎌田 裕司 a.k.a. わいけ