【FEATURES】ギルガメッシュ, Newミニアルバム「gravitation」インタビュー
“一度音源を聴いてもらって、ライヴを見てもらえば心に突き刺す自信はある”
──では、アルバムについても伺わせてください。いよいよリリースされる新作「gravitation」は、ギルガメッシュの作品の中でもかなりヘヴィなアルバムになりましたね。
Яyo:ただアメリカのバンドのコピーになっても仕方ないんで、そのさじ加減は気を使ってました。メタルコアやDjentの要素も取り込みつつも、ギルガメッシュ節もしっかりあって、と言う発信の仕方をしたかったんですよ。ギルガメッシュがやるとこうなるよね、って言う激しいものを作りたかったんです。
──激情的でドラマティックな音の組み立てだからこそ、ギルガメッシュの強みであるメロディーの良さや、滑らかなヴォーカルワークも際立っていました。
左迅:メロディーは立ってて覚えやすくてポップ、と言うのは昔から貫き通していた部分なので、今回もそこはブレてないです。ハードなものに歌謡曲っぽさだったり、メロディアスなものが乗っていくことによって化学反応が起こって、ギルガメッシュの良さに繋がっていくと思っているので。
──前作「MONSTER」では、ポップ要素の強い “BAD END DREAM” と言った楽曲もありましたが、今回はシンフォニックなテイストも含んだ “Go ahead” や滾るような分厚いサウンドから突き抜けるサビが爽快な “gravitation” など、メロディアスながらも激しく重厚な楽曲が並んでいますよね。
Яyo:「MONSTER」が出来上がった時点で、次は激しいものに振り切りたい、って思っていて。ただギルガメッシュの曲はどんなに激しくても、聴かせるセクションが絶対にあるんです。例えば1曲目の “Go ahead” では、サビはすごくしっかりしたメロディーを作っていて、それ以外はシャウトを出したりブレイクダウンを入れたり、みたいな。そう言う緩急の使い分けが得意だし、それこそが自分たちにしか出来ない音だと思ってます。あと俺はライヴの構成を考えながら曲を作っていくので、曲順にもストーリー性が出てますね。今回のアルバムで言うと、このままの曲順でライヴをやることも出来ると思うんです。ツアーの後はこんな曲があったらな、って色々考えるので、そのタイミングって曲を作りやすいんですよ。
──ライヴの現場から着想を得るんですね。
Яyo:やっぱりそうなりますね。あとはもちろん、その時聴いている音楽からも影響は受けます。今回で言うとMotionless In Whiteから、Crossfaith、The Agonist、Asking Alexandria、あとはCelldwellerとか。
──ポスト・ハードコアのBring Me The Horizonからインダストリアル・メタルのCelldwellerまで、幅広いですね。確かに唯一無二のサウンドを生み出し続けるギルガメッシュの、礎となっているように感じます。
Яyo:そうですね。でも、今回一番影響が大きかったのは、Peripheryだと思います。ずっと同じルート音が鳴っていて、複雑なリズムが刻まれている中で、あれだけ立ったメロディーが出来るんだ、って言うのはすごく勉強になりました。同時に、次はもっとガチなDjentもやってみようかな、とも思ってます。
──次作はますますハイブリッドな作品になりそうですね。ジャンルレスに活動を続けるギルガメッシュにとって、バンドとしての理想はどのようなものでしょうか?
Яyo: ヴィジュアル系だとかどのジャンルだ、とかに捉われたくないんですよ。僕らの放つ音楽も聴いてもらいたいし、フェスにも出て、多くの人と音楽を共有出来たら素晴らしいと思うんです。聴いてもらって中指立てられたら、それはそれで後悔しない。ただその場でやるチャンスが欲しいですね。
左迅:食わず嫌いみたいな感じで、聴かないで終わってしまうのは一番残念だと思うんです。一度音源を聴いてもらって、ライヴを見てもらえば心に突き刺す自信はあるので、まずはそう言う偏った見られ方を壊していきたいですね。
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Intervier: Leyna Miyakawa