【FEATURES】Finch, Newアルバム「Back To Oblivion」インタビュー
2度の解散、そして去年まさかの復活、1stアルバム10周年記念ツアーを経て、9年振りに放つ超待望のNewアルバム「Back To Oblivion」。完全復活を遂げたFinchの新作、そして8月のプレミアム公演のことまでを、バンドの中心人物でありギタリストのRandyに訊いた。ここからFinchの新たな歴史が始まる。
“最後にはユニークなアイデアが詰まった作品になるんだ”
──9年振りとなる新作リリースおめでとうございます。これまでもEPやLive盤のリリース、別プロジェクトでの活動、「What It Is to Burn」の10周年ツアーとメンバー的には忙しかったと思いますが、改めて振り返ってみていかがでしょうか?
ありがとう。インタビューしてもらえて嬉しいよ。
この2年間は本当に忙しかったね。どれが最高の思い出かって絞るのは難しいくらい。どのライブも素晴らしいものだったし。誰もが俺たちがシーンにカムバック出来るように手伝ってくれたし。一番心に残っているのは、このアルバムが完成したときかな。だから、ようやくこの作品がリリース出来ることが、本当に嬉しいよ。
──本国はRAZOR&TIEからのリリースとなりますが、どういった経緯で契約に至ったのでしょうか?
新作を作るっていうときに、アメリカのレーベルで最初に声をかけてきたのが、Razor & Tieだったんだ。まだ極秘に制作を進めていたときにね。レーベルのスタッフはみんな親切で、俺たちも共感出来たんだよ。同じ方向を向いて仕事が出来るって、そう感じたんだ。
──「Back To Oblivion(忘却の彼方へ)」と名付けられた待望の新作、アートワークもとても印象的ですが、アルバム・タイトル、アートワークに込めた意味や、アルバムを通してのコンセプトがあれば教えていただけますか?
コンセプトというかアルバムを制作するにあたってのアイデアは、各メンバーそれぞれにあると思う。俺の場合、大きなヴィジョンがあってそれは頭の中にある空想からくるアイデアなんだけど、元々楽曲を制作している時点からあるものなんだ。すごく抽象的なものなんだけど、それに対してみんなと話し合いながら、音を繋げていくんだよ。それを続けていくうちに、欠かせないアイデアだけがより形作られていく。そして、最後にはユニークなアイデアが詰まった作品になるんだ。
──ここ数年で発表された楽曲に比べると実験的な要素が薄れ、よりメジャー感のあるメロディアスな楽曲が多い印象を受けました。前作リリースからの期間、メンバーそれぞれのパーソナルな音楽的嗜好も変化していると思いますが、新作制作にあたってそれが影響をもたらしている部分もあったのでしょうか?
1999年にバンドが始まってからと、この2014年の今でも俺たち5人のFinchとしての思いは変わらないまま。それぞれの作品が何かしらのかたちで、聴いてくれた人々に影響は与えていると信じているよ。ただこれまでを振り返ってみると、長い年月やそれぞれの人生がバンドとしてのセンスを変えていったのは事実だね。でも、それが俺たち自身のらしさって部分だと思う。メンバーそれぞれに異なった音楽の趣味があるし、似たような音楽を聴くこともあれば、そうでないこともある。でも、それらが直接的にソングライティングに影響しているかっていうと、そうでもないかもね。どちらかというと、潜在的な意識の中では影響はされていると思うけど。他のメンバーに楽曲のアイデアを伝えるときは、やっぱりFinchらしさを意識したものを選んで伝えるようにはしているよ。
──またジャンルに関わらず、ここ最近一番聴いている作品を教えていただけますか?
今でもMy Bloody ValentineのLovelessを聴き続けているよ。あとは、以前のドラムだったMarc Allensが始めたHelen Earth Bnadも聴いているね。We Fucking Quitっていう作品が一番のおすすめだよ。
──2014年は2月に「WHAT IT IS TO BURN – X」ツアー、そして8月には急遽決定した一夜限りのプレミアム公演と立て続けに来日がありました。メンバーから見た日本の印象を教えて下さい。
やっぱりライブが一番の思い出になっているんだ。日本のファンたちの前でライブするのは、とても反応がいいから楽しいんだよ。あと日本のみんなはとても親切でステキなひとたちばかり。Finchへの愛を感じるよね。他の国では味わったことのないような、ウェルカム感というか温もりを感じるよ。
──その8月のプレミアム公演ではLive終演後に新作の先行リスニングパーティーやオーディエンスとのQ&Aタイムと、中々珍しい経験をされたと思いますが、いかがでしたか?
最高だったよ!本当に良い経験だったね。アメリカとは比べ物にならないくらい良い反応だったし。2時間のライブの後、ファンとの交流があって色々出来たのは、日本だからこそだったと思うんだ。交流会で受けた質問も、本当に新作に興味を持ってくれているんだなというものばかりだったしね。
──たった一夜の公演だった為、行きたくても行けなかったファンがあの日は沢山いたと思います。来年2015年には2ndフル作「Say Hello to Sunshine」 のリリース10周年も迎えますし、何よりもこの新作と共に来年また日本に来てくれる事を切望している大勢のファンへメッセージをお願いします。
2015年の夏には、日本に必ず帰ってくると思う。早くまたツアーを始めて、色々な国を廻りたいよ。チャンスさえあれば、いつでも日本に行きたい気分だね。またみんなに会えたら嬉しいよ。僕らのことを知らない友達がいれば、新作のBack to Oblivionと一緒にどんどん紹介して広めてくれよ。日本でライブするときに、みんなが一緒に歌ってくれている姿を見たいからね。宜しく!
Interview:Yuji Kamada
Translation: Ken-Ichiro Arima
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