【REVIEWS】Hit The Lights – Summer Bones 〜 過去と未来、その全てを繋ぐ大傑作 〜
Released: 3/25/2015 – KICK ROCK INVASION / Pure Noise
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先日名盤2nd「Skip School Start Fights」の再現Liveを行う為に再来日を果たし、各会場を熱狂の渦へと巻き込んだ米オハイオ州出身の彼等。2003年の結成から10年以上。もはやポップパンクリスナーの間ではその名を知らぬものはいないバンドへと成長を遂げた彼等が、そのメモリアルツアーの熱冷めやらぬ絶好のタイミングで4枚目となる最新作をリリースした。1st「This Is a Stick Up… Don’t Make It a Murder」と2nd「Skip School Start Fights」はTriple Crown、3rd「Invicta」はRazor & Tieからのリリースであったが、今作はThe Story So FarからFour Year Strongまでを擁する現最強ポップパンクレーベルPure Noise移籍第一弾リリースとなる。盟友Four Year Strongが同レーベルへ移籍後のリリースで再び原点回帰を計るアグレッションを叩きつけていただけに、大きくスケール感を増した3rd「Invicta」の延長というよりは2nd「Skip School Start Fights」に近い作品になるのではとファンの間でも予想されていたが、これがまた単なる原点回帰にはならない素晴らしい作品となっている。
冒頭のリフが鳴った瞬間に思わずガッツポーズ。からの、爽やかでエモーショナルなメロディーに鳥肌立ちっぱなしな “Fucked Up Kids”。OmarとKevinが刻むボトムの効いた図太いギターからを軸に、要所要所で「Invicta」に収録されている楽曲っぽい弧を描く様なスケール感溢れたリフが交錯していく “The Real”。1stに収録されている楽曲を想起させるリフからスタートしながらも、それを貫く一閃の様な単音フレーズが心地よい “Blasphemy, Myself and I”。そしてPure Noiseのバンド達を彷彿とさせる過去最高にハードコア要素を取り入れたアグレッシヴでファストな “Keep Your Head”。同じく疾走感溢れ、Liveでは間違いなくサークルピットが出来るであろう “Life On The Bottom”。勿論 “Revolutions and Executions” や “Sitter” といったHit The Lightsらしい陽性な縦ノリ楽曲も収録されている。個人的にはタイトルトラックであり今作唯一のバラード “Summer Bones” での、どこかFireworksやSaves The Day辺りを彷彿とさせるアンニュイな哀愁あるリフに悶絶。そしてフロントマンNickのソロプロジェクトThief Clubの “Fragile Eyes” をHit The Lightsとして解釈した様な “Old Friend”では、なんと初代フロントマンColin Rossをフィーチャーするという反則技までかましている。
作品全体としてはファン皆が望んでいるサウンドをならしつつも、しっかりとバンドの歴史を内包し、そしてその先までを見据えた完璧な一枚だ。The Atarisの名盤「So Long Astoria」を毎年夏になるとひっぱり出してきて聴いているのだが、今年の夏は久々に違う作品をヘビロテする事になりそうだ。
テキスト:Yuji Kamada
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