【FEATURES】Hundredth, Newアルバム「Free」インタビュー 〜アルバムには「人生における様々な出来事から自分を解放する」というテーマを持たせた〜
APフリーペーパー8月号に掲載!
USはサウス・カロライナ出身のメロディック・ハードコアバンドHundredthが、ニューアルバム「Free」をリリースした。Hopeless Recordsへ移籍後第一弾となる本作は、アグレッシヴかつ激情的なサウンドがより洗練された形で凝縮された、至高の一枚となっている。現在Vans Warped Tourに参戦している彼らは、2015年9月にはBloodaxe Festivalに出演するため初来日も決定。バンドとしての勢いはますます上昇中だ。今回はヴォーカルのChadwick Johnsonに、アルバムやバンドの思考についてを訊いた。
“アルバムには「人生における様々な出来事から自分を解放する」というテーマを持たせている。例えば宗教的な教義や人々との関係性、かつての自分、罪や恥とかね。”
──Hundredthは作品ごとに違った試みを取り入れているそうですが、今回新たに試みたことも多かったんでしょうか?
Chadwick Johnson(以下Chadwick):うん、結構あるよ。まず個人的には、今回のアルバムではもっと音楽的な面にも携わるようにしていった。そして以前、Hundredthでギターを務めていたメンバーを招いて曲を作ったり、現在のギタリストのBlake Hardmanと俺でツアー中のバスやそれぞれの家で曲を書いたり、俺の家で一緒に曲作りをしたりしていたから、いくつかの環境の中でアルバム制作を進めて行った。それと初めてSam Puraと一緒に レコーディングをしたんだけど、彼は本当に才能に溢れた人物で、俺たちにとってはもう、6人目のメンバーと言ってもいい。彼は俺たちのアルバムに、そして音に命を吹き込んでくれたし、建設的な意見をたくさん出してくれた。
──かなりスムーズに運んだんですね。
Chadwick:そうだね!本当にそう思うよ。あとは初めて自分の家でヴォーカル録りをやってみたんだけど、自分のペースで集中して進められたのはすごくやりやすかったな。ヴォーカル面においても色々と試したことがあったから、自分自身でも、今作では新たな方向に行くことができたと感じているよ
──制作期間自体は、どのくらいかかったのでしょうか?
Chadwick:だいたい6ヶ月くらいかな。レコーディング自体はPanda Studiosという場所で、3週間かけて録ったんだ。ヴォーカルはだいたい1週間くらいかけて自宅で録って、Paul Leavittにミックスしてもらったんだよ。
──前作のEP「Resist」は地球上で起こっている問題について、前々作のEP「Revolt」ではご自身のパーソナリティをテーマに制作していたそうですが、今作「Free」にも特定のテーマやコンセプトなどあったのでしょうか?
Chadwick:「Free」に関してはすごくパーソナルな内容なんだけど、それを詳細に、ダイレクトに伝えようとはしていないんだ。そうすることによって歌詞により深い意味が生まれていくだろうし、あらゆる人たちがそれぞれの解釈をつけることができ、より共感することができるだろうと思ったからね。同時にアルバムには、人生における様々な出来事から自分を解放する、というテーマを持たせている。例えば宗教的な教義や人々との関係性、かつての自分、罪や恥とかね。
──歌詞制作の面においてはいかがでしたか?
Chadwick:今までよりも自然体で歌詞に向き合うことができたと思う。すべてを詳細に明かさずにいて、文学的なアプローチよりも絵を描くような感覚で歌詞を書くことができたのは、とても良い経験だったよ。
──サウンド面においてはよりスラッシーで、重くアグレッシヴなテイストが全面に押し出ていますね。
Chadwick:そうだね。というのも、全体的な音の方向性としては分厚さや強靭さを持たせたかった。だから少しダークでありながらも、クリアに聴こえ、聴いてくれる人の耳にグサグサと刺さっていくような音を探して行ったんだ。
──一方で “Inside Out” や “See Beyond”、“Delusion” など、攻撃的でありながら叙情的であったり、キャッチーさも兼ね備えた楽曲も多く収録されています。
Chadwick:そういった要素もすごく意識したよ。曲を作るにあたって、覚えやすくてキャッチーであることも重要だと考えていたから、例えばメロディックなスクリームやクリーンパートを盛り込んでいくようにしたんだ。バンドを始めた頃から意識していたことだけど、今回は今までよりも効果的にそういった要素を取り入れていったから、とても味わい深いアルバムになったと思うよ。
──今作からHopeless Recordsに所属しアルバムがリリースされましたが、契約に至る経緯をお訊かせ頂けますか?
Chadwick:彼らはチャリティーレーベルであるSub City Recordsも運営しているし、Take Action Tourといったツアーも開催しているからね。Hope Into Humanityというチャリティー活動をしている俺たちにとって、その部分も決め手のうちの1つだった。Hopeless Recordsには素晴らしい人ばかりがいて、俺たちが一番レーベルに求めていたように、バンドに対して大きな信頼を寄せてくれる。やると言ったことは必ず実行してくれて、レーベルとバンドの関係をよりよくしようと力を尽くしてくれるんだ。彼らは何もないところから凄まじい努力をして今の体制を築いてきたわけだから、俺たちも彼らを信頼しているよ。
──Hundredthはサウス・カロライナ出身ですが、地元の音楽シーンはいかがですか?
Chadwick:サウス・カロライナには二つの大きな大学があるから、最近はそこの学生が音楽シーンを作っている傾向があるかな。ヘヴィー・ミュージックの存在は最近控えめになっていて、あまりバンドの数も多くはないんだけど、彼らの音楽の質的には素晴らしいと思うよ。才能に溢れたサウス・カロライナ出身のバンドもいくつか活躍しているしね。
──現在はVans Warped Tourに出演されていますが、ツアーはいかがですか?
Chadwick:信じられないほど素晴らしいよ!俺たちのようなバンドにとって、こんなに長い時間ファンのためにプレイでき、新しい人々と出会うことができるほど貴重な経験は無いんだ。今回起こっているすべてのことに感謝しているよ!
──2015年初頭には、 While She Sleeps / Cancer BatsとEU/UKツアーを行いました。
Chadwick:うん!このツアーも、とても楽しかったよ!EU/UKの国々も大好きだし、ファンのエナジーも凄かったからね。
──バンドのマーチやロゴもデザイン性が高く目を引きます。これはどなたのデザインなんですか?
Chadwick:これは俺が作ったんだ。最初はマーチのデザインとして作ったんだけど、現在はロゴとして使っているんだよ。
──9月にはいよいよ来日公演が迫っています。最後に、その意気込みをお聞かせ頂けますか?
Chadwick:日本に行くのが待ちきれないよ!何年も日本に行きたくてずっと待ち続けていたから、やっと願いを叶えることができてとても興奮しているよ!!!
Hundredth「Free」
In Stores Now
Hopeless Records / KICK ROCK INVASION
EKRM-1317 / ¥1,800(w/o tax)
Text/Translation:Leyna Miyakawa
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