【REVIEWS】MEST – Not What You Expected
Released: 9/25/2013 – Bullion
MESTカムバック!思わず叫ばずにはいられない…なんて陳腐な表現では足りない程に素晴らしき一枚。活動休止前最後の作品となった「Photographs」から約8年。その間にTonyの事件やKisses For Kingsでの活動等、良くも悪くもその名を見る事も何度かあったものの、やはりこのバンドとして戻って来てくれた事は心から嬉しい。同時期に最前線を歩み、同じように活動休止から復活したSimple PlanやYellowcardがここ数年で全盛期にも負けてない原点回帰の傑作を生み出していたが、彼等は原点回帰せずにモダンなポップ・パンク要素を取り込み、傑作を生み出した。プロデューサーにはex-A Day To Rememberであり、今や売れっ子プロデューサーの一人となったTom。彼を迎えた辺りにバンドの強い心意気を感じるが、先行で発表された “Almost”を筆頭に全体的にその手腕が最大限に活かされたPopcore的なヘヴィーなサウンドになっているが、メロディーはとてつもなくキャッチー。”One Life” や “Can’t Let Go” で聴く事の出来るブレイクダウンは、それこそスクリームが切り込んできてもおかしくないサウンドなのだが、その上を舞うのは当時と全く変わらないTonyの鼻にかかったイノセンスな唄声なのがたまらない。彼等を知らない若い世代も一発でノックアウトするであろう最上級のアンセム “Radio (Something To Believe)” にはA Day To RememberのJeremyもコーラス参加しており、自身のバンドの最新作に多大な影響を与えたのは言うまでもないだろう。
テキスト:鎌田 裕司 a.k.a. わいけ