【REVIEWS】Polar Bear Club – Death Chorus
Released: 11/19/2013 – Rise
しっかしトレンドを掴むのが上手いバンドだなとつくづく思う。No Idea辺りのバンドやHOT WATER MUSIC直系の男気溢れる鬼渋で胸熱のメロディックハードコア要素と90’sインフルエンスのエモーショナルを混ぜ込んだサウンドでいきなり話題となったNY産。大出世作となったBridge Nineからリリースされた前作に続く大注目の最新作がなんとRiseからのリリースなんです。ここ数年お得意のスクリーモ/ポストハードコアだけに留まらず、メタルコアからメロディック、さらにはレジェンド系も契約している同レーベルだけにもうばっこし驚く事はなくなってきたけど、彼等の様なバンドが契約したのは少し驚きました。先日某レーベルの方にお話聞いたのだが、Riseというレーベルは金儲け主義とは対極にあり、自分達のサポートしたいバンドだけ契約するのだそうだ。ヒットしているバンドを多数抱えている故、外から見ると少しチャラいイメージがあるかもしれないけれど、彼等が契約した事が何よりの証拠。
少し話し逸れましたが、そんな新天地一発目。一曲目の “Blood Balloon” からいきなり驚かされたなぁ…Jimの声に間違えないんだけど、全然しゃがれてない声で唄うもんだから肩透かし。しかも楽曲の方も今までに比べると新世代メロディックを思わせる【青く】、【温かい】方向に。個人的にRise AgainstのTim以来の「駄目!濡れちゃう!!(何が)」っていう好きな声だったので困惑を隠せなかったのも事実で、続く “Graph Paper Glory Days” でもその印象は変わらなかった。しかし、“For Show” の焦燥感とセンチメントが交錯するサビを聴いて分かった気がした。そう、これは進化なんだって。ありきたりすぎる表現だけど、紛れもなく。決してポジティヴな捉え方をした訳でもなく、他のバンドが少しづつ時間をかけて積み上げて成長していく所を、彼等はぶっ壊し、今までの積み上げたものを超える高さを手に入れてしまったらしいっていう。これまでの様なヒリヒリしたものは決してないのです。青い青い “When We Were College Kids” や彼等流のパワーポップを表現した “WLWYCD”。昔から初期のTHE GET UP KIDS感あったよな、とか思いつつ、進化と気付かされるまでに皆も時間はかからないはず。昔の好きな人は昔の聴いてれば良いでしょ。これが確信犯でも確信犯じゃなくてもどっちにしてもかっこいいんだけど、どっちにしてもかっこいいよと思わせるのがこのバンドの一番かっこいいとこなんだよなぁ。
テキスト: 鎌田 裕司 a.k.a. わいけ
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