【FEATURE】Asking Alexandria「Japan Tour in 2014」ライヴレポート @ 4/22 渋谷CLUB QUATTRO
2013年8月にリリースされた最新作『From Death To Destiny』が全米ビルボード初登場5位と、UK出身のバンドとしてはBullet For My Valentine以来の成功を掴んだ彼等が、2011年以来の再来日を果たした。前回の初来日後から飛躍的にブレイクした事もあり、この再来日は待望とも言うべき。まさに熱狂に包まれた一夜となった。
この日は、大手CDショップでもスマッシュヒットを記録したのも記憶に新しい東京出身のスクリーモバンド、Another Storyからスタート。パンキッシュな疾走感とハイブリッドかつ音源以上に生々しいアグレッションで、開場の気温をいきなり上げまくり。この日数多く訪れた海外からのオーディエンスからも上々の評判を受けていた。そしてもう一組のサポートアクトはgirugamesh。「言葉の壁や国境をも越える、音楽という偉大な力を感じながら今日一日を楽しんで下さい」 と話す左迅のその言葉を自ら体現した熱い熱いパフォーマンスだ。先日レポートに入ったバンド自身のツアーの時とは、また一味も二味も違ったグルーヴを放つバンドとオーディエンスも印象的であった。
こうした豪華なサポートアクトの熱演の後、いよいよ本日の主役Asking Alexandriaの登場だ。SE的イントロにバスドラの音が被さっていくにつれてどんどんと歓声が大きくなっていき、メンバーが登場する頃には先程まで後方にいたオーディエンスもどんどん前方に押し寄せていく。そう、一曲目は最新作のオープニングトラック “Don’t Pray For Me” からスタートだ。ザクザクに刻まれるツインギター。フロントマンDannyの野獣の様な咆哮とはち切れんばかりのスクリームやクリーンパートが木霊していく。ヘヴィなサウンドと同期されるエレクトロが絡み、このバンドらしい展開をみせていく “Run Free”。Dannyはハードロック譲りの圧倒的歌唱力を披露しながらベースのSamに酒を飲ませる余裕っぷり。重戦車の様な疾走感と強烈なブレイクダウンを持つ “Breathless”。エモーショナルなインスト “Dedication” から “Someone, Somewhere” と、2nd作『Reckless And Relentless』の曲順通りの流れを再現し、伝統的なメタルの持つ様式美をモダンなサウンドに昇華させる。続くも同作からのタイトルトラック “Reckless And Relentless”。入れ替わり立ち替わり、所狭しとポジションを変えながら煽る演奏陣にオーディエンスも大きなシンガロングで応えていく。
そんな熱狂的なオーディエンスにさらなるチャレンジを叩き付けるかのごとくWall Of Deathを要求しスタートさせた “To The Stage” ではクラウドサーフも続出。「1stからやるよ」とアカペラで唄い出した瞬間、凄まじいシンガロングが巻き起こった “A Prophecy”。Dannyの声質こそ変化したものの、音源とは比べ物にならない程に強靭になった演奏はまさにバンドの進化を象徴している。そして「Oh!My God!」の唄い出しでお馴染みの初期からの代表曲 “Final Episode (Let’s Change The Channel)” で開場の熱量はさらに上昇。リバーブのかかったギターが先導していく “Break Down The Walls” が披露され、ここから本編ラストに向かって再び最新作からのセットが続いていく。モダンに疾走する “Killing You” では、終盤にも関わらずビブラートも披露する程のDannyの喉のタフさに驚かされる。そして発表時にも各方面で絶賛となった最新作からのリード曲 “The Death Of Me” へ。初期から比べると良い意味でだいぶダーティーな唄声になったDannyだが、その声質を最大限に活かした見事な唄いっぷりだ。そして「サンキュー、グッナイ」というMCから間髪入れずに繰り出された“Poison” で本編はフィニッシュ。
一度客電がついたものの、鳴り止まないあまりにも大きなアンコールにメンバーもステージ袖で話し合い、まさかの登場!バンドが敬愛するJourneyの名曲 “Don’t Stop Believin’”を唄いながら登場したDannyに対し、全力でシンガロングするオーディエンスの姿には讃美を送りたい(笑)。こうして最高の雰囲気の中 “Welcome” から “Closure” が演奏され、先程までアンコールを送っていた以上に大きな声での大シンガロング大会にてフィナーレをむかえた。
多くの強豪バンドがひしめき合うメタルコアシーンの中で、何故彼等がここまで盛り上がっているのかが一目瞭然で体感出来る、圧倒的パフォーマンスだ。Dannyをはじめとした各パートの優れた技術とセンスは勿論、確実にメタルやハードロックの伝統を引き継ぎ自身のサウンドに裏付けしているからこそ、ここまでの説得力を持つのだろう。次はフェスを始めとした、さらに大きな会場で見たいという欲望が抑えられない。
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テキスト:Yuji Kamada
写真:Nobuya Fukawa
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