【REVIEWS】Diamonds To Dust – Faith Through Trials 〜イージーコア要素も取り込んだ、美しきポストハードコア〜
Released: 3/3/2015 – GO WITH ME
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またここにブルータリティではなく、メロディーを大切にした注目のバンドが登場した。2012年、米ニューヨークで結成された男女ボーカル含む7人組大所帯バンド。先日今作のリリース元であるGO WITH MEから国内盤も発売されたIf I Were Youが、本国で所属している新興レーベルManifest Records。そのオーナー自らがギタリストとして活動しているのがこのDiamonds To Dustだ。昨年デジタルでリリースしていたこのデビュー作が、遂に国内盤としてリリースされた。
メンバーが敬虔なクリスチャンという事も納得できる美しいピアノの旋律で幕を開ける、結成初期に発表された代表曲 “Ashes to Ashes”。Myka,RelocateやBuilt On Secrets、A Thorn For Every Heart辺りを彷彿とさせる、透き通った線の細い中性的なJoeの声と声質も似ている女性ボーカルAngelica。その二人の声を各曲の軸としながら、シンフォニックかつ要所要所で退廃的なフレーズが顔を覗かせる “False Identity”。メタリックなツインリードがイントロから炸裂する “Voice of Christ” や、荘厳なブレイクダウンを持った “He Is Gain”。さらには初っ端から強烈なスクリームが炸裂したと思いきや、陽性のメジャーコードでChunk! No Captain Chunk! の様なイージーコアサウンドを鳴らす “Hi My Name Is April and You’re a Fool” を始め、どことなくYellowcardっぽいイントロのフレーズを持つ疾走曲 “Reach and Believe”。本作ラストにもシンガロングパートを盛り込んだ超キャッチーな王道イージーコア曲 “Nothing To Lose” といったキャッチーな側面を覗かせており、メンバーそれぞれの嗜好が違和感なく一枚にまとめられている。1、7、10曲目では前述したIf I Were Youのフロントマンであり、このバンドの初代ボーカリストであったRandyがフィーチャリング。ファンは間違いなくマストだ。アグレッシヴに攻めまくるバンドで飽和状態になってきた昨今のポストハードコアシーンの中、一際輝く存在である事に間違いない。
テキスト:Yuji Kamada