【REVIEWS】Falling In Reverse – Just Like You 〜 シーン最高峰のエンターテイナーっぷり大炸裂 〜
Released: 3/3/2015 – Epitaph
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今や説明不要、Escape The Fate時代から色々な意味でやらかしまくっている事でも名を馳せ(笑)、それを物ともしないどころかむしろネタにしている感すらある稀代のエンターテイナーRonnie Radke。そんな彼が率いるこのFalling In Reverseの三枚目となる最新作が、今回もEpitaphからリリース。Ronnieと共にEscape The Fateを結成したMax Greenが昨年加入したものの、既に脱退してしまった故の不参加は残念だが、今作もまたFalling In Reverse節満載の凄まじきふり幅の楽曲達が詰まっている。過去二作に引き続き、今作もまたプロデューサーにはFACT やStory Of The Year 、There For Tomorrow、Blessthefallなど数々の作品を手掛けてきたMichael ‘Elvis’ Baskette。ただし今作はこれまでに比べてRonnieが介入して制作されている。
切なくも幕開けに相応しいスケール感あるドラマチックな “Chemical Prisoner”。グラム要素の強い “Sexy Drug” やオルタナティヴな “Stay Away”。そしてEscape The Fateを彷彿とさせる “God, If You Are Above…” や、同じくEscape The Fate時代から続いていたシリーズの最終章となる “Guillotine IV (The Final Chapter)”。そしてツインリードが楽曲を扇動する “The Bitter End” やバウンシーなノリで攻め立てる “Die For You” といったアグレッシヴでメタリックな楽曲もばっちり収録。さらにはパワーポップ感と超絶キャッチーなメロディーが融合した “Get Me Out” や、まるでQueenやKissばりのスタジアムロック感とアンセミックなバースを持つタイトルトラック “Just Like You”。トドメに前作でも収録されていたHip Hop要素をさらに前衛的にした “Wait And See”。ラストにはピアノ一本で切々と弾き語られる “Brother” と、どの曲も各々が完全に独自の世界観を持っており、これだけバリエーションに富んだ楽曲達が一枚の作品に収録されていても全く持って違和感を覚えさせないのは、紛れもなくRonnieが唄っているからなのだろう。強いて苦言を呈すのならば、それぞれの楽曲自体は過去の世界観を踏襲している故、Ronnieという男ならばもっとびっくりさせてくれる楽曲が作れるのではないかという所だろうか。
テキスト:Yuji Kamada