【REVIEWS】Oceans Ate Alaska – Lost Isles 〜 デビュー作にしてモダンメタルコアの最終進化系 〜
Released: 2/24/2015 – Fearless
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久々にガツンと後頭部を殴られるような錯覚に陥った。先に言っておくと、デビュー作で物凄いアルバムを作ってしまった化け物が登場だ。2011年にUKバーミンガムで結成され、翌年にDensity Recordsと契約。同年には「Taming Lions」と「Into the Deep」と二枚のEPをリリース。その後もLive活動やレコーディングを重ねながら、2014年には何といきなりFearless Recordsと契約。同レーベルがリリースしている人気コンピレーション作「Punk Goes Pop 6」でBeyoncéのカバーをしていた事も記憶に新しいが、そんな彼等が満を持してリリースする初のフルアルバムであり世界デビュー作だ。
後半につれて一気に加速していくイントロ “FourThirtyTwo” から、Between The Buried And Meを思わせる超絶テクニカルなリフでスラッシーに雪崩れ落ちていく “Blood Brothers”。超絶ハイブリッドなプロダクションを持ち、ブラストビートとビートダウンで転調しまくった挙句に突如激情パートまで顔を覗かせる、凡人には理解不能レベルの楽曲展開を持つ “High Horse”。MVにもなった “Vultures and Sharks” では、クリーンパートと叙情感溢れた展開をプログレッシヴなメロデスと融合させていく。さらに、先行で公開されていた “Floorboards” や “Linger” ではポップパンクの様なパートまで顔を出す始末。Capturer The Crownが出てきた時の様に、ガチンコのメタラーからはディスられてもおかしくない程に多岐に渡ったレンジの広さ。これがまさに新世代なのだ。しかしながら、こうした遊び心は持ちつつも、決してチャラい方向ではなく深遠にかつアーティスティック。シーン全体を見えているからこそ、こうした方が面白いのではないかと舵をきっている印象すら受ける、非常にクレバーなバンドである事は間違いない。これまでBullet For My ValentineやBring Me The Horizon、Architects、Asking Alexandria、Bury Tomorrowといった世界最高峰のメタルコアバンドを輩出してきたUK。お国柄、どちらかといえばトラディショナルな要素をモダンにマッシュアップする事で人気を博してきたバンドが多い中、Bring Me The Horizon以降で最もチャレンジ精神とハイブリッド感を持ったバンド名だけに、今後も超注目の逸材だ。
テキスト:Yuji Kamada