【REVIEWS】The Devil Wears Prada – Space 〜深遠な宇宙からの狼煙となるか〜
Released: 8/21/2015 – Rise
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2005年結成以来、翌年にはRiseと契約し即座にトップバンドの仲間入り。ピーク時には全米Billboard Chartで10位を記録した作品をリリースしただけでなく、それまでクリーンパートにスクリームが入っている事が主流だった当時のシーンにおいて、Underoath以降ブルータルなスクリーモ/ポストハードコアバンドとして後続へ最も影響力を与えた存在として君臨した。その後もFerretやRoad Runnerへ移籍しながらコンスタントに作品をリリースし、米シーンの最前線で活躍を続けてきた。そんな彼等が、再びRiseと再契約。そのニュースを発表した数日後に、長年バンドのリードギタリストであったChris Rubeyの脱退と今作のリリースも発表された。
バンドのEPリリースは2010年にリリースした「Zombie EP」以来となるが、タイトル通り今作は非常にスペーシーな世界観を持った、これまでのバンドのサウンドとは一味も二味も異なるサウンドスケープを持っている。果てしない深さと退廃的で印象的な間奏のプログラミングが耳を奪う、MVと共に公開されたオープニングトラック “Planet A”。 疾走感も伴い、アグレッションを叩きつけながら奥行きあるサウンドメイクに仕上げた “Alien”。クリスチャンバンドらしい荘厳でエモーショナルな展開を持った “Moongod”。今作の世界観を象徴するインストナンバー “Interlude” を挟み、“Supernova” では作品随一の刹那のメロディーとカオティックな要素が交錯。ラスト “Asteroid” では、楽曲が進んでいくにつれて叙情ともいえるほどの壮大かつドラマチックなアプローチになっている。
叙情ハードコアの歴史において宇宙というテーマを持った名盤といえば、Hopesfallの「The Satellite Years」という超名盤EPがあるが、本作はまるでその世界観を自身のフィルターに通し、現代のポストハードコア/メタルコアというフォーマットで鳴らしたかのようなファーストインプレッションを受けた。個人的には前作「8:18」とは比較にならない程素晴らしい作品だと感じているだけに、是非この方向でフル作を聴きたい所だ。
テキスト:Yuji Kamada
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