【REVIEWS】Dresses – Sun Shy
Released: 12/18/2013 – Bullion / SideOneDummy
各レーベルが自身のレーベルカラーを逸脱したバンドと契約し、リリースする事で話題になる事は今や特別珍しい事ではなくなった。MXPXやGOLDFINGERを輩出し、今現在でもFLOGGING MOLLYやTHE GASLIGHT ANTHEM、GOGOL BORDELLO等、俗にいう「硬派で「本物」だとシーンのリスナーから称賛され、愛されるバンドが所属するSide One Dummy。毎年あの【Warped Tour】のコンピCDをリリースする事で有名でもある、米LAを拠点とする老舗レーベルの一つ。数多くのPunkをベースにしたアーティストの作品をリリースしてきた同レーベルだが、ここもまた例に漏れず、これまでのレーベル・カラーとは少し毛色の違うアーティストをリリースしてきた。
それがこの米オレゴン出身、2012年に結成されたTimothy HellerとJared Ryan Maldonadoの二人からなるIndie PopデュオDRESSES。先日リリースされたHELLOGOODBYEのレビューでも書いたが、PunkとIndie Popの歩み寄りは音やフィーチャリングに限った事ではなく、もはやシーン全体の流れなのである。それがここ日本にまで定着するか、どのくらい時間がかかるかは分からないが、こうしてしっかりとBullionから国内盤がリリースされる事は意味がある。
リードトラックであり、彼女達の存在を大きく知らしめた“Blew My Mind”に代表されるアコースティックと陽だまりの様なじんわりと温かいメロディーを軸にしたフォーキーな世界観。加えてタイトル曲“Sun Shy”や“Tell A Lie”等、同じIndie Popシーンにおいて主軸となっている打ち込みを使用したダンサブルな楽曲も収録。FEIST、日本で言えばPredawn辺りを彷彿とさせるイノセンスを持った“Sticks & Stones”や“Real People”での適度なチル感。Indie Pop特有の脱力感を持ちながら、愛を表現する“Gotta Love”。優しいメロディーと世界観に統一されながら、灰色から眼を細めるほど眩しいオレンジまで楽曲によってしっかりと色のある、非常にカラフルな一枚だ。それぞれの男女Vocalの声質も邪魔する事無く、互いを引き立て共存したコーラスワークを披露している。
天気の良い午後にまどろむもよし、外出のお供にもぴったり。常に僕達の側で鳴り響くであろう極上の『Sun Shine』ミュージック。
テキスト: 鎌田 裕司 a.k.a. わいけ