【REVIEWS】Date My Recovery – 8-Bit Heartbeat

Released:12/18/2013 – GO WITH ME
Fail Emotionを始め素晴らしいアーティストがいながらも、これまでほぼ日本へ音楽的シーンの情報が入ってこなかったロシアのシーンだったが、ここ数年GO WITH MEレーベルからのリリースの甲斐もあり、断片的にだが、ようやくその全貌が見えてくる様になった。元々ユーロ圏からの影響を多分に感じられるその音楽的嗜好は、ハードコア/ポスト・ハードコア/スクリーモ界隈でもその例に漏れず。あくまで肉付けの一つとして取り入れられていたエレクトロ要素は、Eskimo CallboyやHis Statue Fallを筆頭としたドイツ勢の台頭により、さらにエクストリームなバンドが登場してもおかしくない状況へ。ワールドワイドでみればEnter ShikariとCrossfaithがセンスとレベルの視点で見ても群を抜く状況だが、ロシアのバンドはそんなエレクトロの全面感が本当に強い。新たに現れた彼等もまたその例に漏れず。
ロシアはTymenという町で2010年に結成。自らのサウンドを「Trancecore」と称し、影響を受けたバンドはEnter ShikariやHelia、Abandon All ShipsといったElectrocore勢からAsking Alexandria、ArchitectsといったMetalcoreまで。その見事に真ん中をいくサウンドを軸にしながら、ユーロセンスばりばりのエレクトロから一気にブレイクダウン、そしてスラッシーなパートへ展開していく “Some Thing”、バンドの1stシングルとなった “Polar” での叙情的な展開。タイトルにもある8bit感を強靭なMetalcoreと融合した新機軸 “Cynical Autopsy” 等、ただの「Transcore」と呼ぶには非常にそのエレクトロの使い方も多彩。同じロシアのFail Emotionと比較されがちではあると思うが、彼等の方がエフェクトの使い方も含め、よりモダンな印象だ。まだまだ知名度的な面では低いバンドかもしれないが、この国内盤リリースを機に、一気に日本国内で人気を獲得する可能性は高い。元々本国でリリースされているepにボーナストラックを付けた日本限定仕様故に、作品全体で聴くと散漫な印象は拭えないが、既に完成間近と言われるフル・アルバムへの序章とすれば、これ以上ない強烈なインパクトを残す一枚に仕上がっている。
テキスト: 鎌田 裕司 a.k.a. わいけ

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