【REVIEWS】7000$ – Let’s Go 〜 ロシアの隠された最終兵器がいよいよ日本デビュー 〜
Released: 1/15/2014 – GO WITH ME
Fail Emotion、Date My Recoveryに続いて3組目のロシア産アーティストのリリースとなったGO WITH MEからの新たなる刺客がこの5人組。『新たな』とはいっても実は結成から15年、本国のラウド・シーンに置いては頂点に君臨するバンドである。そんなにも国内の最前線で活動しているにも関わらず、日本ではほぼ知名度のないバンドである事からも、改めてロシアのシーンの情報がどれだけ日本に伝わりにくいかを思い知らされる。と同時に、ロシアに限らずだが、そんな世界中のバンドをこうして国内盤リリースして紹介してくれるレーベルの存在意義は大きい。
これまで同レーベルからリリースされてきた様なトランスにも近いエレクトロを導入したタイトル曲 “Let’s Go!” を聴く限り、いわばロシアのLinkin Parkとも形容出来るMixtureサウンドなのかと思いきや、退廃的なピアノの旋律が印象的な “Avalanche of Days” や “De Caredul, Don’t Cut Yourself” に代表されるモノクロでシリアスな世界観が広がる。しかしアプローチとしてはシンフォニックなトラックにラップとスケール感のあるサビを織り交ぜた “Be Yourself”、メタリックなリフを持つ “Get Rich or Die” 、Dead By AprilやCrossfaithの様なエレクトロを導入した “In our Memory” 等の疾走曲、メジャーコードで爽やかに歌い上げる “No Farewell”、90年代ハードコアからの影響をもろに出した “Scream” 等、一本筋の通った世界観ながら決して一辺倒にはならない幅広いレンジの楽曲が収録されている。聴き始めは英語ではなく母国語で唄われる歌詞に違和感もあるかもしれないが、聴いていると英語圏ではありえない言葉の乗っけ方がヤミツキになる。
テキスト: 鎌田 裕司 a.k.a. わいけ