【REVIEWS】Of Mice & Men – Restoring Force 〜 「nu-metal」をも飲み込んだバケモノ 〜
Released: 1/28/2014 – Rise Records
メンバーの脱退や加入、新バンドの結成等、相変わらずトピックが多いスクリーモ/ポスト・ハードコア界。同時にトレンドも瞬くスピードで変化していくが、着々とステップアップしていくバンドは本当に一握り。そんな激動のシーンの中で、もはやex.Attack Attack!という肩書きが完璧に霞む程に成功を勝ち取ったAustin Carlile率いる、Of Mice & Menの三枚目となる最新作が堂々リリース。2013年に行われたSCREAM OUT FEST 2013での初来日の記憶も新しい。
このバンドもまたメンバーの出入りが決して少ない訳ではない。結成時からクリーンパートを担当してきた現DayshellのフロントマンShayley Bourget脱退後、ex.Jamies ElsewhereのAaron Pauleyが新たに加入して最初の作品。同バンドがVictory在籍時代にリリースしたスクリーモの超名盤「They Said A Storm Was Coming」でVocalを担当していた彼だ。個人的にとても大好きなVocalだっただけに、最初にこのNewsを聞いてから心待ちにしていた。
そんなバンドの新体制でのレコーディング中、「Linkin ParkとかLimp Bizkit、Slipknot やChevelle辺りのnu-metalサウンド(今でいうLoud Rockの礎となったジャンル)を彷彿とさせるかもしれない。」「MeshuggahとNickelbackを融合した様なサウンドだよ」等と語っていたAustinの言葉通り、これまでのメタルコアとポスト・ハードコアの中間をいく様なサウンドに凄まじい音圧を加えた、素晴らしいインパクトの作品となった。Papa RoachやBreking Benjaminといったバンドを手掛けてきたDavid Bendethをプロデューサーに迎えた事も、Austinの求めるサウンドをより具現化する大きな手助けになった事だろう。まさにあの頃を想起させる様なイントロのリフから、一気に爆発する “Public Service Announcement” から幕開け。続く “Feels Like Forever” でようやく新加入のAaronが美しくも儚いクリーンパートを歌い上げるが、正直Austinのスクリームというよりはガナった唄い方がLinkin ParkのChesterの様で、完全に耳を奪われてしまう(笑)。その他にもリフで溜めてから繰り出されるスクリームが圧巻な “Break Free” や、一曲丸々ほぼスクリームなしでAustinが唄い上げる “Would You Still Be There” 等、モロにnu-metalからを消化した楽曲も収録。勿論一曲目以外にも “Glass Hearts”や“You Make Me Sick” 等、Austinの鬼気迫るスクリームやブレイクダウンが存分に堪能出来る楽曲も満載だ。バンドを離れたShayley率いるDayshellも、よりこういったnu-metalやオルタナ要素を全面に出したサウンドを鳴らすバンドなので、この辺の関係性も合わせて聴くと非常に興味深い。Sleeping With SirensやThe Word Alive等も最新作ではより『ロック』に歩み寄ったメロディーやサウンドを取り入れていた事もあり、徐々にこういった動きが束になると俗にいうムーヴメントになったりもするゆえ、眼も耳も離せない。
この界隈のバンドでは鉄板な型にはまった展開だけではなく、リフやリズムでも充分にアグレッションは表現出来るのだという事を証明させた、シーン最前線のバンドだからこそ挑戦出来た一枚だろう。
テキスト: 鎌田 裕司 a.k.a. わいけ
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