【REVIEWS】Attila – About That Life 〜 愛すべきお馬鹿パーティーブルータルコア 〜
Released: 4/2/2014 – TRIPLE VISION / Artery Recordings
今作もお下劣で痛快すぎる(笑)。Bring Me The Horizonの大驀進以降2000年代中期から続々と登場したDeathcoreバンド達の中でも、デビュー時からとりわけ異彩を放ちまくっていた米ジョージア産の最新作がこの5枚目となる新作で国内デビューだ。
Statik Factoryから二枚のリリースを経て、現在所属するArteryと契約してから2010年に発表された3rdアルバム「Rage」でその名を大きく知らしめた彼等。そこからの快進撃は見事なものだった。4枚目となる「Outlawed」では全米ビルボードチャート87位と、このサウンドでこの順位は当時かなり驚いた記憶がある。その後もツアーを重ねながら、Riseに所属する多くのバンドをプロデュースしてきたJoey Sturgisと共に今作を完成させた。
Slipknotでお馴染みの「ナカユビタテロー!」を思わせるタイトルを持つ1stシングル “Middle Fingers Up” は、まさにバンドの武器と勢いを象徴した一曲。Hip Hopトラックから一気にスラッシーなパートへなだれ落ちていく最高のオープニングトラック。そしてLimp Bizkitからの影響下を如実に出した、ラップと地獄を這うグロウルの対比が印象的なタイトル曲 “About That Life”。System Of A DownのSerj TankianやKoЯnのJonathan Davisの様な捲し立てる歌唱法で畳み掛ける “Thug Life”や“Unforgivable” 等、nu-metal/Loudの要素を存分にねじ込んでくるのが彼等らしい。そう、Sleeping With Sirens最新作「Feel」に収録されている “The Best There Ever Was” でも披露されているあれだ(笑)。その他にも、まさに彼等の音楽をズバリ表したタイトルを持つ “Party With The Devil” でのシニカルなチアコーラス、業とらしいギャングスタ風のインスト “Gimmicks & Lie$” からボイスパーカッションで幕を開け、ラストには壮絶なブレイクダウンへと流れる “Callout”。そのどれもが確信犯的で既存のDeathcoreセオリーから逸脱した変態っぷりサウンドに、テンション上がらずにはいられない。
今作はビルボード総合チャート初登場22位。なんとHard Rockチャートでは4位の快挙。時代は変わりつつある。レコーディングの進められているフロントマンChris FronzakのHip Hop/Rapソロ作も楽しみだ。
テキスト:Yuji Kamada