【REVIEWS】Pompton lakes – Rest 〜 ex. This Day & AgeのJeffによる新バンドが日本上陸 〜
Relaesed: 4/16/2014 – Cars & Calories
2006年の解散以降、未だに局地的な支持を得る美エモバンドThis Day & Age。そのフロントマンであったJeff Martin脱退後、残ったメンバーで結成されたThe Reign of Kindoが日本で大ブレイク。Jeffも2010年にはThis Day & Age時代のバンドメイトであり現The Reign of KindoのドラマーSteven Padinと共にソロ作「The First Joke」を発表。国内盤もリリースされ、等身大ながら温かいアコースティックとエレクトロニカが絡み合うサウンドと美しいメロディーで話題となっていた。その後再びバンドという形態での活動への欲求が溢れ出たJeffが2011年結成したのがこのPompton Lakes。本国で2012年にデジタル配信のみでリリースされたデビュー作が、ここ最近コアながらも良質な作品をリリースしているCars & Calories Recordsから国内盤化された。
リード曲である “Home” に代表される、軽やかさとスケール感が同居した独特のサウンドスケープだ。メンバー曰くDeath Cab For CutieやColdplayといったバンドからインスパイアされたサウンドというが、それも納得。印象的なベースラインと壮大なコーラスワークの絡む “Searching”。木々の隙間から光がさしていく様な展開をみせる“Merciful”。タイトル通りバンジョーの音色と共に疾走する “Hope (Banjo Song)” 以外はミッドテンポで、マイナーコードを多用したノスタルジックな世界観はソロ時とはまた一味違ったサウンドに。しかし、相変わらず繊細でため息が漏れる程に美しいJeffの声はぶれず。まるで美しき深い森の中から奏でられる様な、極上のインディーロックだ。
テキスト:Yuji Kamada