【REVIEWS】Youth In Revolt – Love Is A Liar’s Game 〜 皆が待っていた「スクリーモ」の寵児 〜
Released: 6/17/2014 – Outerloop
また凄まじいバンドが現れた。一聴しただけでここまで吹き飛ばされたバンドも久しぶりな気がする。2012年末に米ニュージャージーで結成され、初期は今よりもトレンディーにエレクトロを多めに取り込んだサウンドを鳴らしていたが、徐々に自分達のサウンドを確立。2014年にはFearless Records傘下にあるOuterloopと契約を果たし、このデビューEPをリリースとなった。
初期から元々武器としていたハイトーンとエモーショナルかつアグレッシヴなメロディーラインはさらに進化。Of Mice & Menの様な攻撃的なギターリフから一気に疾走し、Sleeping With Sirens直系のボーカルスタイルで唄い上げるメロディーにいきなり耳を奪われる“There For You”。爽やかでちょっぴり切ないメロディーをフィーチャーしたタイトルトラック “Love Is A Liar’s Game” や、疾走感が心地よい “When It’s Over”。これらの曲に代表される様に、基本Sleeping With Sirensに魅了されたリスナーは間違いなく彼等の虜になるだろう。Sleeping With Sirensがやや脱スクリーモ/ポストハードコア化していくのに対し、彼等は完全に「あの頃」のニュアンスを前面に打ち出している。さらにSleeping With Sirensはあまり打ち出さなかったブルータルなブレイクダウンや強烈なスクリームも取り込みつつ、軸にあるのはクリーンパートという完璧っぷり。なおかつデビューEPとは全く思えない程の素晴らしいハイブリッド感を持ったプロダクションに仕上がっている。
オリジナリティーという点ではまだまだだが、このクオリティーならばご飯何杯でも食べれると思わされるレベルなだけに、間違いなくここから凄まじい勢いでシーンの最前線へ躍り出る逸材だ。今から確実にチェックして欲しい。
テキスト:Yuji Kamada