【REVIEWS】Bury Tomorrow – Runes 〜 鋼鉄に刻まれた神秘の詩 〜
Released: 5/27/2014 – Nuclear Blast
Bullet For My ValentineやArchitectに続き、Asking Alexandriaと共にUKメタルコアバンド界の最前線に君臨。2006年結成以降、確固たる鋼鉄サウンドを鳴らし続けてきた彼等の約2年振り3rdフルが、前作に続きNuclear Blastからのリリースとなる。様式美を柔軟に解釈したメタル、重戦車の様にモッシーなハードコア、そして叙情感たっぷりのメロディアスなクリーンパートという彼等を形成する三本柱は今作でも崩れる事なく、よりスケール感を増して鳴り響く。
2月に先行で発表された “Man on Fire” のみならず、Danielのスクリームがこれまで以上に抑揚ついた事でJasonのクリーンパートとの対比だけでなく、楽曲により情感をもたらしていく。そしてなにより今作で象徴的なのは、新加入したKristan Dawsonのギター。昨年脱退してしまったリードギタリストMehdiには申し訳ないが、彼のテクニックやセンスは尋常ではなく “Shadow, A Creater” での引き倒しっぷり、“Darker Water” や “Year of the Harvest”、“Of Glory” 辺りのスラッシーな刻み。そしてクリーンパートの後ろでひたすらドラマティクで流麗なフレーズを引きまくるそのセンスに耳が釘付けとなる。アカデミックなフレーズも得意とする様で、彼が加入した事によりメタルコアの起源である「MAメタル」 の代表バンドであるKillswitch EngageやAs I Lay Dyingっぽさをそこはかとなく感じられるのも心地良い。海外では既にこれらのバンドは「old school metalcore」と呼ばれているらしいが、こうした伝統や温故知新感をしっかりと現代のサウンドとして消化させている辺り、Asking AlexandriaもそうだがUKらしくてニクい。
6月の頭に本国UKでは先行でリリースされていた本作だが、全英チャート34位、ロックチャートでは1位を獲得とさらに多くのリスナーから支持されている事は明白。さらなる海外進出を図ってくる事は間違いないが、2010年以来となる来日も是非お願いしたいところ。
テキスト:Yuji Kamada
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