【REVIEWS】Famous Last Words – Council of the Dead 〜 シアトリカル、ポップネスの高次元融合 〜
Released: 8/25/2014 – InVogue
ゴシックかつシアトリカル、そしてドラマチックな楽曲展開でCrown The Empireと共にこの界隈のポストハードコアを牽引する彼等の2ndフル作がリリース。今作と同じくINVOGUEからリリースされた前作「Two Faced Charade」や契約後最初のリリースとなった「Pick Your Poison」EPしかり、もっと言ってしまえば自主でリリースされた二枚のEPから、2010年結成以降、一貫して高いクオリティーの作品をリリースしてきた。だからこそ「良くて当然」 だったり「高い期待」 というハードルを超えなければならないのも必然になってくる訳だが、彼等は今作でもまたそこを余裕で超えてくるから驚くばかりだ。
Motionless In Whiteや前述のCrown The Empireといったデカダンでゴシックな要素を持ったバンド達に比べると、My Chemical Romanceの曲名から名付けられたバンド名からもお分かりの通り、そのメロディアスなクリーンパートと疾走感が彼等最大の武器。それを最大限に炸裂させたタイトル曲 “Council of the Dead” や “The Fog” を筆頭に、これまで以上にドラマティックな展開を持ちつつ、楽曲自体をほぼ4分以内に収めている辺りも好印象だ。バックに敷き詰められているエフェクトも単にシンフォニックなものだけでなく、ピアノのサウンドとモダンな打ち込みが融合したイントロを持つ “Brothers in Arms”、浮遊感ある印象的な音色を持つプログラミングが駆け回る “Fading Memories”。そしてこうしたエレクトロ要素だけでなく、ソリッドかつメタリックなリフが楽曲をグイグイと引っ張る “The Uprise” も収録。冒頭の “Letter to the Council” や中盤の “Entity” といったインストも効果的に入れ込まれており、全体もこれまで以上にコンセプチュアルな世界観で統一する事に成功している。ラストを飾る二曲である “One In The Chamber” と “The End Of The Beginning” は合わせてMVが制作されており、感動的かつ非常に訴えかけられる内容になっているのでこちらも合わせて是非チェックして欲しい。
こうしてまた一つ高いハードルをクリアした彼等だけに、バンドの地力とセンスは完全に証明されただろう。後はどれだけその名を広めて行けるか、これからの活動に注目したい。
テキスト:Yuji Kamada