【REVIEWS】The Ghost Inside – Dear Youth 〜 強靭さとアート感を見事に共存 〜
Released: 11/18/2014 – Epitaph
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相変わらずモダンハードコアのトップに君臨するだけある圧倒的な存在感だ。前身バンドであるA Dying Dreamが2004年に結成され、Frontline RecordsからEPをリリース。その後Mediaskare Recordsへ移籍し、同EPを再発した後に現在のバンド名と改名。当時の叙情派ニュースクールファンとモッシュコアリスナーを共に驚愕させた1stフル作「Fury and the Fallen Ones」。そして耳に残りまくるバースをふんだんに取り込みハードコアの新たな可能性を提示した2ndフル作「Returners」を発表と、同レーベルでも類を見ない程のスピードで加速していったバンドが放つ4枚目となる最新作だ。老舗でありインディー最王手ともいえるEpitaphへ移籍して放たれた前作3rdフル作「Get What You Give」では全米ハードロックチャート8位を記録と、まさにブレイク間近だっただけにバンドもこの最新作にかける熱量は並々ならぬものだっただろう。前作のプロデュースを手掛けたA Day To RememberのフロントマンJeremy McKinnonと、The Word AliveやHer Name In Blood等を手掛けるAndrew Wadeが共同で今作を手掛けている。
焦燥感ありながらもじっくりと熱を帯びていく冒頭からメタリックでモッシーなパートへ変化するかと思いきや、メロディックハードコアのど真ん中ともいえる疾走感でいきなり爆走する“Avalanche”。メタリックなリフが楽曲を扇動する “The Other Half” や超モッシーな “Out Of Control”。スポーティーかつポストハードコアの様なモダンなイントロから一気にアグレッションを帯びて疾走する “Move Me” は彼等の代表曲である “Unspoken” 以来の新たなアンセムだろう。モッシーな要素はこれまで通りモッシーなのだが、前作でもちらりと覗かせていたTouché AmoréやPianos Become the Teethに代表されるモダンでアーティスティックなハードコア勢の様な要素が感じられるパートも “Blank Pages” 等で盛り込まれつつ、“Phoenix Flame” ではストリングスも取り入れた壮大なエモーショナルサウンドを鳴らし新境地に到達した事を証明している。全体的には変わらずアグレッシヴなサウンドの詰まった作品だが、これまで以上に説得力に満ちた作品であり、様々な感情や情景を聴き手にもたらす一枚だ。
テキスト:Yuji Kamada
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