【REVIEWS】New Empire – In A Breath 〜 美しき旋律が空高く舞い上がる 〜
Released: 1/7/2015 – Cars & Calories / Tooth & Nail
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熱心な美メロファンにはお馴染み、2005年にオーストラリアはシドニーにて結成された4ピースバンドが何と2014年にTooth&Nail Recordsと契約。結成したその年には母国の大型フェスティバルBlack Stump Music and Arts Festivalに出演。その後デビュー作「Come with Me Tonight」を2008年にリリース。2009年のRelient Kサポートアクトを皮切りにGood CharlotteやSwitchfoot、Owl City等のオーストラリア公演をサポートしている。こうして知名度が加速的に伸びていく中2011年にリリースした2ndフル「Symmetry」はオーストラリア国内でもTOP40にチャートインし、ニュージーランドでもTOP30に入るほどの売上を記録している。そしてこのバンド3作目となる最新作で、いよいよワールドワイドデビューとなった。日本では国内盤もリリースされてこなかったので熱心にこの界隈を掘っているリスナー以外はまだ馴染みが薄いかもしれないが、前述の通り本国オーストラリアでは着実にステップアップしてきたバンドの力作だ。
初期から一貫している美しいメロディーとスケール感溢れるサウンドは、今作でも存分に披露。決して仰々しくなりすぎずに、内省的でありながらもダイナミズムを持ち合わせる感覚がまた彼等の最大の武器だろう。一曲目の “Tale of Jonah” から、美エモシーンを飛び越えてColdplayばりの美ロックヒストリーに刻み込まれる程の名曲である訳だが、聴き進めていく毎にどんどんと美しい旋律が顔を出す。クリスチャンロックにも通じる神々しさと広大さが同居した “Relight the Fire” やシンセを導入し80’s感を打ち出した “Say It Like You Mean It”。個人的には初期のCopelandをよりハイブリッドにした様な“Left Behind” のあまりの名曲っぷりには思わず絶句。決してキラーチューンというちんけな言い方はしたくない程に良い曲が詰まった至極の一枚だ。
テキスト:Yuji Kamada