【REVIEWS】We Set Signals – Polaris 〜 ポストハードコア×ポップパンクの最終兵器、”覚醒”の最高傑作! 〜
Released: 1/14/2015 – Maxtreme
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僕が彼らに出会ったのは当時オーストラリアを代表するポップパンクバンドのSkywayが活動休止を発表した2012年。豪Pop Punkシーンの明日を憂いていたが、My Favorite Accident、Wake The Giants、Call The Shots、そしてこのWe Set Signalsらの台頭により、それは杞憂に終わった。Easycoreのエッセンスを取り入れたポップパンクが全盛を迎えるなか、すぐにWSSの1st EP「Break These Walls」を手にし、僕が彼らに持った鮮烈な印象は “とにかく手数足数の多いドラム” これに尽きた。もちろんポップな楽曲も素晴らしいのだが、もっとリズムを活かせるシリアスな楽曲の方が彼らには合うのではないか?
そして2014年届いたのが本作、僕の願いが届いたのか、WSSはリズム隊の勢いはそのままに、よりポストハードコア・テイストを強め帰ってきた。まさに理想どおりだった。A Loss For Wordsを髣髴とさせる歌ゴコロ満点のVo. はさらにその風格を携え、”Not All Those Who Wander Are Lost” から、1分を超える歌語りから幕を開け、一気に疾走・炸裂するエモーショナル!前作には見られなかったエレクトロの要素も少量ではあるが、時代の流れを捉え、楽曲に華を添える。A Day To Remember、Survive This!、These Heartsらのファンは感嘆の声を上げるだろう!ポップパンクの流れも決して忘れてはいない、ウクレレのイントロからメロディックに進行する “Homeward Bound” 。スクリーム×ハードコア×美メロの極み “No Stairway, Denied” 。個人的にベスト・チューン、回顧的なオルタナティブ・メロディックがココロに火をつける “You Had Your Chance Milhouse”。あと1点欲を言わせてもらえるのであれば、そして次作に期待したいのが、サビでのキレッキレの殺傷能力。これさえ備えればまさに文句のつけようがない無敵のバンドと成りうるはず!個人的には満点に限りなく近い2014年最重要作品。国内盤には前述の1stEPからの2曲をボーナス・トラックとして収録!シーンは再びオーストラリアを中心に動き出す!
テキスト:Sway