【REVIEWS】We Are Harlot – We Are Harlot 〜新たなロックンロールの歴史を刻む〜
Released: 4/1/2015 – Roadrunner
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UK出身ながらアメリカでも大きな成功を掴んだメタルコアバンドAsking Alexandria。そのフロントマンであったDanny Worsnopが、2011年にサイドプロジェクトとしてあのSebastian Bach.のギタリストも経験したJeff GeorgeやSilvertideのBrian Weaver等といった、スーパースター達と共に結成したのがこのWe Are Harlot。遂にその全貌を現すデビュー作をリリースだ。後期Asking Alexandriaでは元々自身の中であったトラディショナルなハードロックやオルタナティヴロックのルーツを要所要所に打ち出していたDannyが、バンドのブレイクタイミングであっても脱退してまで専念したかった事が詰まった、素晴らしい作品となっている。
The Pretty Reckless等を手掛けたKato Khandwalaがプロデュースした、そのハードロックをベースにしながら非常に多彩なプロダクションがとにかく気持ち良い。パワフルでドライヴしまくるリフが炸裂する “Dirty Little Thing”。弾かれる鍵盤の音色がよりカラフルさを演出した “Dancing On Nails”。一転してNickelbackの様な、オルタナティヴかつメロディアスな骨太アメリカンロック感満載の “Someday” や “I Tried”。Skid RowやMötley Crüeを彷彿とさせる振り切れまくった爆走ロックンロール要素と80’sハードロック感を持った “One More Night” や “Flying Too Close To The Sun”。カッティングギターとヴィンテージ感あるオルガンがグラマラスな雰囲気を醸し出す、ダンサブルな “The One”。
AC/DC、Van Halen…当時のハードロック/メロディックハード勢を知る人間であればある程にニヤニヤが止まらないサウンドが詰まっているのだが、単なる懐古復権ではなく所々で暴発するDannyのスクリーム等、モダンなニュアンスと融合させている辺りがまた最高。こうしたサウンドが大好物であるおじさま達だけでなく、Asking Alexandria時代のファンだったキッズの耳にも少なからず届く事を祈る作品だ。Fall Out Boy、Anthrax、Everytime I Dieのメンバーから形成され話題となったThe Damned ThingsやAirbourne辺りのモダンハードロック勢ともリンクする今後が楽しみすぎる逸材だ。Dannyさすが過ぎ。
テキスト:Yuji Kamada