【REVIEWS】COUNTRY YARD – Bows And Arrows 〜力強く美しい、唯一無二のポジティヴサウンド〜
Released:4/8/2015 – STEP UP
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前作「QUARK」以来、約2年ぶりとなるCOUNTRY YARDのミニアルバム「Bows And Arrows」が遂にリリースとなった。2014年度は新宿ACBにてキャリア初のワンマン・ショウを開催、SUMMER SONIC 2014を始めとするビッグフェスへの参戦、さらにREDLINE ASIA TOUR 2014で韓国・香港・台湾を横断するなど、着実にその活動の幅を広げてきた。これまで数回にわたって行われた自らの主催イベントBROTHERHOODも大盛況を収め、2015年にはNew Found GloryやHit The Lightsらのサポート・アクトも務めるなど、バンドとしての勢いは増すばかりだ。類まれなるパフォーマンス力を持つライヴ・アクトとして、そして常にポジティヴなメッセージを発し続ける稀代のバンドとして名を馳せる彼らを、新たなステージへと導いていくであろう重要な一作が、この「Bows And Arrows」という作品である。
彼らの武器とも言える美旋律と躍動感溢れるエネルギッシュなサウンドの融合は、より研ぎすまされた形で本作に凝縮されている。オーディエンスが腕を突き上げ歌い上げるライヴの光景が目に浮かぶアンセミックな疾走パンクチューン “Life In Metronome”、伸びやかなヴォーカルワークと煌びやかに折り重なるギター、心地良く刻まれるしなやかなリズムがどこまでも心臓の鼓動を速める “Hold On”、1分半と言う短い構成ながら爽快感溢れるメロディアス&パワフルな音像が鼓膜に焼き付く “Open Up”といった力強くクリアな楽曲陣は、まっすぐ胸に響いていくだろう。さらに鮮やかなギターの音色で幕をあけ、次第に爆発していくエナジーと澄み切ったコーラスワークにぐんぐんと高揚感を煽られる “Elegia”、ノスタルジックな音色と繊細な音像が絡まり美しいコントラストを生み出す “I’m Alright,You’re Alright”、そして熱の籠った柔らかなメロディにシンガロングしたくなる “From My Hand” と、眩いばかりの透明感を伴ってラストまで駆け抜けていく。ライヴ・アクトとしての高い実力も存分に発揮しつつ、暖かな音像と曲に込められた前向きなメッセージは、非常に味わい深い。一通り作品を聴き終えた頃には、ふと心が軽くなる瞬間がやってくるはずだ。
4月11日(土)八王子RIPSでのワンマン公演を皮切りに、約2ヶ月に渡って本作を引っさげたBows And Arrows Tourを開催するCOUNTRY YARD。新たに施した試みも多かったと言う本作を以て、バンドへの注目度はますます高まるはずだ。
テキスト:Leyna Miyakawa